そして時の最果てへ・・・

日々の雑感や趣味の歴史についてつらつらと書き並べるブログ

ヘレンの学ぶ「mother」と「cat」

2009-02-28 11:22:50 | 雑感
「奇跡の人」を通して哲学をやるシリーズ。今回からいよいよ思考実験をやろうかと。

ヘレンがお母さんのケイトと散歩の途中、同じく散歩中のワカメちゃんとフネさんに出会いました。

・・・思考実験なのでツッコミはなしでお願いします。

ワカメちゃんはヘレンの手をとって「Wakame」と綴りました。するとヘレンも「Wakame」と綴り直します。

次にワカメちゃんがヘレンの手をフネさんとつながせて「mother」と綴ります。ところがヘレンは首を横に振って、ケイトさんの手を取って「mother」と綴りました。

・・・ヘレンにとっては「mother」はケイトさんを指す固有名詞でしかありません。ここでは「mother」を「私のお母さん」という固有名詞的な使い方と、「女親」という一般名詞としての使い方を混同してしまっているわけです。

人間には男親と女親がいて、そのうち女親を「mother」と呼ぶ、ということを全て教えなければ、ヘレンにとっての「mother」はケイトさんだけになってしまうのです。

「cat」の場合はさらにヤヤコシイ。

ワカメちゃんがヘレンにタマをだっこさせて「cat」と綴りました。ヘレンは「cat」と綴り返します。

次の日コボちゃんと出合ったヘレンは、コボちゃんにミーをだっこさせられて「cat」と綴られました。するとヘレンは首を横に振り、タマを抱き寄せて「cat」と綴るのです。

ヘレンにはタマとミーに共通する特徴がわかりませんから、タマとミー、および猫一般に共通する特徴を教えなければ、ヘレンは「cat」を最初に出会ったタマの固有名詞的な使い方しかできないわけです。

では猫一般に共通する特徴はなんでしょうか?「goo辞典」から引用しますと、

食肉目ネコ科の哺乳類。体長50センチメートル内外。毛色は多様。指先にはしまい込むことのできるかぎ爪がある。足裏には肉球が発達し、音をたてずに歩く。夜行性で、瞳孔は円形から針状まで大きく変化する。本来は肉食性。舌は鋭い小突起でおおわれ、ザラザラしている。長いひげは感覚器官の一つ。ペルシャネコ・シャムネコ・ビルマネコなど品種が多い。古代エジプト以来神聖な動物とされる一方、魔性のものともされる。愛玩用・ネズミ駆除用として飼われる。古名、ねこま。

これではヘレンどころかワタシだって理解できません。
(わざわざ舌のザラザラした感覚まで説明しなくていいと思うのはワタシだけ?)

ならば実感として、タマとミーを触ってもらい、共通点を肌で感じてもらってはどうか?でもそれだと、キキと出会った時にジジをだっこさせられても「cat」だと理解することはできません。

ワレワレが出会う全てのものは、付けようと思えば個々の名前を付けられる個々のものです。しかし、「cat」という一般名詞は「タマ」や「ミー」、「ジジ」を意味するだけではなく、猫一般を表します。

現実は個物で埋まっているのに、どうして言葉は一般性を獲得しうるのか?

「奇跡の人」のセリフから

2009-02-23 23:22:26 | 雑感
「奇跡の人」で哲学をやるにあたっての材料して、以下簡単に話をまとめておきます。

生後6ヶ月で熱病にかかり、視覚と聴覚を失ったヘレン=ケラーは、当然言葉を喋ることができません。そんなわけで日常生活におけるルールも知らずに育ちます。立ったまま食べる、スプーンなど食器を使わず手づかみで食べる、他人のお皿から料理を取って食べる、などワレワレが常識的に守っているマナーを知らないのです。

そこへアニー=サリバンが家庭教師としてやってきました。

サリバン先生がヘレンに教えたのは、例えば右手に人形を持たせ、左手で指文字の「DOLL」と綴らせることでした。本を持たせて「BOOK」、ケーキを食べさせて「CAKE」と。

そこへヘレンの兄がやってきて言います。
「そんなことやって何になるんです?ヘレンは物に名前があることすら知らないのに」

サリバン先生は答えて
「言葉というものを知らないのですから、文字が何なのかわからないでしょうね。まだヘレンにとっては指の遊びにしかすぎませんが、まず覚えなければいけないのは、物には名前があるってことなんです」

