そして時の最果てへ・・・

日々の雑感や趣味の歴史についてつらつらと書き並べるブログ

戦国の終わり

2010-05-23 22:36:07 | 歴史
しばらく離れていましたが、このブログの本分はこっちです。「小田原の役」シリーズ第12回。前回の続きです。

お忘れかもしれませんが、前回、戦争の終わり方について考察していましたが、それを踏まえると北条の採るべき外交施策とは、ずばり戦争しないことです。

ミもフタもありませんが、戦争をやって北条にとって有利な条件を手にする可能性は皆無だったからです。なぜなら、豊臣家を滅ぼす軍事力はもちろん、相手側の継戦意欲を殺ぐだけの打撃を与えることすら難しいことがわかっていたからです。家康にさえ勝てなかった北条家が、小牧の役よりも厳しい状況で秀吉に勝てるわけがありません。そこへもってきて、名胡桃城事件が発生する以前の条件がベストであるのならば、開戦すべきではない、というのが自然な解答と言うものでしょう。

小牧の役シリーズから織田信雄や徳川家康の外交センスを褒めちぎってきましたが、その理由は秀吉との戦略的なバランスを十分に理解した上で、無理のない条件で手を打ったからです。長宗我部や島津が温存されたのは、その時点で秀吉は東国に影響力をもっておらず、後背に不安を抱えていたからです。秀吉が情にもろかったとか、そんな理由ではありません。

秀吉は信長と違って徹底的な合理主義者でしたから、「嫌いだから皆殺し」という信長みたいな無茶をせず、妥協をも辞さない柔軟性を持っていました。北条はそんな秀吉の特徴を利用できず、信雄や家康のような実力相応の妥協点を見つけられず、かといって長宗我部や島津のような酌量を受ける余地がありませんでした。

この時点で秀吉の目は既に朝鮮半島に向かっていました。国内戦を最小限のコストで乗り切り、きたるべき朝鮮出兵のバグ出しをやる程度のつもりでした。そんな秀吉の意向を鑑みれば、外交段階で臣従していれば本領安堵されていたでしょう。西国を平定し、家康を屈服させていた秀吉にとって、北条は眼中になかった。

一代で相模・伊豆を掠め取り、戦国時代の嚆矢となった北条早雲。その子孫が、一代で天下人に成り上がった豊臣秀吉に滅ぼされることによって、「下克上」という言葉で象徴される戦国時代は皮肉な終わりを告げることとなりました。

津田、2年目

2010-05-22 17:45:07 | ゲーム
しばらく抜け出せそうもありません。「パワプロで津田を作ろう」シリーズ。

キャンプ中にツーシームを習得し、より直球に磨きがかかりました。

さて、当初の予定通り2年目からは先発として活躍。初先発の4月7日のホームゲームでいきなり初完封に毎回奪三振のオマケをつけて勝利。

6月25日には2ケタ勝利を完全試合で飾り、ファン投票1位でオールスターに選出。オールスターでは6奪三振を挙げ9人で抑えるも、MVPにはなれませんでした。おそらく勝ち投手の権利は、先発が3イニングで降板した場合もらえないことが原因かと。じゃあ先発でMVP取るためにはどうすりゃいいんだか。

7月の月間MVPは獲得。8月1日にはバースデー勝利を挙げ8月10に2度目の完全試合を達成。

9月にはスポーツキャスターさんと結婚しましたよ。

で、チームもリーグ制覇。24勝負けなしのピッチャーがいて優勝できなかったらどうかしてますから。

カープは日本一とアジアリーグ優勝を収め、自身も投手4冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最優秀勝率)と沢村賞に輝き、「津田の時代」到来を感じさせる結果となりました。投手4冠取った人って、沢村栄治、稲生和久、江川卓、野茂秀雄、上原浩治、斎藤和巳などそうそうたる顔ぶれ。その一員になれたことは誇らしい。

24勝0敗、防御率0.22、22完封(うち完全試合2)、116イニング連続無失点記録樹立。

能力は
球速:153 km/h
コントロール:C-152
スタミナ:B-137
変化球:ツーシーム、フォーク-6、スライダー-1
津田らしくカーブを覚えさせたかったんですが、ペローン青木高広から教わったのはスライダーでした。ツーシームとフォークとスライダーだったら江草仁貴っぽいでしょうか?

