ニュースの疑問

日々のニュースの中で、疑問を感じたことを、分析して、裏側をえぐり、真実を探っていく。

和歌山ヒ素カレー事件は 冤罪か

2009年05月06日 | Weblog
(1)カレーに混入されたものと
  組成上の特徴が同じ亜ヒ酸が
  自宅などから発見された
(2)被告の髪からも高濃度の
  ヒ素が検出され、付着状況から
  亜ヒ酸を扱っていたと推認できる
(3)亜ヒ酸をひそかに混入する
  機会があったのは被告だけで、
  調理済みカレーの鍋のふたを
  開けるなど不審な挙動が
  目撃された
 
 動機も、直接的証拠もない事件での、有罪判決。

 冤罪という立場でディベートしてみる。

(1)の亜ヒ酸について。
 「最新の分析機器を使って導き出された結論。」というと、まったく疑いようのない事実に見えます。
 これは、カレーを分析して抽出した亜ヒ酸と、被告の自宅から押収した亜ヒ酸の成分が一致した、というだけです。他との比較は示されたのでしょうか。報道では省略されているが、法廷にはきちんと資料として提出してあるのでしょうか。
 そこのところがわからないので、公表されている事実だけをもとに論じてみましょう。

 * 近隣の住民宅は全て捜索したのか。したのなら、亜ヒ酸は出てこなかったのか。出てきたのなら、比較分析はしたのか。
 * 他の犯人が入手した亜ヒ酸を混入したとしたら、成分が同じ可能性はあるのか、ないのか。
  製造者が違うと、成分はどれくらいちがうのか。
  近隣に複数の入手先(販売店)はあるのか。
  それぞれが同一メーカーから仕入れている可能性は。

(2)については、殺虫剤など、合法的使用であるとか、可能性があるだけで、重要な証拠とはなりえない。

(3)この結論は、カレー鍋のそばで、一人になった時間があったのは、被告だけ、という理由です。
  亜ヒ酸をカレーに混入するのは、その方法だけでしょうか。
  カレー鍋の番をして、一人になる瞬間を待つ、という、確実性の低い方法。

  野菜、肉、カレールー、水、前もって仕込んでおく方法を使えば、確実。
  肉がいいと思う。薄切り肉を1kgパックづめしたものなど、外から見えないように、中に隠して入れておけばよい。
  カレールーも、一度溶かして、亜ヒ酸を混入してから、元通りの型に流し込んで固めればよい。
  水に溶かす。無味無臭の白色結晶。水もいいですね。
  つまり、自宅で仕込んでくれば、一人になる瞬間をねらって混入するという方法をとらなくてもいい。

 
 うーん、冤罪という立場でディベートすると、かなりうたがわしくなってきましたねえ。これは、有罪の立場でも、ディベートしてみないといけません。