薄型テレビ業界が世話しなく動いています。
話がヤヤコシイので最初から説明しますと、薄型テレビには大きく分けて液晶テレビとプラズマテレビがあります。液晶テレビを「組み立てている」メーカーはシャープやソニー、プラズマテレビを作っているメーカーは松下や日立、パイオニアなどがあります。・・・と言いましても、プラズマテレビはあるサイズより小さくできないという技術的な制約がありまして、同じVIERA(松下)やWooo(日立)というブランドでもあるサイズより小さい(だいたい42インチ未満)テレビは液晶テレビ、というある意味ダブルスタンダードになっています。
で、薄型テレビを「組み立てる」メーカーは、薄型テレビ用パネルを作っているメーカーからパネルを買ってきています。組み立てるメーカーとパネルを作るメーカーは別。シャープは自社にパネルを作る工場があるのですが、ソニーはそれがないので、よそから買ってきて組み立てるだけ。
さらに液晶テレビのパネルには「VAモード」と「IPSモード」という二つの規格があります。VHSとベータに似た規格争いが、実は液晶テレビでも起こっている訳です。ただ、どちらの方式でも電波を受信してテレビを見る分には何ら違いがありませんのでご安心を。この規格争いは消費者には害のないレベルのものです。
さて、以上のような予備知識をもったうえで、薄型テレビ業界を整理してみましょう。
○薄型テレビVAモード陣営
筆頭にシャープ。ここは先ほど書きましたとおり、社内でパネルの生産から組み立てまで一括でやっておりますので、シャープのAQUOSは純正シャープ製品です。
もう一つ、ソニーはパネル生産工場を韓国のサムスン電子と合弁で作り、そこからパネルを調達していたんですが、先頃シャープからもパネルを買うことを発表しました。しばらくするとシャープ製のパネルが載ったBRAVIAが店頭に並ぶ日が来ます。
○液晶テレビIPSモード陣営
IPS用パネルメーカーは、松下と日立と東芝が共同出資して設立された「IPSアルファテクノロジ」という会社。当然そこから松下、日立、東芝がパネルを買っていたんですが、松下が東芝の株式を買い取って連結子会社化しました。それは同時に、東芝はパネル生産から撤退することを意味します。そして東芝はシャープからパネルを買うVA陣営に移ることとなります。
○プラズマ陣営
ここも筆頭は松下。パネルも自社生産していて純正松下。前述したとおり、松下と日立はサイズによってプラズマと液晶の住み分けをしています。
日立は富士通とパネルメーカーの「富士通日立プラズマディスプレイ」を共同で設立しましたが、最終的に日立が子会社化していますので、日立もプラズマは純正品です。
上二つと違ってプラズマテレビだけを作っていたのがパイオニア。パネルは自社技術に加え、NECを買収して自前調達していたんですが、業績の悪化によりパネルの自社生産を中止。松下からパネルを買うことになりました。また、小型液晶テレビ(言うても40インチ以下)を作ることも決定。
以上まとめますと、薄型テレビ業界は
・液晶テレビVAモードのシャープ、ソニー、東芝陣営。パネルはシャープが供給。
・液晶テレビIPSモードおよびプラズマテレビの松下、日立陣営。パネルは松下の子会社が供給。
に分かれたことになります。
・・・と、ここで一番ややこしいのがパイオニア。液晶 v.s. プラズマの構図の中、プラズマ陣営として参戦しており、これからはプラズマパネルを松下から調達することになるのですが、実はパイオニアの筆頭株主はシャープ。液晶パネルはシャープから供給を受けることになります。シャープと松下という2大メーカーの板挟みになったパイオニアは、これから先どうなっていくのでしょうか？
ま、ムズカシイこと書いてきましたけど、「オマエなら何を買うんだ？」という質問には「IPSを買え！」と答えますね。
プラズマテレビはサイズの関係で問題外です。
(´_ゝ`)
残ったVAモードとIPSモードの違いは？と言いますと、VAは正面から見たときに非常に綺麗ですけど斜めから見ると画面が見づらい。逆にIPSは正面はVAほど綺麗ではありませんけど、斜めから見ると断然VAより綺麗。
液晶テレビの部品を作っているメーカーの人間の好みとして、VAは正面から見たときと斜めから見たときの落差が激しすぎます。一方IPSは正面がそれほど鮮やかでないかわりに、斜めから見たときの元来の美しさも相まって差がそれほど感じられません。真正面から見ることが意外と少ないテレビでは、斜めから見たときの美しさを特徴とするIPSのほうがワタシは好きですね。
特にオススメはVAに転向する前の東芝「REGZA」。今ワタシが買うならこれです。
店頭でテレビを選ぶ場合は、実際に部屋で見るとき、正面から見ることが多いか斜めから見ることが多いかを考えて買ってください。
あ、もちろんお財布とも相談して。
ヽ(;´Д`)ノ
