ニュースの疑問

日々のニュースの中で、疑問を感じたことを、分析して、裏側をえぐり、真実を探っていく。

サラリーマンの実収入と生活保護費

2015年06月12日 | 生活保護
<生活保護者のほうが平均的サラリーマンより実収入が上?

週刊朝日


 ところで、4月13日の参議院決算委員会で国税庁に聞いたところ、

勤労者の平均年収は414万円だが、年収400万円の人の手取り額

(税金と社会保障費を引いた額)は、

配偶者と高校生の子供2人がいる家庭では、330万円だそうだ。

 次に厚労省に「配偶者と高校生の子供2人がいる50歳代の生活保護者への給付額」を聞いた。

東京都三鷹市では340万円だという。税金や社会保障費は払っていないだろうから、

勤労者の平均と同レベルの手取り額だ。さらには、弱者救済ということで、

生活保護家庭は医療費、介護費用、都営地下鉄、バスなどが無料だそうだ。

勤労者は当然これらのコストを自分で払う。

生活保護者のほうが平均的サラリーマンより実収入が多いことになる。

 健康を害して働けない人ならともかく、

働く能力があるのに職が見つからないという理由で

働かない人が平均的勤労者より手取り額が多いのは、明らかに間違いだ。

自衛隊の定員不足や介護要員の不足のニュースを聞くたびに疑問に思う。

これでは誰も働かなくなる。各役所が「弱者救済、格差是正」

を金科玉条にバラバラに優遇措置をつけるせいでは。


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生活保護費について こういった悪意のある記事が忘れた頃に出てきます。

これは週刊朝日の記事ですが 前半は 格差是正について書かれています。

後半になって 上記の部分が出てくるのですが

疑問な点がいくつかあります。

1 比較対象がずれている。

2 家族構成が平均像からずれている。

1 について サラリーマンの実収入については 全国平均の数字を出している。

それに対して 生活保護のほうは 東京都三鷹市を取り上げている。

生活保護費の金額は 住所地の所得水準に合わせて決定されますから

所得の高い地方では 高くなります。

それは 物価も連動しているので 

「健康で文化的な生活を維持する」ことができる金額だからです。

2 については 両親と高校生2人で構成される家族が保護を受けている数は 少ない。

サラリーマンで 両親と高校生2人で構成される家族は多い。

生活保護を受けている人は 高齢の一人世帯が最も多い。


私の知っている範囲では 

大工さんが世帯主で 配偶者と幼児2人の家族

世帯主の大工さんが結核で長期入院された場面です。

幼児2人を育てている途中で収入源を失った。

高校生2人ならば 配偶者がかわりに働くことができますが

幼児2人を抱えていては困難。

そこで生活保護を受けることになりました。

こういう実例はありますが

記事の中の家族構成で生活保護受給するというのは

どういう状況でしょうか。

両親が二人とも 病気にかかり長期入院, 交通事故, 

大企業だったら 休業補償 事故なら補償金

零細企業だったら なにも補償がないからありうるかなあ

100万という単位で受給者がいる中で きわめて少数な例にすぎない。

それを取り上げて こういう比較対象として論じるのは

悪意があるものとしか思えません。 

生活保護受給者5000人超に薬を「過剰処方」

2015年03月11日 | 生活保護



生活保護についてもいくつか書いていますが 

今日の記事にも なにかおかしいなと感じるところがあります。

以下の記事です。

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生活保護受給者5000人超に薬を「過剰処方」 それをネット転売する悪質事例も次々発覚

2015年3月10日(火)19時57分配信 J-CASTニュースより

病院をかけ持ちして、向精神薬を必要以上に処方されていた生活保護受給者が、厚労省の調査で2012年の1か月だけで5000人以上にも上っている。多くは、不安になってあちこちで薬をもらったケースだというが、こうした「過剰処方」が不正の温床になる恐れもあるようだ。

生活保護受給者は、医療費が公費で全額賄われ、薬は無料で手に入る。こうしたことから、過剰な診療や薬の服用が起きやすいと言われ、厚労省には、会計検査院からも対策を求められていた。

ブロカーや密売組織が暗躍するケースも

厚労省は、2012年11月の1か月だけで不適切な「重複処方」が全国で5177人もいたことをつかんでいたが、15年3月9日に開いた会議でその改善状況を明らかにした。

それによると、実際に重複処方された受給者は6825人おり、「不適切受診」のケースは、7割超にも上る計算になる。各自治体が改善指導をした結果、大半は必要な分だけの処方に改めたというが、14年3月末で976人が未だに「指導中」となっている。「重複処方」が多いのは、東京都609人、北海道408人、大阪府229人、福岡県199人などとなっている。

