酔いどれ反省会

反省出来ない人の反省文

2019/11/3(日)くもり

2019年11月03日 19時59分53秒 | 日記
『ヤノマミ』(国分拓著)読了。

アマゾンの奥地で1万年にわたって独自の文化と風習を守り続ける人たちのノンフィクション。

そんな人たちと、日本人のテレビディレクターとカメラマンが150日間にわたって同居するという。

その中で見えてくる、我々の社会の規範では語れない、理解できない生き方。

共感できるところもあり、和んだり笑えたりする部分もあるが、

全体的に、かなりショッキングな内容だった。

我々の社会ではタブーとされていることが当然のように行われていたり、

はたまた、我々の社会と同じようなところがタブー視されていたりと様々。

「ヤノマミ」とは先住民の言葉で「人間」という意味らしい。

我々の社会では目をそむけ、隠されるような事が、

ヤノマミの社会では剝き出しにされている事が多い。

性も暴力も、生も死も。

そんな彼ら彼女らも、当然僕らと同じ人間。

読み進めるごとに心臓が痛くなる。。

僕らが普段、いかにいろんなものから目を背け、感情を殺しているかを思う。

僕らは「社会」に生かされ、動かされている。

ヤノマミもヤノマミの「社会」を生き、「森」に生かされ、動かされている。

でも僕らの「社会に生かされる」というのは、人が作ったルールに生かされるということだから

「人に動かされている」という事に他ならないと。

でも文明の中で生きるってそういう事なのかなぁ、とも思ったり。

ヤノマミの生き方が本来の人間の生き方だ!と言い切るのは乱暴だとは思う。

でもヤノマミの生き方は、ある種、正直な生き方だとは思う。

僕らの社会でヤノマミと同じ事は出来ない。

でも、目をそらしている事、隠されている事に目を向けなきゃいけないと思う。

そこに目を向けさせないのが今の僕らの社会だと思うので、

今の社会に生かされつつも、今の社会にのまれてはいけない。

ヤノマミも、森に生かされつつも、森にのまれてはいけないと思っていたと思う。

目を向けなければいけない事。それは何なのか。何をすべきなのか。

考え続ける事、動き続ける事。

「面白い」では表せない、心臓に響く一冊だった。

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2019/11/2(土)晴れ

2019年11月02日 22時39分26秒 | 日記
休日はどこのお茶場も大混雑。

どこも同じくらい混雑しているのなら、安いところに入るのが当然の理。

と言うわけで、当然の面持ちでマックにてコーヒーのみを注文。

店内でコーヒーを飲みつつ本を読んでいたら、

隣のテーブルに家族連れ(母、息子、娘の3人)がやってきた。

息子(8歳くらい)、娘(5歳くらい)でとても賑やか。

ハッピーセットのおもちゃを取り合ってケンカをして、

母がちょっと怒ったりしてたけど、全然不快でもなく、

マックってそういう場所だし、子供たちも可愛いし、

本を読みながらも、むしろ微笑ましく思っていた。そんな時、

息子がシェイクをこぼして、僕の足もとにカップが落ちてきた。

そして僕の足にも少しだけかかった。

母親は当然「すみません!!」と言ってきて、息子も「ごめんなさい...」と言う。

まぁ、僕としては全然気にはしないけど、相手方の反応としては当然そうなるだろう。

でも子供のやった事だし、親がある程度叱ってくれればこちらは何も言うことは無い。

それよりも、その子たちがそのテーブルにやってきた時、

母親が注文をしていて、息子と娘が先にやってきて、テーブルに置かれていた

『3名~4名様でのご利用をお願いします』という立て札を兄妹で読み合っていた。

兄「これは?」
妹「3めい、、4めい、、ご、、ご、、」
兄「ごりよう!」
妹「ごりよう!」

などと言い合っているのがめちゃくちゃ愛らしかった。

そして母が来て、まず「手を洗おう」と言って、妹と母はトイレに行った時、

息子は「じゃあ僕待ってる。次に行く」と、一人待っている時に

「今日はお父さんが帰ってくる。やっと出張から帰ってくる。いっぱい遊ぶんだ!」

などと言っていて、もう独り身のおっさんとしては、本の内容そっちのけで、隣のテーブルロックオンなわけですよ。気を抜いたら涙こぼれますよ。

そんなだから、こぼしたシェイクがちょろっと足にかかったからって、全然気にしないのだけど、親としてはね、そりゃ「すみません!!」ってなりますよね。

隣の家族が先に帰ったのだけど、帰る時も「すみませんでした」「ごめんなさい」と言われる。

