林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

伊藤和夫と音読

2009年02月27日 | 英語学習
ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ)
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東大式個別ゼミ

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http://ja.wikipedia.org/wiki/英文解釈教室

伊藤和夫の『ビジュアル英文解釈』は、英語構文解釈の基本技術を解説した名著して知られている。私自身も高校3年生の春に伊藤和夫の『英文解釈教室』(ただし当時は1冊のみ)に出会ったときの大感激は、今なお鮮明な記憶として残っている。この参考書で英語を勉強すれば、どんな複雑な英文でも読解できるのだという気持ちになることができたからだ。しかし現段階で『ビジュアル英文解釈』を読んでみると、その複雑さな論理構築に戸惑い覚えてしまう。こんなにわずらわしい論理を駆使しなくても、普通の英文ならば簡単に読めてしまうだろうと感じるからだ。

さて、このテキストのPart I を用いて何人かの中高生に教えてみたところ、二つのタイプに分かれることが判明した。ひとつのタイプの生徒は、伊藤の解説なしに多くの構文をほぼ正確に読みとれる生徒である。もう他方のタイプは、伊藤の指摘する箇所を頻繁に間違えてしまう生徒である。つまり、伊藤のビジュアル英文解釈をまさに必要とする生徒と、それほど必要でもない生徒がいるのである。塾としては、後者の生徒に伊藤和夫の本をしっかりと学ばせ、英語構文を読み取ることができるようにしなければならないということになる。

写真はPart2の53ページだが、ここには英語を読めない生徒の気持ちがよく書かれてある。ここではI(伊藤)先生が、”A,B,and C M”となっているときに、Mはどこにかかるのか説明している。(青の囲み部分)。しかし高校生にとっては、I 先生の説明はまるで難解な数学の問題を解いているかのようである。(赤線アンダーライン部分)。

ある種の英文の流れを理解することは、初心者にとっては数式読解のように大変な作業である。他方、コツをつかんでしまった者にとっては、「ちょっと気をつける」だけで解読できてしまう。このギャップをどう埋めるのか。おそらくこの問題意識は、伊藤和夫が登場する以前には存在しなかった。例えば、松本亨の英語教育は素晴らしいかっただろうが、英文解釈の技術を教えるというよりはRead, read, and read!を訴え続けただけだった。単に英文の多読するだけでは、ある程度複雑な文章を読みこなすことはできないだろう。他方、伊藤は生徒が躓いている箇所に着目して法則化し、構造を読みとる方法論を提示したのである。だが、いつまでも複雑な数式を解読するように英文を読んでいるようでは、長文に取り組むことはできない。「記号解読」的姿勢は、いつかは乗り越えなければならないのだ。

「複雑な数式読解」を、「ちょっとした注意を払う読解」程度の姿勢にするための鍵は、やはり音読にあるのではないか。音読と言っても、単に英文を読むというのではなく、英語の構造を内面化するための、意識の高い音読である。そして、英文のリズム感と、様々な英単語・英熟語の性質をある程度まで体得てしまう。そうすれば、「伊藤和夫」という梯子を登り終わったことになり、梯子を投げ捨てることができるのではないか。つまり、伊藤和夫が苦労して説明した英文の諸性質を無意識のうちにできるようになる境地に至るのではないのか。

だが、こんなことを言うだけなら簡単で、本当の課題は生徒に実行させることだ。たとえば『ビジュアル英文解釈』というテキストのままでは、あまりにも使いにくい。伊藤の構築した論理についていくのも難しいし、そのあと音読するのにもCDの付録がないというのも苦しい。そして、何よりも難しいのは、英語と英語構文のロジックを内面化する音読作法の指導であろう。だが、それが個別指導塾の役割なのだ。

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