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第一書房巡礼行記 大田黒元雄の『音學の周圍』 

2009年10月30日 00時00分13秒 | Weblog
大田黒元雄の『音學の周圍』。
ジャン・コクトォの「雄鶏とアルルカン」や「エリック・サティの憶ふ」など、音楽にまつわるエッセイをまとめたものです。

1933年(昭和8年)11月15日に、初版1000部、5段マウントの背革装訂で刊行されました。
本文用紙は和紙を使用を使用したので、存外に軽いのがよろしいですね。
この和紙は、多少黒ずんだ再生和紙風な体裁です。

第一書房のかなりの数の和紙刷り本が、この再生風和紙でできております。
一例を挙げれば、

『獨り思ふ』(1934年、昭和9年、1月16日)シュライエルマヘル著、陶山務譯
『わが友の書』(1934年、昭和9年、5月3日)アナトール・フランス著 大塚幸男譯
『獵人日記』(1936年、昭和11年、5月20日)ツルゲェネフ著 中山省三郎譯

等です。
いずれも、背革マウントで装訂された長谷川巳之吉、力を入れた書籍でしょう、



『音學の周圍』 エッセイ集 大田黒元雄訳 1933年(昭和8年)11月15日
背革五段マウント 初版 1000部 菊版 函 1円50銭


ご覧の通り、平には雨形マーブル(庄司浅水ブックドム社の『最新製本術』による)が使用され、背文字金箔押、5段マウント装も美しい瀟洒な姿を見せてくれています。



緑色の雨形マーブルも美しい
背金箔押、5段マウント装


この5段マウント。
マウント部分に糸かがりはされておりません。
フェイクです。
頒布価格1円50銭で、ルリュール並の造本を求める方が,無理という物。
私はこのフェイク・マウント。
日本らしくてよろしいと、十分に楽しんでおります。
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1 コメント

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マウント装幀のこと (Roku・Roku.)
2009-10-30 09:28:27
 早速小生の希望を汲み取りマウント装幀本を取り上げてくださりあり画等。例えフェイクでも、いかにも愛蔵たえうる本と感じられます。 バルセロナに行きましょう。本物の5段マウント本を制作依頼に。ついでにサッカーの試合、ガウディなどを見に行きましょう
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