林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

NHK基礎英語1による指導の実際

2010年06月26日 | 英語学習
しばらくブログ連載をお休みしていましたが、今日から再開です。

今回はNHK基礎英語1という語学講座を、私が実際にはどのように活用しているかを書いてみたいと思います。


NHK基礎英語を活用しているのは、現在公立小学校6年のEさんです。当塾(東大式個別ゼミ)は基本的には小学生英語は引き受けていないのですが、今回特別の事情があって、週一回60分の英語の授業を完全1:1で実施しています。

週一回だけの英語の授業というのは、中学生であってもできるかぎり当塾では避けるようにしています。週二回以上通塾しないと成果が上がりにくいからです。ましてや今回は小学生英語ですので、学校英語はほんとどゼロです。つまり、本当に週一回の英語の時間ということになってしまうわけです。

そこで積極的に私はNHK基礎英語を活用しようと考えました。これを活用すれば、一週間に5日以上の英語の時間を確保できるからです。

しかし、以前に何度も書きましたが、木村松雄講師(青山学院大学)のNHK基礎英語1は文法的説明が少ない上に、非常に難しい会話的表現が頻発します。木村講師は中学校でも教えたことがあるそうですが、おそらく青山学院中等部レベルの中学生でなければ無理でしょう。とはいえ、英語音声付きで毎日届けられる入門者向けの英語講座はNHK基礎英語1くらいしかないのが現実なのです。だからやむを得ず、このNHK基礎英語1を主要テキストとして用いざるをえないのです。

NHK基礎英語1について簡単な解説をしておきましょう。月曜日から金曜日まで毎日15分ですが、もっと詳しく言えば月曜日から木曜日までの4回は中学生の生活に則すような会話集と、パターン練習です。キムラマツオ先生と男女のネイティブが参加しています。金曜日は、その週の復習をするようになっています。

どんな文章なのか、6月のある週のスキットの写真を全部載せてみましょう。


2010年6月14日(月)



6月15日(火)




6月16日(水)



6月17日(木)



英語教育に多少詳しい人ならば一目瞭然ですが、6月14日(月)に木村先生の野心と野望が炸裂していますのが分かります。 普通の日本人の英語学習者が知らないであろう、数学の英語表現を中学一年生に学ばせようとしているのですから。「中学校や高校の先生も知らないことを、キムラマツオの基礎英語1を習った生徒ならば、しっている!」と言わせたいのでしょうね。

しかし、公共放送の中一向け英語講座で、こんなことを学ばせて良いものでしょうか。もう一度、難しい箇所を写しておきますが、下の通りです。私としては無茶苦茶と言いたいところです。

(-18)÷9 and -(18÷9) are the same.


結論的に言って、6月14日は難しすぎました。生徒はすでにこの日のレッスンは聞き終わっているのですが、全然分からなかったようです。私の授業(NHKの復習)でも「これは、キムラ先生が悪いのだから、全然できなくても良いよ、気にしないでね」と言って、飛ばしてしまいました。

ついで6月15日(火)の復習に取り組みます。これは、月曜日と比べると難しくない。でも、やっぱり、難しいすぎるのです。I don't have a green thumbとかの表現も難しいし、発音しにくいですね。よって授業では簡単に意味を説明して一度だけ音読しますが、深追いせずにさらっと流してしまいます。 (ただし、スキットは難しくても、あとのパターン練習(文法練習)は難しすぎない場合があります。その場合は、それだけは取り組みます)。

実は、木村のNHK基礎英語1は、4回のスキットのうち2回は難しすぎて理解できないものですが、あとの2回はなんとか中学生等がついていける内容になっていることが多いのです。おそらくは、木村講師なりの配慮でしょう。つまり、優秀な中学1年生を意識した日と、優秀な中学2-3年生と大人とを意識した日が、一つの週に混在しているのだと思われます。

今回も6月16日(水)と17日(木)のは、それほど難しくないように見えます。厳密には部分否定があり、名詞を後ろから修飾する語句ありで、そんなには易しくはないのですが、言語能力のある小学生高学年や中学生ならば、できないことはありません。そこで、意味の説明と音読練習をしっかりとやり、あとの文法練習を繰り返します。必要に応じては、『シリウス標準編Vol.1』を用いて文法を学びます。

宿題は基礎英語テキストのスキットや文法練習を選んで音読(30ー50回程度)と筆写(10回程度)としています。ほとんどの場合、比較的とっつきやすい日のレッスン内容から選び出します。

音読30ー50回は多そうですが、一つのスキットならば6分くらいでできてしまいます。なお前回は6月のスキットを、私の後について発音させたところ、たったの8分でした。ということは、読み方が分かって、一人で読めば4-6分で全部を読めてしまうと言うことです。時間はかからないということもEさんには確認していますが、本人も全く苦にならないようです。

実際、Eさんはある程度の英語力は確実についていいます。

では木村のNHK基礎英語1は良い番組なのか? うーん、これはちょっと困ったところですね。 ある程度以上優秀で、英語に興味があり、個別指導を受けられるならば、使えないことはないというところでしょうか。公立中学で英語が5を取れない子だとかにはちょっと無理な講座であることにはかわりありませんね。また、学校の勉強で大変な私立中堅校の生徒さんにも勧められません。木村講師は困った人だという見解には変わりありませんね。

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