生活保護の不正受給は年々増え、厚労省の調べで、13年度は10年前の4倍にまで増えて過去最多の4万件超になった。向精神薬の重複処方を巡っても、受給者が不正に手に入れた薬が闇サイトなどで転売される事件が度々発覚している。

12年は、生活保護を悪用して睡眠薬を転売していた神戸市内の無職の女が薬事法違反の疑いで逮捕されている。この女は、5、6病院もかけ持ちし、確認できただけで、2年間で約400万円を荒稼ぎしていたという。

「貧困ビジネス」としては、生活保護者から薬を買い取るブロカーや密売組織が暗躍するケースもあった。

厚労省「根気よく指導するしかない」

2010年には、大阪市西成区のあいりん地区に住む生活保護受給者に病気を装って通院させ、薬を買い取ってネット上で転売していた男らのグループが神奈川県警に摘発されている。このグループは、3年間で2000万円も稼いでいたという。

薬代などの医療扶助は、生活保護費の半分を占めるほど膨らんでおり、特に、過剰処方は不正につながりかねない。こうしたことから、ネット上では、行政に対策を求める声が相次いでいる。「レセプト、カルテを各病院で共有すべし」「生活保護者らにも医療費の負担を」「プリペイドカードで一括管理しろ」といったものだ。

こうした声に対して、厚労省の保護課では、次のように説明する。

「診療情報の共有については、マイナンバー制度で議論が始まっています。おくすり手帳を有効に使うのも1つの手だと思います。医療費の一部自己負担については、受給者には支払える資力がないため、必要な受診が抑制され、かえって健康を害する恐れがあり、現在は検討していません」

厚労省では、大規模なネット販売事件を受けて、10年にも、今回のような重複処方の調査を行い、「不適切受診」がその7割の1797人いたことを発表している。今回は、その3倍の人数と増えていることについては、こう言う。

「受給者の方は、もともと精神疾患があり、薬がたくさんないと不安になって病院に駆け込む人がほとんどです。悪意があるわけではないケースですので、根気よく指導するしかないと考えています」

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生活保護に関する記事には なんらかの意図を持って書かれたものが多い。

しばらく前によく見かけたものは

「保護費より低い 低所得労働者」というものですね。

これは簡単な解決法があります。

保護費より低い人は 保護を受ければよい。

という簡単なことで 保護費より多い収入になります。

だからそういう記事は 無知か悪意で書かれたものでしょう。

今回取り上げた記事は 医療の問題です。

生活保護は福祉事務所の管轄です。

そこの職員で 被保護者と直接かかわる人は ケースワーカーと呼ばれる。

 ケースワーカーは担当する地域が区切られて

 それぞれの個人で その地区内の被保護者と接する。

 病気で医療を受けたいときは 事務所に行って

 担当のケースワーカーに申請する。

 ケースワーカーは必要と認めれば 医療券を発行する。

 医療券には 医療機関を指定してある。

 指定というのは 被保護者が希望した医療機関。

取り上げた記事に疑問を感じるのは 

このシステムで どうやって重複処方を受けられるのか というところです。

1枚の医療券ではひとつの医療機関しか受診できません。

考えられるとしたら

不眠症ではないのに 眠れなくて困っていると装って

睡眠薬の処方を受ける。

それを貯めておいて転売する。

ということですね。

貯めておくというのは このシステムでは重複処方できないから

毎月一度 同じことを繰り返して

売れるほどの量を貯める。という意味。

記事の中に出てくるような

2年間で400万円も荒稼ぎできるようなことは考えられません。


昔は睡眠薬を入手することが困難な時代がありました。

その時代に 健康な人が 不眠症を装い

健康保険で 1割負担 2割負担で入手して転売

ということはありましたね。

その場合は健康保険だから重複処方もやり放題。

これを混同して書いた記事みたい。


逆に 医療機関側から見て

生活保護の医療は ろくに診察 治療をやらなくても

点数は請求し放題 誰もチェックする人がいない。

(役人に言うとチェックはしっかりしてますと言うけど

身内でザルで検査してるだけ)

投薬も必要のないものをどっさり出したり

出さないものを出したふりをしたり


そっちのほうが 保護費の中で医療費がふくらんでくる原因です。

生活保護では 大量入手は困難です。


記事のタイトルに入っている「過剰処方」

過剰処方とは 医療の側を指す言葉ですよね。

ところが記事の中にいくと「重複処方」に変わっている。

保護費受給者が複数の医療機関から重複して処方を受けている

という ありえないことにすりかわっている。