年俸はやはり400%(5倍)アップの1億5000万円。3年目で1億円プレイヤーになりました。

津田、1年目

2010-05-20 19:38:58 | ゲーム
完全に自分を見失っていますが「パワプロで津田を作ろう」シリーズ。

1990年8月1日山口県生まれの右投げ右打ち投手を作成。無論広島東洋カープ。高卒・ドラフト2位なのは勘弁してください。。

初期能力は
球速:138 km/h
コントロール:G-75 (MAXはA-255)
スタミナ:E-50 (MAXはA-255)
変化球:フォーク-1
アピールポイント:威力のある速球
うん。変化球なんか卑怯者の逃げだというスバラシイお言葉通りのピッチャーができました。コントロールが悪いのも似てます。

年俸は600万円。背番号は52。背番号14が似合う男になってみせます。

というわけでゲームスタート。

オープン戦2試合に登板して6回を無失点、被安打2に抑えて見事開幕1軍スタート。当初の予定通り中継ぎ-抑えピッチャーです。

4月5日に神宮で初登板。ホールドを挙げる。4月12日にはナゴヤドームで初セーブ。5月23日には初勝利を挙げるなど順調に滑り出します。

やってみて思ったんですが、このゲームではフォークボールで三振が取れませんね。フォークの変化量が小さすぎるのが原因かもしれませんが、フォークを痛打されて何度かフェンス直撃のヒットを打たれましたよ。

さて、オールスターまでに13セーブを挙げてオールスターに出場。1イニングを3人で抑えました。

8月1日にはバースデーセーブを記録。8月、9月の月間MVPにも選ばれました。

カープはリーグ2位からクライマックスシリーズを勝ちあがり、見事日本一に!

1年目の成績は5勝負けなし、30セーブ。60試合に登板して59イニングで自責点1、防御率0.13という成績で新人王に輝きました。お前は佐々木主浩か?

1年目を終えて能力は
球速:146 km/h
コントロール:F-107
スタミナ:C-81
変化球:フォーク-2
うん。本格派の速球投手として育ってきました。

契約更改でも前年比400%アップ(5倍)の3000万円。

来年からは先発として活躍させます。

調査

2010-05-18 23:25:37 | ゲーム
パワプロで津田を作ろう、ということなんですが、まずゲームの特徴をつかむために「今村猛」で練習。偉大なる津田先輩のために前座になってくれぃ。

というわけで、ストレートとスライダーだけの投手を作成し、2年だけプレイしてみました。

・1年目はクローザーがよさそう。
1年目は能力を高めるポイントが少なく、なるべく打者を打ち取る能力には影響しない「スタミナ」へはポイントを割り振りたくない。初期のスタミナで2イニングぐらいは投げられるうえ、下手にスタミナをアップさせると先発に回され、6回ぐらいでバテるため苦労する。

・配球の上手さで能力の低さは誤魔化せる
140km/h に満たないストレートと、かすかに曲がるスライダーだけでも、配球を慎重にすることで何とでもなる。上記のもち球と、小林幹英に教わったかすかに曲がるシュートだけで、1年目にして14勝1敗の成績を収めることができました。ちなみに2年目にはある程度育ち、完全試合を2回達成しつつ、20勝無敗。最多勝、最優秀防御率、沢村賞受賞しました。

・人との「つながり」はケチらないほうが吉
自分の能力よりも他人と仲良くしておいた方が効率よくポイントが取得できる。

・「後援会」は便利
毎日(未成年なのに)酒盛りしていると、日ごとにポイントをもらえるシステム。作った側はこのシステムについてどう思ってるんでしょうか。。

以上のコツを元に、津田を真剣に作ってみます。

P.S.
ルーキーが14勝1敗の成績を残しても、3位にしかなれなかったカープの総合力に泣きそうです。

パワプロが面白すぎる件について

2010-05-17 21:58:14 | ゲーム
後輩から
本物のカープが弱いなら、パワプロで強いカープ作って僕と勝負しませんか」
と、真正面から喧嘩を売られたので、買ってプレイしてみました。

こ、これは!

2008年シーズンの結果を元に選手のステータスが決められているんですが、それをながめているだけでも面白い。

広島の選手で例を挙げますと

・横山、緒方、赤松、尾形 ⇒ 怪我し易い
・東出、天谷 ⇒ 盗塁がヘタ

泣いていいですか?


さて、「マイライフ」というモードでは新しく登録したプロ野球選手を操って引退まで試合&育成をやるらしいので、津田恒実を最強選手にして引退まで無事プレイさせることを目標にやってみます。

広島のエースは1-0でないと勝てないの法則!?

