「はっきょーい、のこった、のこった、のこった、のこった!」
「おばあちゃん、お相撲取ろう!」(TP6歳)
「えっ、お相撲かー、よーし、いいわよ!」(私)
65歳の私、覚悟を決めた。
「みあって、みあって、はっきょーい、のこった!」(TP&私)
足をかけて、投げても投げても食いついてくる6歳。
それに加わる4歳。
三つ巴の大相撲。
「うわー、もう降参、降参!」(私)
「じゃあ、あと一回ね」(TP6歳)
「はっきょーい、のこった、のこった、のこった、のこった!」
すると・・・
「おっとっとっとー、おっとっとっとー」(TP)
そう言いながら四つに組んだまま、蟹歩きならぬ蟹飛び。
なんだか社交ダンスのよう・・。
息を合わせておっとっとっと、おっとっとっと、と言いながら動き回る。
フーン、面白いなあ。
一段落すると、今度はKJ4歳が飛びかかってくる。
こちらは押しの一手。
ズズズズズーと押されたり、ズズズズズーと押し返したり。
こっちは全く社交ダンスじゃない。
本気の相撲。
足掛けの上手投げで辛うじて65歳の勝ちーーー。
急に静かになったTPを見ると、なんと本を読んでいる。
かがくいひろし「はっきょい畑場所」
かがくいひろし「はっきょい畑場所」 講談社 2008
畑で取れる野菜たちのお相撲。
なんたって登場人物(野菜??)の名前が面白い。
じゃが岳(じゃかいも)、かぼ春日(かぼちゃ)、ぴーま岩(ピーマン)、にんじ川(にんじん)、
たまね錦(たまねぎ)、きゅう竜(きゅうり)、すい海(すいか)、だいこの嵐(大根)などなど。
そのなかのじゃが岳とにんじ川の対戦。
そこにふたりががっぷり四つを組んで
「おっとっととー、おっとっとっとー」の場面があった。
なるほど、TPはこの場面がお気に入りだったんだ。
それを再現したということになる。
ここを再現したって、どういうことだろうと、ふと考えた。
一緒に体を動かしてみると、共振、ともゆれ?、
つまり息を合わせて一緒に体を動かすっていうことが
いまのTPのやりたいことなんだと、
一緒に相撲を取りながら感じた。
そうか、お相撲っていっても、TPの場合は勝ち負けよりも、
こうして一緒に体を動かしたいんだ。
四つになって蟹飛びをするって、一体感という言葉が相応しい。
今は、これを味わいたいんだなって思った。
ここ数日、お相撲を取ると必ずこの場面を再現する。
一方KJ。やっとじゃんけんができるようになった。
勝った、負けたにこだわっている真っ最中。
だからお相撲も思いっきり相手に勝つために頑張る4歳そのもの。
同じお相撲をとっても、こんなに違う。
子どもと一緒に動いてみると、こうして子どもたちの
その時望んでいることが見えてくるなって改めて思った。
しかし、私はなんといっても65歳。
昔々、まだ小学校の低学年だった頃、
父がお相撲だけは相手をしてくれた。
何回も何回も負けたが、食い下がった。
すると、突然父は言った。
「もうやめるぞ」って。
え、なんで、なんで、もっとやりたいのに。
大人って勝手だ!