サリバン先生は右手の物と左手の(指の動きによる)指文字とが対応していることを教えようとしたのです。そうすれば、右手の物が左手の指文字によって抽象されることに気付くだろう、と。

そのうちヘレンの心境として
「この相手(サリバン先生)は片手によく物を触れさせてはもう一方の片手で何か面白い指の動きをやる。これはいったい何のことだろう。この相手は何故こうも自分に指の動きを教えるのだろう」
となったことでしょう。
と言っても、この段階でヘレンは言葉を知らないので、このナレーションは論点先取りになるのですが。

そんなある日、サリバン先生に井戸水を浴びせられ、肌を流れていく冷たいものを感じた時、
「そうだ!この指の動き、これは『水』を表しているんだ!今までの指の動き!あれらは全てその物の名前を表していたんだ!!」

こうしてヘレンは物に名前があることを知り、最後にサリバン先生に寄り添うと、サリバン先生から「TEACHER」を教えてもらって、めでたしめでたし。


こういったところを踏まえ、サリバン先生のセリフをいくつか挙げておきます。

「心にとって言葉は、目にとっての光以上のものです」

「雛だってときには殻を破って出てくるのよ。あんただって出てこなけりゃ。あんたがそこから出る方法はただ一つ、言葉よ」

「ヘレンは全てのものに名前があるということを学ばせなければなりません。自分の周りにあるものも心の中のことも、この世の全てに対して言葉こそがヘレンの目になるのです」

「ヘレン!私は教えてあげたいのよ!この地上にある全てを!
・・・ねえヘレン。この地上にある全てはあっという間に私たちのものとなり、また消えていくの。
でも私たちには言葉と言う光があって、この言葉を使えば後に遺せるわ!言葉の光に照らせば五千年も昔を見ることができる。
私たちが感じたり考えたり知ったりそれを伝え合ったりする全てが言葉の中にあるのよ!
言葉さえあれば人間は暗闇から抜け出せる!お墓に入っていることはないのよ。たった一つの言葉であんたはその手に世界を握り締めることができるんだわ!」


以上をベースとして少し考えていこうかと。

ミロのヴィーナス

2009-02-22 10:05:13 | 雑感
ミロのヴィーナスはミロス島で発見された大理石製の彫像で、現在ルーヴル美術館が保有しています。

額から窪まずまっすぐに伸びた鼻=「ギリシア・ノーズ」を残したまま出土されたことが奇跡的とされ、頭部の小さい「8頭身」という特徴とともに、ヨーロッパ美人の典型として絶賛されています。

(余談ですが、日本では8頭身の「カッコいい」美人よりも、7.5頭身ぐらいの「かわいらしい」美人が好まれる傾向にあるそうです。ソースは忘れましたが、確かにボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」なんかは「顔が小さい」という「胴体が長い」という印象に変わってしまってる気がしますよね。ワタシだけ?)

官能美ただよう腰のひねり具合や、左足が透けて見えるような流麗で繊細な着衣の表現など非常に凝った作りになってまして、ギリシア彫刻で区分される「クラシック時代」の理想美と、「ヘレニズム時代」のダイナミズムという二つの美の融合を見て取れます。

そしてなんと言っても「腕が無い」という特徴。おそらく偶然にも腕が無いことによって、そこに無限の美の可能性を人間に感じさせる。敢えて語らないことによる深み。それはそのまま芸術(や文藝)が無限であることの証明であり、なおかつ芸術が難解である証左です。

そんなわけで、ミロのヴィーナスに腕を付けてくださったかたがいます。

ミロのビーナスに腕をつけてみた:ハムスター速報 2ログ


・・
・・・

結論:ショートヘアーが意外とかわいらしい

前フリが長くなってスマソ
( ´゜д゜)ノシ(´゜д゜`)ヾ(゜д゜`)

「奇跡の人」の言葉

2009-02-19 21:47:29 | 雑感
分析哲学(言葉の研究)と「奇跡の人」ことヘレン=ケラーをワンパックにして考察するのは、わりと昔からある手段です。

で、「ガラスの仮面」の劇中劇で「奇跡の人」の場面を読んだので、少しワタシも言葉について考えてみたいと思います。

言葉を獲得して宇宙が開けた・・・だけなんでしょうか。

職業数え歌

2009-02-16 20:10:22 | 雑感
先週末は中学時代の部活の後輩の結婚パーティーに行ってきたんですが、知らない間にみんないろいろな職業に就いてましたね。

医者が1人。
理学療法士が1人。
半導体の設計やってるやつが1人。
ドラッグストアの企画担当が1人。
書店の営業が1人。
保育士が1人。
専業主婦が1人。
中学教師が1人。
ニートが2人

に、ニッポンは大丈夫か・・・?
ヽ(;´Д`)ノ

へべれけ

2009-02-15 23:19:57 | 雑感
後輩の結婚披露パーティーでお酒を飲みすぎ、日曜日一日を完全に棒に振りました。

もう27やのに・・・

That's hot!