2010-05-16 10:23:12 | 雑感
昨日(5/15)の広島vs日ハムの試合、両チームのエース・前田健太とダルビッシュ有の投げ合いで、広島が9回、赤松のサヨナラヒットで1-0で勝利。


試合時間が2時間35分、ということで、両チームのエースがどれだけスゴイのかがよくわかります。こんな試合、球場はジリジリとした独特な雰囲気に包まれます。観に行きたかった。

しかし本当に勝ててよかったです。これで負けてたらマエケンは死んでも死に切れないだろうなぁ。

ワタシが勝手に期待していただけなんですが

2010-05-15 23:07:09 | 雑感
もうイロイロ限界なので書きます。普天間問題について。

去年の参議院議員選挙の際、鳩山由紀夫さんが
「普天間を国外、最低でも県外」
と言った時、ワタシは
「アメリカと戦うつもりか」
と思いました。

「戦う」と言っても武力衝突ではなくて、です。

元々、北緯38度線と台湾海峡がある限り、海兵隊の基地を沖縄以外に置く訳にはいかない、という大前提がワタシの頭の中にありました。かと言って、普天間基地は都市のど真ん中、東京で言えば皇居、大阪で言えば大阪城、金沢で言えば兼六園にあるようなものなので、地域住民の安全のために早急に普天間だけでも移転させなければならない。

どのみち沖縄に海兵隊基地が残る結論に落ち着くだろうけれども、とりあえず基地を移転するにはする。ならば移転先の基地を高く売りつけてやろうじゃないか!

・・・とそんなふうに鳩山さんが考えたんじゃないかな?と思ったわけです。条件闘争。

必要なものを提供している側は、受給している側に対して、いったん供給をやめる(ポーズをする)ことによって、その必要性を再認識させ、供給しているものの値段を吊り上げるのは昔からよくある交渉手段です。

アメリカが沖縄から撤退するはずがない(←がワタシの考えで、社民党からすれば実現可能だとか、立場によってかわるんですが)のを承知した上で、国内のアメリカ軍基地不要論を散々煽り立て、アメリカを慌てさせる。50年以上続いた自民党政権からの政権交代、というのは、「アメリカ出て行け」の声にそれなりの説得力を与えるはず。

そのうえで、鳩山さんがしたり顔で
「しょうがないなぁ」
とうそぶきつつ、地元住民の方々に頭を下げて説得し、現行案かそれに近い案で決着する。

その結果、沖縄に海兵隊基地は残り続けるものの、基地のさらなる返還や日米地位協定の改善など、大幅な譲歩を引き出せる(ハズ)。そもそも基地反対の立場の人からすれば噴飯ものの弱腰異見なのは承知していますが、基地負担を押し付けている側からのせめてもの罪滅ぼしとしてのソフト面からの負担軽減策として、わりと現実的なのかぁ、

・・
・・・
と、思っていたんですが。

こういう交渉は強気で押しまくり、相手に弱気を見せないハッタリが大切なんですが、かなり早い段階で「Trust me.」とか言っちゃったり、「抑止力として海兵隊が必要なことを今更ながら知りました」とか言っちゃったり。

どうもこの人、本当に何も考えずに「国外、県外」を言ってたようです。こ、これはイタイ・・・。

自分たちの選挙の結果なんで「自業自得」と言われればオシマイなんですが、こんな人を最高指導者としてもつ日本はタイヘン不幸であります。。

うわぁ・・・

2010-05-13 23:09:51 | 雑感
「『ラブプラス』美少女キャラ汚された」 漫画雑誌ストーリーにネット騒然 (J-CASTニュース)


任天堂DS用大人気恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」の美少女キャラクター・姉ヶ崎寧々(あねがさき ねね)が漫画雑誌で「淫乱」に描かれていると、ネットで大騒動になっている。寧々といえば、従順、可憐で、実際に結婚式まで挙げる人物まで現れた大人気キャラクター。マンガのストーリーで「汚された」という理由から、「出版社に抗議しろ!」や、「DS破壊した」といった書き込みがネット上に出ている。

 騒ぎになったのは「月刊ヤングマガジン」の10年6月号。「ラブプラス」に基づいたフィクション「ラブプラス~Nene Days~」で、寧々が主人公になっている。付き合い始めて3ヵ月目の設定で、寧々と「彼」が雨の日に相合い傘で下校する。寧々は「彼」を「私の一番大切な人だよ」と紹介している。二人でいると楽しくて、ちょっと切ない気分になり、「傘の本当の使い方教えてあげる」と「彼」にキスを迫る。そして、「……ふふっ 少し濡れちゃった。これからもいっっっぱい!思い出作ろうね!! 」

