ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

ピーマイのプレゼント

2011年12月30日 20時01分17秒 | 日記
朝の集会中に 騒がしい音楽が聞こえてきた。
「さちえ、見に行っておいで!」といわれて、
一番に走っていくと、センターの前の道をちょっとしたパレード。
おもしろいおかまのお姉さん(?)たちが先頭でにぎやかに歩く。
年末はどこも、歌ったり踊ったり、庭を宴会場にして一日中お酒を飲んだり。
今はどこもそんな雰囲気になっている。
   

  



タイは旧暦の正月を盛大に祝うが、
年末年始も日本と同じように、来年の幸を願う。
「サワッディーピーマイ」という言葉で。
よい年を迎えてね、来年がいい年でありますようにと。

去年は任国外旅行でベトナムに行っていたので、
初めて過ごすタイでのピーマイ(年末年始)。
なんとなく、みんなを見ていると、どうやらプレゼントを渡しあう感じ。
スーパーには日本で言うお歳暮のようなギフトセットから、
小さなお菓子、ぬいぐるみなどピーマイのプレゼントが並んでいる。

そうでなくても、私としては何かちょっとしたプレゼントがしたいなあと思っていたので
お菓子をたくさん買い込んできた。
日本のチョコが好きな食堂のリーダー、ピーオンには明治のチョコ。
他のみんなはタイのお菓子。
この丸い缶のプーさん37バーツ程度(111円)、大きいのが100バーツ(300円)
なのに、日本でもおなじみ明治のチョコレートは90バーツ(270円)。
タイのお菓子がびっくりするほど安いというのもあるけれど、日本のお菓子は高い!!
     


それと、これまでに撮ったたくさんの写真を現像して一緒に渡そう。
毎日毎日写真を撮るので、現像しても現像しても、またこれもあげたい
またいい顔があった、これもあげたい、あれもあげたいと、
毎日きりがなく、ここ一週間は夕方は毎日自転車をこいでカメラ屋に通った。

枚数もかさめば金額もなかなか。 
1ヶ月分の家賃をはるかに超えてしまって、
お店の人も毎日やって来ては、すごい量の現像をしていくので、
お店のパーマンのTシャツの店員さんもすっかり私の顔を覚えた。
      
でも、1枚3バーツ(9円)。それで喜んでもらえるなら安いもの。
カメラを持っていない保護者も多いし、この1枚がきっと宝物になる。
      


1000枚を超す写真を午前中かけてせっせと仕分けして午後から配り歩く。
「サワッディーピーマイ」「チョークディーピーマイ」
(よい年を迎えてください。幸せでありますように。)
の言葉を沿えて、センター長や先生達、食堂のおばちゃんたちに渡していった。


センター長もうれしそうにおどろいていて、
「タイの文化ですよね。」と言うと、うんうん、そうだとうなずく。

食堂に行って、
「いつもおいしいごはんをつくってくれてありがとう。」
と言って渡すと
おばちゃんたちは
「さちえにあげる物がない!」とみんなでギャアギャアわめいて、
一人ずつぎゅうっと抱きしめてくれた。
「さちえが幸せでありますように。」
「悪い人と会わず、いい人と出会えますように。」
「健康でありますように。」と言いながら。
なんだかうれしくて涙が出そうだった。


今までにも写真をあげたことは何度もあるし、
日本から送ってもらった服や高いお菓子をあげたことも何度もある。
でも、今日の ピーマイのプレゼントは 高い物ではないけれど、
今までで一番喜んでくれていると思った。
それは、これまでに築いてきた関係もあるだろうけれど、
私がタイの文化の中に入って
みんなと同じことをしようとしている、それが伝わって
みんなこんなに喜んでくれたのじゃないかと思う。
     


高い物がいいわけじゃない。
心なんだな、とあらためて感じた。


なんだか、やけに食堂が忙しそうにしている。
なにやらたくさん作っている。
鳥をぶった切り、豚をぶった切り。
      


何だろうと尋ねると、食堂のおばちゃん3人のうちの一人、
ピーミヤオの結婚式があるという。
今日の今日! 
しかも年の瀬 12月30日に!
そのための食事を作っているので、みんなてんやわんやしているのだ。
知らなかったのは私だけかというと、そうでもなくて、
他にも知らない先生がいるから、やっぱりタイってすごい。
結婚式でも2週間前にカードを配ったり、当日知ったり。


みんなの車に同乗してピーミヤオの家にいく。
職場の人たちがきたたところで、ピーミヤオはきれいな衣装を着て出迎えてくれる。
わあ、今日のピーミヤオ、とってもきれい!
      

簡単な結婚式をする。本番は夜なのだろう。
腕に紐を結ぶイサーン式の結婚式で、さちえも結んであげてと言われる。
ご主人には日本語で「2人が幸せでありますように。」
ピーミヤオには周囲が「さちえ!イサーン語で言って!なんでもいいから!」
とはやしたてるので、知っているイサーン語を並べる。
「ダイボッ キンタマフーン セーッブライドゥー メンボッ」
(できますか?ソムタムを食べる、とってもおいしい、そうでしょう?)
みんなが大笑いして、私も大笑いしながらピーミヤオの腕に紐を結ぶ。
      
こういうことを楽しんで、なんでも許してくれるタイ人ってやっぱり素敵だな。


夜は、屋台のおばちゃんたちに写真とお菓子を渡しに行く。
やっぱり、写真を一番喜んでくれる。
「スワイ! スワイ!」(きれいきれい!)と言って。
タイ人はみんな写真がとても好き。      
       


「さちえ、これもっていきなさい!」と焼き鳥屋のおばちゃんが
どっさりと焼き鳥をくれる。
ガイヤーン屋のおじちゃんもイサーン料理を持たせてくれる。
「さちえ、ソムタム作ってあげる!なにがいい?ソムタムラオよね?」
ソムタム美人のお姉さんが、私が好きなソムタムを作ってくれる。
     

ソムタムにも種類があって、私はイサーンのソムタム、「ソムタムラオ」が大好き。
タイ人でもみんながソムタムラオを食べられるわけじゃないので、
外国人の私がソムタムラオを好きなことを、みんな喜んでくれるのだ。



最後は、ナムプリック屋さん。私のタイのお父さんお母さんたち。
お父さんには日本語の本を、お母さんにはあたたかいブランケット、
そして、この家族に和紙のしおりをプレゼントする。
手書きのカードも喜んで受けとって、
「まあ、さちえ!タイ語も上手に書けてる!」
「タイの文化を知ってる!」
「上手上手!」
とまあ、なんでもほめてくれる。
一緒に夕食を食べ、忙しいけれど、すごく幸せな一日だった。

明日は大晦日。タイでは仏歴2554年が終わる日。
特別な日だから、がんばって早起きして、みんなと一緒にタンブンをする。

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