2009-02-11 22:21:45 | 雑感
連日新聞紙面を減益だとか、スポーツからの撤退だとか、人員削減だとか、とにかく不景気な話題が占めてますね・・・
ヽ(´エ`)ノ

この間見た「Back to the Future Part Ⅲ」では、1985年から1955年にタイムトラベルした主人公が、友人の科学者にタイムマシンの修理を依頼してるんですが、その時にこんな会話がありました。

科学者「故障するわけさ。Made in Japan だ」
主人公「何言ってんだ?日本製が最高なんだぜ」

1955年には粗悪品の代名詞だった日本製品の評価が、1985年までの30年間で「最高」に変わりました。

1985年の街で憧れのトヨタ車見た主人公は、「That's Hot!」とも言っています。

そんなトヨタも今では赤字を出すまでになってしまいました。

日本製品を褒める言葉が「That's Hot!」から「So Cool」になった、というのは、景気が冷え込んでるから、ではありませんよね・・・。

読書の立体化

2009-02-09 22:35:28 | 雑感
ワタシは誰に尋ねられても「趣味は読書」と答える種類の人間です。休みの日はだいたい引きこもって本を読んでいるか、本屋で立ち読みしてます。
(´_ゝ`)

いや、読書っていいですよ。マタイ書に「人はパンのみにて生きるにあらず」と書いてありますけど、パン以外で人生を支えてるものの一つが間違いなく読書です。読書で得られるもの、感じることはたいへん多い。

でも、世の中の本の数は膨大で、どの本を読もうか迷うことが多いです。そんな時は書評を頼ることになります。

読書って言わずもがな、孤独な作業なんですけど、自分とは違う感覚で、自分よりも圧倒的に多い読書量にもとづいた書評は、自分の読書とは異なる見方を教えてくれます。同じ本を読んだはずなのに、あまりの受け取り方の違いに驚いたり、その本の新しい価値を発見したり、ときには書評のおかげではじめて意味がわかることだってあります。

右目と左目は当然ですが、視点が少し違っています。その違いが人間の視覚に立体感を与えます。それと同様に、一冊の本にプラスしてあとがきや書評を読むことは、読書を立体化する作業です。

絵画のように平面の中に深みを感じるのも良いんですが、彫刻のように後ろに回りこんで眺めてみるのも楽しいですよ。

女ってやつは・・・

2009-02-07 23:04:23 | 雑感
一つ前の記事で、ワタシの家族および兄の一家3人(兄、嫁さん、息子)で旅行したと書きましたが、そこで繰り広げられた会話。

発話者は母と義姉、話題は母にとっての初孫・ハヤヒデについて

母「あら~ハヤちゃん、かわい~でちゅね~」
義姉「このアソパソマソの帽子かぶせると超かわい~んですよ~」
母「あらホントやかわい~。あ、気に入らんのか、怒っとるわ」
義姉「怒った顔はまたそれでかわい~ですよね~」

( ゜Д゜)・・・

還暦と立春

2009-02-05 23:47:53 | 雑感
昨日と今日(2月4日、5日)に、母親の還暦祝いとして温泉へ行ってきました。

母の誕生日は2月3日。還暦はもう一度ゼロから人生を歩み直す節目の意味があるそうです。そして2月4日は立春。母は春の始まりとともにもう一度人生を歩み直します。

母の初孫にあたる1歳の甥っ子は元気よく母の傍を走り回り、母も子供のように表情を崩して遊んでいました。


お母さん、もう一周しちゃいましょう!
゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+゜

共産バンザイ

2009-02-02 21:26:29 | 雑感
最近、こんな衝撃的な事実を知りました。

「インド共産党は、地位がカーストで決まる」



特に高位の役職はすべてバラモンだそうです。

(∩゜д゜)・・・


「平等な社会の実現を!労働者の地位向上を!倒せブルジョア!富の偏在は許さない!立て万国の労働者!!」

ははは、なんて面白い冗談なんざましょ