やりたい気持ちなんてわかってもらえない・・・、
なんてその頃は思っていた。
でも今はちょっと違う。
やっぱり父は小学生パワーに負けて、疲れちゃったんだ。
幼児でもこのパワー。
小学生だったら、たとえ働き盛りであっても、
エンドレスの相手はできないだろうなっと思う。
年を取るってことも悪くない。
分かることが増えていくから。
とそんな大相撲ならぬ小相撲の一コマでした。
おまけ。
かがくいひろしさんは大好きな絵本作家です。
残念ながら50代初めの働き盛りに亡くなられてしまいました。
でもとても味のあるリズムのある絵本をたくさん残されています。
かがくいひろし「だるまさんが」ブロンズ社
かがくいひろし「うめじいのたんじょうび」 講談社
「おばあちゃん、お相撲取ろう!」(TP6歳)
「えっ、お相撲かー、よーし、いいわよ!」(私)
65歳の私、覚悟を決めた。
「みあって、みあって、はっきょーい、のこった!」(TP&私)
足をかけて、投げても投げても食いついてくる6歳。
それに加わる4歳。
三つ巴の大相撲。
「うわー、もう降参、降参!」(私)
「じゃあ、あと一回ね」(TP6歳)
「はっきょーい、のこった、のこった、のこった、のこった!」
すると・・・
「おっとっとっとー、おっとっとっとー」(TP)
そう言いながら四つに組んだまま、蟹歩きならぬ蟹飛び。
なんだか社交ダンスのよう・・。
息を合わせておっとっとっと、おっとっとっと、と言いながら動き回る。
フーン、面白いなあ。
一段落すると、今度はKJ4歳が飛びかかってくる。
こちらは押しの一手。
ズズズズズーと押されたり、ズズズズズーと押し返したり。
こっちは全く社交ダンスじゃない。
本気の相撲。
足掛けの上手投げで辛うじて65歳の勝ちーーー。
急に静かになったTPを見ると、なんと本を読んでいる。
かがくいひろし「はっきょい畑場所」
かがくいひろし「はっきょい畑場所」 講談社 2008
畑で取れる野菜たちのお相撲。
なんたって登場人物(野菜??)の名前が面白い。
じゃが岳(じゃかいも)、かぼ春日(かぼちゃ)、ぴーま岩(ピーマン)、にんじ川(にんじん)、
たまね錦(たまねぎ)、きゅう竜(きゅうり)、すい海(すいか)、だいこの嵐(大根)などなど。
そのなかのじゃが岳とにんじ川の対戦。
そこにふたりががっぷり四つを組んで
「おっとっととー、おっとっとっとー」の場面があった。
なるほど、TPはこの場面がお気に入りだったんだ。
それを再現したということになる。
ここを再現したって、どういうことだろうと、ふと考えた。
一緒に体を動かしてみると、共振、ともゆれ?、
つまり息を合わせて一緒に体を動かすっていうことが
いまのTPのやりたいことなんだと、
一緒に相撲を取りながら感じた。
そうか、お相撲っていっても、TPの場合は勝ち負けよりも、
こうして一緒に体を動かしたいんだ。
四つになって蟹飛びをするって、一体感という言葉が相応しい。
今は、これを味わいたいんだなって思った。
ここ数日、お相撲を取ると必ずこの場面を再現する。
一方KJ。やっとじゃんけんができるようになった。
勝った、負けたにこだわっている真っ最中。
だからお相撲も思いっきり相手に勝つために頑張る4歳そのもの。
同じお相撲をとっても、こんなに違う。
子どもと一緒に動いてみると、こうして子どもたちの
その時望んでいることが見えてくるなって改めて思った。
しかし、私はなんといっても65歳。
昔々、まだ小学校の低学年だった頃、
父がお相撲だけは相手をしてくれた。
何回も何回も負けたが、食い下がった。
すると、突然父は言った。
「もうやめるぞ」って。
え、なんで、なんで、もっとやりたいのに。
大人って勝手だ!
やりたい気持ちなんてわかってもらえない・・・、
なんてその頃は思っていた。
でも今はちょっと違う。
やっぱり父は小学生パワーに負けて、疲れちゃったんだ。
幼児でもこのパワー。
小学生だったら、たとえ働き盛りであっても、
エンドレスの相手はできないだろうなっと思う。
年を取るってことも悪くない。
分かることが増えていくから。
とそんな大相撲ならぬ小相撲の一コマでした。
おまけ。
かがくいひろしさんは大好きな絵本作家です。
残念ながら50代初めの働き盛りに亡くなられてしまいました。
でもとても味のあるリズムのある絵本をたくさん残されています。
かがくいひろし「だるまさんが」ブロンズ社
かがくいひろし「うめじいのたんじょうび」 講談社