徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

お墓参りあれこれーよみがえった幼い日々ー

2016-08-14 10:17:24 | フラッシュバック
その日は母の13回忌。
えっ、もう12年も経っちゃったのか・・・。

そんなことを思いつつ、私と連れ合い、
妹と連れ合い、合わせて4人、
O市にある菩提寺に向かった。

ローカルな電車を降りて、
お墓に向かう道すがら、
あれ、この道を歩いているのは、
私と妹、そして連れ合いたち?

妹と、「この道を一緒に歩いた人たちは、
もうみんな、あっちの世界に行っちゃったわね」って話した。

なんだか不思議な感じ。

そしてフラッシュバック。

私は祖父と手を繋いで、この道を歩いていた。
祖父は、手に仏花をもっていたっけ。
「R子、この道は気をつけろよ。
よそ見してると、川に落っこちるぞ」(祖父)

ここは元、城下町だった町。
水路が至る所に張り巡らされている。
そして、この川、いえ、水路は、
当時も今も暗渠にはなっていない。
流れは急。
だからよそ見をしてると、落っこちる。

勾配が急な石段を上ったところにお寺がある。
本堂の横を通ってお墓に。
もう60年以上前のお寺は
戦後数年しかたっていないこともあってか、
竹藪の中にあった。
そこにはやぶ蚊が一杯!
夏のお墓参りはいつも蚊に刺され、
足や手を搔きかき戻ってきた。

おばあちゃんと一緒に来たこともあった。
祖父の後妻にあたる祖母と私は
余り折り合いがよくなかった。

私が小学校の1年生くらいの時、
お墓参りの道々、祖母は言った。
「R子ちゃん、地獄って知ってるかい?
嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれてしまうんだよ、
そして、悪いことをした人は、今度生まれ変わった時には
犬やなんかの動物にされてしまうんだよ。
うちで飼っている「メロ」も、前世で悪いことをした人が、
犬に替えられてしまったんだよ」

えっ、と思った。
メロが悪いことをした人だったの??
そんなこと信じられなかった。
でも、このとき「前世」という言葉を
初めて聞いたように思う。

地獄絵の話を聞いたのもおばあちゃんから。
お墓参りはどういうわけが、
極楽ではなく、地獄のイメージと結びついて
私の中に定着した。

それから、おじいちゃんも、おばあちゃんも
そのお墓の住人となった。
もう50年以上前のことである。

以後、法事のあるたびに、この道を通った。
法事では親戚縁者と出会う。
そして、その度に誰かが抜けていく。
はじめは父方の大叔母たちが、
そして、父方のきょうだいたちが。
そして12年前に母、
今年の夏に父があちらの世界に旅立っていった。

残ったのは私と妹、
そして従妹たち。

こうして減る人がいれば、増える人もいる。
連れ合い、子どもたちやその連れ合い、そして孫たち。

お寺やお墓は非日常の空間だ。
お経の声、木魚や鐘の音。
お線香の香り。

今は、お坊さんも檀家との関係づくりに必死だ。
だから、分かる言葉でいろいろ説明してくれる。

なるほど、道理だなと思うこともいっぱいあって、
ずっと、葬式仏教とバカにして
近づきもしなかった仏教の世界だが、
それが長い年月、生き延びてきたということは
「人間」というものに対する深い洞察があるということだなって
今頃になって納得したり・・・。

きっと、孫たちもまた
いつもとは違う感覚を味わっていることだろう。

それから2,3日のちのこと。
「今日、飛行機を作ったんだよ。
これをお供えする。食べてくれるかなー」(孫別名ウルトラマン2号)
と、自分の作れる最新式の紙飛行機をお供えした。


働き盛りは日常を生き切るしかない。

けれど、それを外れた働き盛り後の年代と、
まだ子ども時代を生きる幼い人たち。

なんか訳の分からない不思議な世界があるってこと、
幼い人たちはこんな場面を体で感じているんだろうなって。

祖父母世代は、両親世代とは違う空気を
子どもたちに送っている。

そんなことを蘇った幼い日々の
祖父母とのお墓参りから考えたのでありました。








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