登山小説にはまっている・・きっかけはテレビ番組(ブックレビュー)で作家の夢枕 獏さんと著名な登山家佐藤祐介さん・谷口ケイさんの(たぶん)対談の中で紹介された本; 神々の山嶺 上・下(著者夢枕 獏)に興味を持ったからである・・ヨーロッパのアルピニストの間でも大人気で数ヶ国語で翻訳され出版されいる小説である・・。
・・東京に出かけたついでに丸善に寄り、小説上・下の他にストーリーが漫画(5冊)にもなっていているので参考に一緒に購入した。 もう一つは朝日新聞の読書欄で紹介されていた本: 『単独行者 新・加藤文太郎伝』(著者 谷 甲州)である・・。
そんな時期にH20.10.24の朝日新聞の天声人語に目がとまった・・全く同感な読後感想であったのでご紹介します
・・かつて小紙に連載された井上靖の小説『氷壁』は、世に登山ブームを巻き起こした。読まれた方もおられようが、主人公の勤め先の上司が、なかなか味わい深い。穂高岳の氷壁をめざす部下を案じて言う
『登山家というものも、いい加減なところでやめないと、いつかは生命を棄てることになると思うんだ。危険な場所へ自分をさらすんだからね。確率の上から言ったって、そういうことになる』。時が流れて、今なら『危険な場所』の最たるものは8千メートルを越す山々だろう
酸素は平地の3分に1しかない 『死の地帯』と呼ばれ、自然が人間を拒否している場所だ。世界に8千メートル峰は14座あるが、すべて登った日本人はまだいない。10座目に挑んでいた名古屋の田部 治さん(49才)が先月、ヒマラヤで遭難した
登山に限らず、知名度と実力とがイコールでないことはままある。田辺さんは逆に、広く知られた人ではなかったが実力は指折りだった。世界的な難峰や難ルートにいくつも足跡を残してきた
謙虚な人柄でもあった。 6年前、やはり10座に、やはり49才で落命した群馬の名塚 秀二さんの『偲ぶ会』で会ったことがある。『登山には拍手も喝采もない。そこがいいんです』と言っていたのが印象深い。淡々とひたむきだったその姿が、大雪崩に消えた
14座の完登者は世界で20人余を数える。日本で12座の竹内 洋岳さん(39才)が最も近い。一流の登山家ほど『命知らず』の行動から遠いものだ。『氷壁』の上司の老婆心は胸に封じつつ、だれであれ無事の達成を祈る。
・・
・・東京に出かけたついでに丸善に寄り、小説上・下の他にストーリーが漫画(5冊)にもなっていているので参考に一緒に購入した。 もう一つは朝日新聞の読書欄で紹介されていた本: 『単独行者 新・加藤文太郎伝』(著者 谷 甲州)である・・。
そんな時期にH20.10.24の朝日新聞の天声人語に目がとまった・・全く同感な読後感想であったのでご紹介します
・・かつて小紙に連載された井上靖の小説『氷壁』は、世に登山ブームを巻き起こした。読まれた方もおられようが、主人公の勤め先の上司が、なかなか味わい深い。穂高岳の氷壁をめざす部下を案じて言う
『登山家というものも、いい加減なところでやめないと、いつかは生命を棄てることになると思うんだ。危険な場所へ自分をさらすんだからね。確率の上から言ったって、そういうことになる』。時が流れて、今なら『危険な場所』の最たるものは8千メートルを越す山々だろう
酸素は平地の3分に1しかない 『死の地帯』と呼ばれ、自然が人間を拒否している場所だ。世界に8千メートル峰は14座あるが、すべて登った日本人はまだいない。10座目に挑んでいた名古屋の田部 治さん(49才)が先月、ヒマラヤで遭難した
登山に限らず、知名度と実力とがイコールでないことはままある。田辺さんは逆に、広く知られた人ではなかったが実力は指折りだった。世界的な難峰や難ルートにいくつも足跡を残してきた
謙虚な人柄でもあった。 6年前、やはり10座に、やはり49才で落命した群馬の名塚 秀二さんの『偲ぶ会』で会ったことがある。『登山には拍手も喝采もない。そこがいいんです』と言っていたのが印象深い。淡々とひたむきだったその姿が、大雪崩に消えた
14座の完登者は世界で20人余を数える。日本で12座の竹内 洋岳さん(39才)が最も近い。一流の登山家ほど『命知らず』の行動から遠いものだ。『氷壁』の上司の老婆心は胸に封じつつ、だれであれ無事の達成を祈る。
・・