話がヤヤコシイので最初から説明しますと、薄型テレビには大きく分けて液晶テレビとプラズマテレビがあります。液晶テレビを「組み立てている」メーカーはシャープやソニー、プラズマテレビを作っているメーカーは松下や日立、パイオニアなどがあります。・・・と言いましても、プラズマテレビはあるサイズより小さくできないという技術的な制約がありまして、同じVIERA(松下)やWooo(日立)というブランドでもあるサイズより小さい(だいたい42インチ未満)テレビは液晶テレビ、というある意味ダブルスタンダードになっています。
で、薄型テレビを「組み立てる」メーカーは、薄型テレビ用パネルを作っているメーカーからパネルを買ってきています。組み立てるメーカーとパネルを作るメーカーは別。シャープは自社にパネルを作る工場があるのですが、ソニーはそれがないので、よそから買ってきて組み立てるだけ。
さらに液晶テレビのパネルには「VAモード」と「IPSモード」という二つの規格があります。VHSとベータに似た規格争いが、実は液晶テレビでも起こっている訳です。ただ、どちらの方式でも電波を受信してテレビを見る分には何ら違いがありませんのでご安心を。この規格争いは消費者には害のないレベルのものです。
さて、以上のような予備知識をもったうえで、薄型テレビ業界を整理してみましょう。
○薄型テレビVAモード陣営
筆頭にシャープ。ここは先ほど書きましたとおり、社内でパネルの生産から組み立てまで一括でやっておりますので、シャープのAQUOSは純正シャープ製品です。
もう一つ、ソニーはパネル生産工場を韓国のサムスン電子と合弁で作り、そこからパネルを調達していたんですが、先頃シャープからもパネルを買うことを発表しました。しばらくするとシャープ製のパネルが載ったBRAVIAが店頭に並ぶ日が来ます。
○液晶テレビIPSモード陣営
IPS用パネルメーカーは、松下と日立と東芝が共同出資して設立された「IPSアルファテクノロジ」という会社。当然そこから松下、日立、東芝がパネルを買っていたんですが、松下が東芝の株式を買い取って連結子会社化しました。それは同時に、東芝はパネル生産から撤退することを意味します。そして東芝はシャープからパネルを買うVA陣営に移ることとなります。
○プラズマ陣営
ここも筆頭は松下。パネルも自社生産していて純正松下。前述したとおり、松下と日立はサイズによってプラズマと液晶の住み分けをしています。
日立は富士通とパネルメーカーの「富士通日立プラズマディスプレイ」を共同で設立しましたが、最終的に日立が子会社化していますので、日立もプラズマは純正品です。
上二つと違ってプラズマテレビだけを作っていたのがパイオニア。パネルは自社技術に加え、NECを買収して自前調達していたんですが、業績の悪化によりパネルの自社生産を中止。松下からパネルを買うことになりました。また、小型液晶テレビ(言うても40インチ以下)を作ることも決定。
以上まとめますと、薄型テレビ業界は
・液晶テレビVAモードのシャープ、ソニー、東芝陣営。パネルはシャープが供給。
・液晶テレビIPSモードおよびプラズマテレビの松下、日立陣営。パネルは松下の子会社が供給。
に分かれたことになります。
・・・と、ここで一番ややこしいのがパイオニア。液晶 v.s. プラズマの構図の中、プラズマ陣営として参戦しており、これからはプラズマパネルを松下から調達することになるのですが、実はパイオニアの筆頭株主はシャープ。液晶パネルはシャープから供給を受けることになります。シャープと松下という2大メーカーの板挟みになったパイオニアは、これから先どうなっていくのでしょうか？
ま、ムズカシイこと書いてきましたけど、「オマエなら何を買うんだ？」という質問には「IPSを買え！」と答えますね。
プラズマテレビはサイズの関係で問題外です。
(´_ゝ`)
残ったVAモードとIPSモードの違いは？と言いますと、VAは正面から見たときに非常に綺麗ですけど斜めから見ると画面が見づらい。逆にIPSは正面はVAほど綺麗ではありませんけど、斜めから見ると断然VAより綺麗。
液晶テレビの部品を作っているメーカーの人間の好みとして、VAは正面から見たときと斜めから見たときの落差が激しすぎます。一方IPSは正面がそれほど鮮やかでないかわりに、斜めから見たときの元来の美しさも相まって差がそれほど感じられません。真正面から見ることが意外と少ないテレビでは、斜めから見たときの美しさを特徴とするIPSのほうがワタシは好きですね。
特にオススメはVAに転向する前の東芝「REGZA」。今ワタシが買うならこれです。
店頭でテレビを選ぶ場合は、実際に部屋で見るとき、正面から見ることが多いか斜めから見ることが多いかを考えて買ってください。
あ、もちろんお財布とも相談して。
ヽ(;´Д`)ノ
てんてん どんどん てんどんどん
「うたばん」の化学くんこと鈴木慎治さん