といった内容になっている。

■「講談社関係者説明しろやゴラァ!」

 これに対しネットでは、「傘の使い方って何だ?」「濡れたって何だ?」などと騒動になった。そして、このマンガは寧々のイメージに反するものだと発言する人が大量に現れた。掲示板「2ちゃんねる」にもスレッドが乱立する「祭り」に発展。

  「講談社関係者マジ出て来いよ 説明しろやゴラァ!」

  「死のうかみんなで」

  「あーこりゃもう許さね 一揆だこりゃ もー止められねえわ」

などとファンが書き込めば、

  「2次元はうらぎらないとか言ってるけどいつも裏切られてるじゃねーかよ」

などとファンを嘲るような書き込みが交錯した。

 マンガやアニメファンは、ヒロインに「処女性」を強く求める傾向が強く、これまでも作者に対する大バッシングが起こったりした。


みんな、安心しろ!寧々は俺の嫁・・・



いやしかし、人間の想像力はコレほどまでに逞しい物か!

ただまぁ、ワタシには全く理解できないんですけど。



おまいらそんなに彼女欲しいなら、まず部屋から外に出ろ!
↑自爆スイッチ

でもマジメな話、こういう感性を理解できない「大人」たちが、味噌もクソも一緒くたにして漫画の性描写を規制したくなる気分、わかる気がします。

戦争での勝利とは?

2010-05-09 21:01:44 | 歴史
「小田原の役」シリーズ第11回。前回の続きです。今回は小田原の役の「そもそも」を考えるうえでの準備。

前回の最後で、
「そもそもこの戦争で北条に勝ち目があったんでしょうか?」
という問題提起をしましたが、そもそも「戦争に勝つ」ってどういうことでしょうか?

戦争の歴史を振り返ってみますと、戦争での勝利は少なくとも2種類に分別できることがわかります。

1つ目はある勢力が敵対勢力をほぼを完全に滅亡させ征服するパターン。アレクサンドロス3世の東征だとか、チンギス=ハーンの征服戦、中国の易姓革命(王朝の交代)、日本では源平合戦や織田信長の戦争などがこのパターンに当てはまります。一方がほぼ完全に解体・消滅させられるタイプ。

2つ目は戦争によって相手の交戦意志をくじき、相手から外交的譲歩を引き出した段階で勝利とするパターン。イギリスとフランスの戦争(百年戦争や植民地戦争、ナポレオン戦争など)や十字軍の戦争、秀吉の小牧長久手戦役、四国・九州征伐、さらには近代の戦争のほとんどが実はこのパターン。敗戦国は領土の割譲や不利な条約締結、賠償金の支払いなどシンドイ目に遭わされる訳ですが、温存はされる。

ではその2つのタイプの分岐点はどこか?それはもちろん、戦術的、戦略的勝利が国家の経営基盤そのものを奪ったり破壊したりする可能性に関わります。

相手勢力の指導者(国王など)の捕縛、殺害や、首都の占拠など支配体制、指揮統制機能が破壊されると、勝利側は完全な支配が可能になり、敗戦側はそのまま滅亡につながる。

一方、領土の外側での戦闘には勝ったけれどもその国の首都を陥落させたり支配者を拘束することが戦力的に不可能であったり、戦争を吹っ掛けてきた相手を撃退し防衛したけれども、相手国まで攻めていく能力または意志がなかったり、敗戦側が民主国家だった場合、支配体制を破壊することが非常に難しい、などで外交的決着に落ち着くわけです。

山崎や賤ヶ岳では「信長の後継者争い」という性質から、秀吉は相手を死なせるまで徹底して叩きました。
しかし「全国統一戦」となる四国・九州征伐では長宗我部・島津をボコりましたが、滅亡に追い込むまではやってません。

以上を踏まえると、北条の採るべき(戦争を含めた)外交戦略とはどんなものだったんでしょうか?

美術館めぐり

2010-05-08 19:44:35 | 雑感
しばらく更新をサボっていましたが、再開です。
(A´д`;)

ゴールデンウィークはカープの応援のついでに、美術館めぐりをしてきましたよ。

最初は広島県立美術館。元々は「オルセー美術館展」ということで、モネ、マネ、ミレー、ゴッホ、セザンヌ、ルノアールなんかを期待していたんですが、展示内容は工芸品で絵画ではありませんでした。
ヽ(´エ`)ノ

