ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

素敵な人たち

2011年12月24日 18時54分46秒 | 日記

近所のナムプリック屋さんの前を通ったら、お父さんが
「さちえ、さちえ」とよぶ。

「お好み焼き、とってもおいしかったよ。またお好み焼きを作ってくれない?
 そして、一緒にごはんを食べよう。」     → 過去ブログ 「お好み焼き」
お父さんはとても優しい人で、こうやってごはんにさそって
私を家族の一員にしてあげたいと思っているんだと思う。
お父さんもお母さんも、自分のことを「お父さん」「お母さん」と呼びなさい、
と私に言う。
私のタイのお父さん、お母さんたちだ。
      


その気持ちがうれしくて、喜んでいきます!と返事する。
「お好み焼きでいいの?他の日本食で好きなのはなに?」
と尋ねると、
「うーん、お父さんは、日本食をあまり知らないんだよ。」
と、照れた顔。
そこに、
「ゲンカリー!」
とお母さんの大きな声が入ってくる。

「ゲンカリーよ、テレビで見たの。
テレビチャンピオンって日本の番組があるでしょう。
おいしそうだったから、食べてみたいの。」

テレビチャンピオンはタイでもタイ語吹き替えで放送されている。  (→ 過去ブログ 「テレビ番組 ニッポン」

それをみて、お母さんはカレーライスを食べてみたいと思ったのだ。
カレーライスは、コンケンでも日本食の店においてあるが、
年をとった人は特に食べたことのない外国の食べ物を
お店で食べてみようとは、なかなか思わないだろう。
値段は100バーツから180バーツ(300円~540円程度)。
グイッティアオ(タイヌードル)やカオパッ(焼きめし)が30~40バーツ(90円~120円)
だから、カレーライスはちょっと高い。

以前、配属先第9特別教育センターでカレーライスを作ったけれど、
まあまあの食いつきだったから、   (過去ブログ 「カレーライス」
もう60を過ぎているお父さんお母さんには、どうだろう??
と思ったのだけど、お母さんんが
「カレーライスがいい!」とすごく興味を持っているので
カレーライスを作ってあげることにする。

デパート、センタン(セントラルプラザ)でカレーの材料を買うが、
いまだ洪水の影響で並んでいる品物が少なく、棚はがらんとしている。
カレーライスも、甘口しかなかった。
辛いのが好きなタイ人のみんなに口に合うかな-、
と思うけれど、きっとタイの人たちは自分で唐辛子をお好みで入れちゃうかな。


できあがったカレーを、お父さんが
「おいしそうだなあ、いいにおいだなあ」と
何度も何度も言う。
お父さんは、ものすごく優しいのだ。
「おいしそうだな、どれ、食べてみようね。」
そして、口に運ぶ。
     


口に入れたときの、微妙な顔・・・。
さすがの優しいお父さんが、固まってしまった。
     


「うん、アロイ アロイ」(おいしい、おいしい)
といってくれるけれど、この色、この濃さ、タイ人の口には
人により、好き嫌いが分かれると思う。
お父さんは本当に優しいのだ。

お母さんが食べて
「アロ~イ!!!」
お母さんは本当においしそうにしている。
     


お父さんが急に立ち上がって、すぐそばの
水の中で栽培している植物をざくざく切り始める。
     


これは野菜だそうで、おいしいから食べてみてと
皮をむいてくれる。
食べてみると、さくっとして、だけど中はふかふかとしていて
今までに食べたことのない食感。
珍しい野菜! これはアロイ!
アロイと言えば言うほど、お父さんの顔がほころぶ。
     


タイ人はみんな優しい。
このナムプリック屋のお父さんお母さんは、長男が日本で働いていたこともあり、
日本が好きで、日本食や日本の文化に関心が深い。
けれど、日本人としてというよりも、一人の人間として、
近所に住む一人で暮らしている私のことを、
いつも心配してすごくかわいがってくれる。
3日も顔を見せないと、「キットゥン!(さみしい、恋しい)」という。
     

いっしょに食事をし、お客さんがやって来れば、
「日本の私の娘なの。」と私を紹介する。



優しいお父さんが寒い朝は服を着せ、いつも「ゲンゲン」(上手上手)とほめてかわいがってる犬のラッキー。
お父さんの車を覚えていて、車を見つけると走っていってお父さんの道案内をする。
賢いラッキーはナムプリック屋さんのお父さんお母さんに招かれてお食事を一緒にして以来、私を家族と見なすようになった。
     
お父さんが店から家に帰るときに先に歩いて振り返り振り返り道案内をするのだけど、
私がお父さんお母さんの店からアパートに帰るときにも、
前を歩いて振り返り振り返り、道案内をしてくれる。
うれしいし、心強い。
以前は、配属先から帰ってからほとんど家の外には出なかった。
だけど、今はラッキーもいるし、ナムプリック屋のお父さんお母さんもいる。







ソイローポーショーの、果物屋のおばちゃんもホッと癒される存在で、
いつまでも黙って隣に座っていたいあったかい人。
かわいい色の服を着て、笑顔が輝いていて
     
私をいつも心配してくれて、会いに行くといつもその素敵な笑顔で迎えてくれる。
最近では果物はもらってばかりで、買わせてくれない。
いつも、食べきれないほどもらってしまい、配属先にもっていっては
「果物屋のおばちゃんにもらったの、優しい人で大好きなの。」
とおばちゃんの話をしながらみんなと食べる。
おばちゃんの果物で、みんなと話して仲良くなる時間が生まれている。
果物屋のおばちゃんも、私のお母さんのような存在。
       


ソイローポーショーの屋台のおばちゃんたちも、
「サーイ」「サーイどこいくの?」といつも声をかけてくれ、
笑顔でにっこりしてくれる。
      


串焼き屋のおじちゃんもおばちゃんも、豆乳屋のおじちゃんも
みんなみんな声をかけてくれる。
    



ローティ屋台のご夫婦も必ず呼び止めて、ローティを食べていけという。
     


けれど、この人たちと決して言葉が全て通じているわけではない。
分からない話もたくさんある。
特に、屋台のおばちゃんたちはイサーン語で話す人もいて、
そうなると全く何を言っているか分からない。
けれど、一緒にいるだけで楽しいし、いることが全く苦痛じゃない。
相手も聞こうとしてくれる、私も聞こうとしている。
相手も私を知りたい理解したいと思っている、私も相手を知りたいと思っている。
幸せだなと感じる。
人間って、つながるのは、言葉じゃなくて心なんだなと、この人たちといて思う。



今日はクリスマス。こんな素敵な人がたくさんいるところに、私は生活しています。
       





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