徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

じゃんけんの彼方にー小さな思いやりー

2016-03-25 07:55:44 | 子どもの情景
幼稚園実習が終わっての実習事後指導の時間。

「3歳児に『じゃんけん列車』のゲームを用意していったのに、
3歳児って、ほとんどじゃんけんの勝ち負けが分からなくって、
もうめちゃくちゃになっちゃいましたー。
泣きたかったーーーー!」(学生)

当たり前だろう!
何のために発達心理学などを受講してから実習に行くというのだ!!
と、怒る気持ちをぐっと押さえて、
「そうだったのねえ。いい勉強になったでしょう?」なんて言った私。
まさに悪魔の猫なで声・・。

そう、じゃんけん。
一体いつ頃からじゃんけんができるようになったんだろう。
思い出してみると、
チョキがなかなかできなかったことをに行きあたった。

親指と人差し指を使ってのチョキはできたが、
人差し指と中指を二つ同時に立てることがなかなか難しい。
頑張ってやろうとすると、後出しみたいになってしまう。
「後出しだー。いーけないんだ、いけないんだー」なんて年上の子にはやしたてられる。
こんなことを覚えているっていうことは、多分5,6歳頃のこと。

人差し指と中指を立てるじゃんけんができた時の「誇らしさ」は
心の片隅に今も残っている。

このじゃんけんに、今はまっているのはKJ4歳8か月。
保育園の3歳児クラス在園中。

「おばあちゃん、じゃんけんしよう!!」(KJ)
「最初はグー、じゃんけんポン!」(KJと私)
私はパー、KJグーを出したかと思ったら、
もにょもにょっと指を動かして、やっとこさっとこチョキに。
「勝ったー」と小躍りするKJ。
もちろん後出し。
「あれ???」といって、KJの顔をじっと見ると
「へへへー」(KJ)
「も一回やろう、も一回やろう」(KJ)

そして私に負けると
後出しをして「勝った、勝ったー」と飛び上がる。

そんなことがここ3か月くらいKJと会うたんびに続いていた。

この2週間、KJと一緒に住むようになって、
じゃんけんの真剣勝負はほぼ毎日だった。
兄のTPとKJ、そして私の三つ巴。
勝負にこだわるのはやはりKJ。
「あ、KJずるいよう。後出しだよ」(TP)
そんなこんなで、つかみ合い寸前になることも。

でもここ2,3日、ふと気づくと何かが違う。
「最初はぐー、じゃんけんポン!」(KJと私)
私はグー、KJはパー。
「KJちゃんのかちーっ」(私)
「も一回やろう」(KJ)

「最初はグー、じゃんけんポン!」(KJと私)
私はパー、KJ,チョキ。
「KJちゃんの勝ちー」(私)というと、
「おばあちゃん、大丈夫だよ。もう一回やろう。きっと勝つよ」とKJ。

あ、私を気遣ってくれている。
私がついに勝ったとき、
ニコニコっとして「よかったねー」と言ってくれた。

これがつい数日前まで、勝つことに命を懸けて、
負けると体中で悔しがっていたKJと同一人物か・・・、と思うほど。

あれだけ負けて、後出しだーと指摘され、
それでも負けずに何回も何回もやるうちに、
あれだけ勝つことにこだわっていたのに、
いつの間にか、負けた相手に気遣うようになっている。

保育園に行く前の朝のじゃんけん。
「じゃんけんポン、あいこでしょ!」(KJと私)
「あ、負けちゃったー」(KJ)とニコニコ。
「じゃあ、行ってきまーす!」(KJ)

じゃんけんをものにし、相手の気持ちを気遣う4歳8か月真っ盛り。
あの地団太を踏んで悔しがった姿が、
それをやりきることで、こんな風に育っていくんだなって
すごい!と思った65歳でした。