こういう時の表情って困るよなぁ。こっちは全然気にしてないし、

むしろ、なんか家族の温かみを勝手に感じさせてもらった身として、

「全然オッケーっすよ!むしろあざっす!!」と全力の笑顔で答えるのも意味不明だろう。

とは言え、無表情で「・・・いえ」とかだと、怒ってると思われてしまう。

この「気にしてませんよ、なのでそちらもお気になさらず」の表情が難しい。

笑顔で明るく答えるべきなのか、無表情で静かに答えるべきなのか、

一瞬間で凄まじく悩んで、結局どっちつかずの半端な表情になってしまう。

親子が去った後も、「どうすべきだったのか...」と悩んで、本を開きつつも内容は一切入ってこない。

すると親子が戻ってきて、「すみませんでした。これ、ちょっとですけど」と、マックカードをくださった。

「え!!!!!」と思わず大声が出てしまった。

そして親子は去ったのだけど、僕の表情が良くなかったのではないか。

あの時、笑顔で「全然オッケーっすよ!むしろありがたいっす!ペロペロ!!あまーーーーーーい!!」くらい言ってた方が良かったのではないか。(絶対良くない)

かえって申し訳ない。。でも子供の躾ということもあるからね。

この親切は甘んじて受けよう。そして僕も表情を、マジで気を付けねば。。

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2019/11/1(金)快晴

2019年11月01日 20時40分59秒 | 日記
「いらっしゃい」

今日もKATO'Sキッチンへ。

知る人ぞ知る、看板も何もない、アパートの2階にあるKATO'Sキッチン。

嫌な事があったり、悩みがあったり、悶々とした時に来てしまう。

いつ来ても、大将は無表情で、静かな声で「いらっしゃい」と迎えてくれる。

いつものように靴を脱いで、キッチンを通り抜けて和室へ入る。

テーブルの前に腰を下ろすと、いつもと同じお通しが出される。



「最近のお通しはキャベツが多いんですね」と言ってみる。

「ええ、キャベツがね、美味しいんです」と大将。

こんなやり取りが出来るという事も、常連だからと思いたい。

とりあえず、いつものように発泡酒を注文し、のどを潤す。

キャベツのサッパリ和えをつまみつつ、本日のおススメを見る。

あ、「味玉」がある。すぐさま

「大将、味玉、お願いします」と。

大将は「はいよ」とだけ言って、用意してくれる。



「今日は味玉、あるんですね」と言ってみる。

「ええ、今日はね、うまい事行きました」と大将。

大将はゆで卵を作るのが苦手らしい。

料理人として致命的なのでは??と思うが、もちろんそんな事は言わない。

ゆで卵はしっかりしたゆで卵だ。多少の半熟具合を期待していたが、

しっかりと火が通っている。いや、でも味は美味しい。

荒を探すのはやめよう。美味しい。そこだけに集中しよう。

発泡酒に続いてレモンサワーを注文する。

ここでちょっとガツッとしたものがほしく、おススメのボードを眺めると、

「ホルモン炒め」があったので、「今日ホルモンあるんですね」と訊いたら、

「ええ、ちょうど安く手に入ったんでね」と大将。

「それじゃあ、ホルモン炒め、お願いします」と注文する。

大将は「はいよ」と一言。味玉をつまみつつ、ホルモン炒めを待つ。

「お待たせしました」。ホルモン炒めが届いた。



甘辛い味噌の匂い。この匂いだけで酒が一杯飲めそうだ。

一口食べると、野菜にしみたホルモンの脂と甘辛みそ。これはもうお酒が進む。

しっかり下茹でもされてるようで、豚ホルモンの臭みやくどい脂などは一切ない。

レモンサワーが進む進む。レモンサワーもお代わりして、料理も全て食べ終える。

「大将、ごちそうさまでした」

「ありがとうございます」

お会計を終え、靴を履いている時に、大将の方から

「いつもありがとうございます」と声をかけてくれた。

こちらがあいさつをすればいつも答えてくれるけど、

大将の方から声をかけてくれる事なんかなかったのに!!と驚いて大将を見たけど、

いつものように「ま、また来ます」とだけ答える。

「いつでも、お待ちしております」という大将の表情は、心なしか、いつもよりも優しい感じがした。いや、気のせいかもな。

でも、また来よう。大将の心意気を味わいに。

・・

・・・

・・・・

いやだからこれいつも一人でやってんのよ。寂しいよそりゃ。
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