でも常設展は楽しかったです。学芸員の方に解説いただきながら回る幸運に恵まれたんですが、やっぱりサルバドール・ダリはキレまくってますね。「マルドロールの歌」という本の挿絵を展示してあるんですが、「『解剖台の上でのミシンとこうもり傘との偶然の邂逅のように美しい』を実際にやってみた」
ですとか、挿絵なんだけど本の内容とまったく何の関係もない絵を描きまくったりとか。どう見てもデンパです。本当にありがとうございました。
キタ─wwヘ√レvv~(゜∀゜)─wwヘ√レvv~─

続いて広島市現代美術館。ウィリアム・ケントリッジの展覧会(タイトル「歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……」)をやっていたんですが、今まで絵画しか見たことがなかったワタシにとって、映像と音楽による芸術は初めて。「ステレオスコープ」や「影の行進」、「俺は俺ではない、あの馬も俺のではない」などが面白かったです。特に「影の行進」は、賛美歌「慈しみ深き」にあわせて耕している人や両足を失った兵隊、拷問を受けている人がずーっと影絵で行進していく。こんなのもアリなんですね。

最後に石川に帰省してからの金沢21世紀美術館。ヤン・ファーブルと船越桂の展覧会をやっていたんですが、こちらはサッパリ理解できませんでした。

かろうじてファーブルの方はわかる部分もあったんですが、まったく共感できません。自分をかたどった像を押しピンでびっしりコーティングするとか、
「そんなに人間が嫌いか!?」
と言いたくなる表現が多数。正直に言って完全に期待外れでした。

先にも書きましたが、絵画以外は全く知らない世界だったので、現代美術は(21世紀美術館も含めて)いい刺激にはなりました。

燃えろ!

2010-05-03 17:40:25 | 雑感
ワタシは3人兄弟の末っ子でして、1番上の兄は34歳にして広辞苑を印刷している会社の課長になったそうです。十分成功したと言えるでしょう。

次兄はといいますと、中学の時までは長兄よりも勉強ができ、かつ要領がよく、かつ本質を見抜く力に長けていました。弟からみて次兄は長兄を超えていた。

しかし高校で好きだったスポーツ(水球)に専念することを決意し、地元の水球の名門校である工業高校へ進学。最終的に国体で3位という成績を収めました。

その後は工業高校出身ということもあり、それほど名の通った大学には行けず(「勉強とスポーツを両立できるだけの才能がなかった」と評するのは酷に過ぎると思います)、就職で苦労しましたが、板前さんの修業時代を経て現在は宅配お寿司屋さんの雇われ店長として働いており、地元ではそれなりに有名なんだとか(本人談)。

・・・さて、世の中には
「やりたいスポーツを一生懸命やってます」
「宇宙が誕生した瞬間の研究をしています」
「円周率を1兆桁まで正確に求められました。次は10兆桁目指して頑張ります」
「野鳥のフンの研究をしています」
松永久秀の記録に残っていない幼少期の足取りを追っています」
「高分子で輪っかを作ったり、螺旋を作ったりしてます」
という人が実際にいます。

そんな人に対して世間は
「そんなことやって、将来何の役に立つの?」
「馬鹿みたいなことに情熱燃やして、結局残るのは燃えカスだけですか?」
ハハハ                             イキデキネーヨ
   ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ハライテ-       ゲラゲラ
   ( ´∀`) < わははは         ∧_∧       〃´⌒ヽ       モウ カンベン
.  ( つ ⊂ )  \_______   (´∀` ,,)、      ( _ ;)        シテクダサイ
   .)  ) )   ○   ∧_∧      ,, へ,, へ⊂),     _(∨ ∨ )_     ∧_∧ ○,
  (__)_)  ⊂ ´⌒つ´∀`)つ    (_(__)_丿      し ̄ ̄し     ⊂(´∀`⊂ ⌒ヽつ
          タッテ ラレネーヨ
という人がいます。

たぶん正論なんでしょう。

しかし!

将来性とか損得勘定とか、そんな計算や打算なしに、自分の好きなもの、自分の夢中になっているものに、自分の将来を賭してでも一心不乱に取り組み、音を出し熱を発し光を放ちながら燃え上がることができる人へ、人間は、少なくともワタシは、惜しみない称賛と拍手を送ります。とても合理的とは言えないけれども、そんな「つまらない」ことに燃える。そんな姿勢に心を打たれます。

自分の好きなもののためにその短い人生を捧げ、果敢に立ち向かって行く人たちがいることに、もっと胸を張っていいと思います。

ワタシはそんな「燃える人たち」がいることを、たいへん誇りに思います。

凍てついた永劫よりも、一瞬の煌めきにこそ、人間は高い価値を認めるんじゃないでしょうか。