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第51回東京名物神田古本まつり

2010年11月03日 16時35分36秒 | Weblog
東京名物神田古本まつりが、本日閉幕した。
第51回目と言うから、立派なモノだ。
雨風や台風が来たりで、最初は大変だった。
最後は青天に恵まれて、本当によかったと思う。

40年近く前、学生のときから見聞きしているから、古本まつりとのお付き合いは長い。
古書蒐集が趣味と成り下がってから、秋になると青空市を楽しみにしてきた。
露天風に並ぶ雑本の山を、掘り出し物がないかと一冊ずつ見て廻ったのも遠い思い出だ。

最近は腰が痛くてとても回れないが、それでも楽しみはある。
古書目録だ。
神田近辺の数十書店が参加して出来上がる合同目録は、好きだった。
ここ数年、古書とは殆んど無関係なタレントの立川志の輔や水道橋博士を登場させ、失笑を買い評価は落ちた。
それでも、目録は楽しみであった。

歴史ある合同目録を、今回は作らなかった。
参加の古書店を募ったところ、14店しか集まらなかったのが中止の理由というから驚きだ。
せめて20店集まれば、ぎりぎり採算が取れるので刊行するはずだったという、のにである。
6店不足だった。
これが、今の日本の古書業界の現況を現している。

ネット検索して一番安い価格で欲しい古書を入手。
ネットオークションでは、高くても店売りの3割程度の価格で入手出来る。
こうした現状を古書マニアはあまねく知りつつある。
劇的に変化する古書環境に、ユーザーは対応しつつある。
それに対し、業者サイドは対応できていない。
古い店主の中には、いまだに原稿は手書き。
パソコンを触ったことも、見たこともない人もいる。
二世三世は、無論パソコンアレルギーのない世代だが、親の古い感覚と板ばさみで、思うような動きを取れないことも多々あるように聞く。

早く、新しい動きに対応せねば、世界に冠たる日本の古書業界が、取り残され死滅する日も、そう遠くない気がする。
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2 コメント

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絵草紙 (ma)
2010-11-03 20:13:47
先日、ネットオークションで、生まれてはじめて、絵草紙を買いました。
神保町の専門店は、敷居がほんとに高かったです。
初心者なので、虫穴がひどいものや、つまらない絵組みのものを、落札してしまいます。
(予算もとぼしいです)

それで、こちらで紹介される美しい本を、楽しみにしています。
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ご訪問多謝 (夜鴉亭)
2010-11-04 00:06:28
世の中には、草双紙に魅了される人とそうでない人に分類されます。
絵草紙さんは、私と同類ですね。
蒐集するも地獄。
しないも地獄です。
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