非常勤講師の仕事をしていると、学校の掛け持ちなど当たり前。
今年度は、月~木の学校と、金の学校、2つの学校で働いている。
同じ日、午前午後で別々の学校に移動、という事がないだけまだ楽かもしれない。
金曜の学校は、午後の3コマだけなので、勤務時間としては一番短い。
だけど金曜の仕事が一番疲れる。。。
週の最後という事で疲れがたまっているのかもしれないし、
月~木の学校は、勤務時間は長いが、自分がメインで教える授業が続くことがなく、
メインの授業やって、サブで入る授業があって、という入れ替わりなので、
言い方は良くないかもしれないが、ある意味、息抜きとか切り替えが出来る時間がある。
金曜は3コマだけの授業だけどすべてが僕メインの授業。
週の最後に、3コマ連続僕メインの授業となると、そりゃまあまあ疲れるのかもしれない。
そしてまた、金曜の学校は結構遠く、
移動だけで1時間半ほどかかるので、その疲れもあるのかもしれない。
本日その学校で、「来年度もぜひお願いします」と言われた。
金曜のこの学校で働くのも何年目だろう。
7年目...くらいかなぁ。。まぁ、長いな。。。
週に1日で、しかも3コマだけ。その上移動に結構時間をとられるなんて、
時給の仕事としてはまったくわりに合わない。
それでも続ける理由としては、単純に「断れないから」だけ。
今教えている子供を、卒業まで見届けたい!という気持ちももちろんある。
あるけども、一人卒業したら誰かが入学してくるわけだから、
それが延々続いて7年間、という次第。
一方、月~木で働いている学校では、僕が教えられる生徒の入学がここ数年激減して、
僕が受け持つ授業が減っているが、学校のご厚意で、
いろんな授業のサブに入れて頂き、ここ数年どうにかこうにか、首の皮一枚つながっている。
こんな感じで、年間契約の時間講師なんて、なんの補償もない「使い捨て」でしかない。
だからこそ、他にやりたい事やってるわけですからね。
そんな中でも「ああした方がこうした方が」ってのはたくさんありますけどねぇ。。。
僕自身、「人と関わる」という事が本当に苦手で、
青信号の横断歩道を渡る際、左折してきた車が、一旦止まってくれることすら気を遣い、
「あ、今僕が渡ったら、あの車たぶん止まっちゃう」と思ったら横断歩道が渡れなくなる人間だ。
工事現場のそばを通る際、「こちらへどうぞ」と警備の人に促されるのも嫌で、
わざわざ遠回りをしてしまう人間だ。
もはや「人と関わる」とか「気遣い」というところではない問題を抱えた人間だとは思うが、
これでもどうにかこうにか生きている。
こんな自分、生きているだけマジで凄いと思う。
自分の中で、弓がギリギリに引かれている感じは常にしている。
これ以上引いたら折れてしまうという感じの中、
キリキリキリキリと嫌な音が鳴り、
でも、友人とお酒を呑んだり、踊ったり、絵を描いたり、日記を書いたり、
という中で、弓のしなりが多少緩む感じはある。
どれも根本的な解決ではないこともわかっている。
じゃあ根本的な解決とは?と考えるとわからない。
わかっているけど、わからないふりをしているのかもしれない。
今持っているものを捨てるのが怖いだけなのかもしれない。
続ける事が良いのか、捨てる事が良いのか、それはわからない。
どちらを選んだにせよ、選んだ方を精一杯生きなければいけない。
「選んだ方を正解にする!」とよく言われるが、
いや別に、あっちが正解だったかもなぁ、と思っても良い気もしていて、
でも選んだ方にも楽しみを見出して、精一杯生きるっつうね、
「正解」「間違い」という言葉が好きじゃないのかもなぁ。
「この写真のものを何と呼ぶでしょう??」っていう問題にしても、
「前方後円墳!!」という答えもあれば、
「あ、これ、僕のひいひいひいひいひいひいひいひいおじいちゃんのお墓です!!」という答えもあれば
「あぁ、これは隣の家のかっちゃんの友達のね、おじいちゃんの従妹のおばあちゃんが好きだった豆腐屋のせがれの嫁の友達のひいひいおじいちゃんの好きだったけしきだねぇ」っていう答えもあるかもしれない。
数学だって、真実はひとつでも、答えはひとつじゃないし、正解は必ずしも真実ではないかもしれない。
間違えて間違えて間違えた結果、真実にたどり着けたとしたら、重ねた間違いもその人にとっては正解なのかもしれない。
あれ、、なんだっけ?僕は今、なんの話をしてたんだっけ??あれこれ考えていたらわからなくなった。
わからなくなったところで、気づいたらKATO'Sキッチンに来ていた。
キラキラした商店街を抜け、ポツポツと街灯がともる静かな住宅街の中にあるKATO'Sキッチン。
ドアと開けると「いらっしゃい」という大将の声。
変わらない大将の「いらっしゃい」。ありがとうございます。と言いたくなる大将の「いらっしゃい」。
靴を脱ぎ、キッチンを抜けて和室へと入る。
まずは出てきたお通しは「ポテトサラダ」。
KATO'Sキッチンのポテサラは最高だ。何もひねらない。ザ・シンプルポテサラ。これが良い。
発泡酒を頼んで、ポテサラをつまむ。
さらには厚揚げも注文する。
表面カリカリ中ふわふわ。
美味しい。アツアツの厚揚げを口に入れ、ハフハフしながら、冷えた発泡酒を流し込む。
そしていつものように本日のお刺身はひらまさ。
さらに飲み物はレモンサワー...と思ったが、、何だか今日は、街がキラキラして
ウィーウィッシュワウィーウィッシュワ言っていたので、何となく、いつもとは違うお酒が呑みたくなった。
「あの、、大将、、何か、、他のお酒とか......」とおそるおそる言ってみる。
大将は、「はぁ、、ではこちらは」と出してくれたのがランブルスコ。
ワイン!!ランブルスコって、あの、たぶん、スパークリングワインだよね。。
わぁ、、ウィーウィッシュワっぽいーーーー。。。
勧められたら吞むっきゃない。「はい、お願いします!」。
そしたら赤だった!!赤!!!ランブルスコって、、赤なん!!!!????
いや待って、、、今目の前にある食べ物、、、ポテサラ、、厚揚げ、、刺身、、、
あわねえええええええええ!!!!!!!!!
せめて白ならば、、、と思うが、、赤、、、あわねえええええ!!!!!!
いやでも、、合う合わないもその人次第ですから。
美味しい。お酒も肴も、どれも美味しいよ。
そんな時、大将から「こちら、サービスです」と出てきたのが、
豚タンスモーク。
あうううううううう!!!!!!
あれ、、、大将、、サンタっすか!!!???大将って、サンタなんすか!!!!????
こんなおっさんの僕にも、サンタ、来るんすか??????あ、あ、、あざっす!!!!!
小さい頃は「サンタ」と言うと、たった一人の存在だったけど、
大人になった今、僕にとってのサンタは一人じゃないのかもしれないなぁ。
僕も誰かにとってのサンタでありたいなぁ。
いや、でもね、どれも本当に美味しかった。本当に楽しい時間でした。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございました」
店を出るその刹那、目に入った大将の表情は、心なしか、笑顔だった気がした。
なんか、「いいんだよ、それで」って言われた気がした。
刺身食べながらランブルスコ飲んでも良いんすね!!「食」って自由っすもんね!!!!
大将、、、、あぁ、、、、大将、、、、、、
見上げた夜空に、ぽつりと月が浮かんでた。
僕は、少しだけ泣いた。