酔いどれ反省会

反省出来ない人の反省文

2019/11/6(水)晴れ

2019年11月06日 22時12分02秒 | 日記
「いらっしゃい」

今日も来てしまった「KATO'Sキッチン」。

静かな住宅街の中にある、何の変哲もない木造アパートの2階。

看板も何もない。階段の入り口を塞ぐように停められた自転車。

その自転車をよけて階段を上がり、ドアを開ける。

「いらっしゃい」

いつものように大将がひとりで迎えてくれる。

僕もいつものように、靴を脱いで和室へ進み、

テーブルの前に腰を下ろすと、すぐにお通しが出される。

「もやしとわかめの酢のもの」




今日はキャベツじゃない。

「毎回キャベツばっかりじゃ、芸がないでしょう」と大将。

さっぱりしてるし、もやしの歯ごたえも良い。最高のお通しだ。

いつものように発泡酒でのどを潤してから、本日のおすすめのボードに目をやる。

ん、、おつまみ三種もり?こういう形のメニューは初めて見る。

「大将、この『おつまみ三種もり』をお願いします」

「はいよ」

口数少ない大将は、簡単に返事をすると、手際よく三種をそれぞれの皿に盛っていく。

「どうぞ」



・ローストポーク
・鶏ささみとキャベツのごまマヨ和え
・高野豆腐の含め煮


さ、最高じゃないか!!

これだけでもう、今日は十分なくらいのおつまみ量だ。

発泡酒からレモンサワーに切り替えて、三種すべてたいらげる。

お通しから三種もり、すべて冷えたものだったので、

最後に、ここでちょっと温かいものが欲しい。

「大将、何か温かいものとか...」と言うと、大将は

「温かいもの...?あ、温かい、もの...温かい...」と言いながらゴソゴソしだした。

あれ、どうしたんだろう。そんなに難しい注文だっただろうか。

温かいものが無い、なんてことある??いやまさかそんなことは無いだろう。

しかし大将のこの慌てふためきっぷりはどうだ?

無いんじゃないか?温かいもの。

その時、「あ!」という大将の声。

見つかったらしい!温かいもの!!

大将は静かに一言「みそ汁...」と。

・・・みそ汁、かぁ。。。

レモンサワー飲みつつ、みそ汁は、ちょっと、、どうだぁ...??

うーーーん、、いらないなぁ。。

「なるほど!すみません大将、ちょっと考えますね」と答えて、

再びおススメのボードに目をやると「カツオの刺身」がある。

全然温かくないけど、刺身は大好きなので、みそ汁ではなくこちらを注文する。



しっかり脂がのっていてとても美味しい。

温かいものが無い日だってある。全然良い。

その時々の出会いを楽しむのがKATO'Sキッチンなのだ。

食べたいものを確実に食べたいなら他の店に行けばよい。

居心地の良さの中にも、時折入ってくるスリリングがたまらない。

「ごちそうさまでした」

「いつもありがとうございます」

多くは語らない。温かいものが無かったことに対しての陳謝とかもない。

無くて良い。むしろ良い。

期待したものが何でも簡単に出てくると思うな。

思い通りにいかない事を楽しめ。

そんなことを、KATO'Sキッチンは伝えてくれてる気がするのだ。

今日も美味しく、楽しかった。

また来よう。料理を通した、大将との会話を楽しみに。

・・・

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マジでそろそろ『本当に孤独のグルメ』っていうタイトルでドラマ化されるべきだと思う。
コメント
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