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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどをやっています

神田橋條治『発達障害をめぐって-発想の航跡・別巻』2018・岩崎学術出版社

2025年03月31日 | 精神科臨床に学ぶ

 2018年のブログです

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 精神科医で精神分析家の神田橋條治さんの『発達障害をめぐって-発想の航跡・別巻』(2018・岩崎学術出版社)を読みました。

 神田橋さんの名著『発想の航跡』の中から発達障害に関係する文章を選んだということですので、さっそく読んでみました。

 ちなみに、『発想の航跡』はとてもいい本なのですが、かなり高価で、貧乏なじーじはなかなか買えずに、たまたま家庭裁判所の図書室にあったのを借りて読んだり、コピーを取ったりしました(神田橋さん、ごめんなさい)。

 でも、本書は堂々と(?)購入しましたので、許してくださいね。

 神田橋さん流の発達障害観はどんなかな?と思って読みましたが、やはり神田橋さん(!)、発達障害は程度の差はあれ、みんなが発達障害、と言い切ります。

 そう言われてしまえば、差別も何もなく、あるのは区別だけで、教育や訓練の対象になります。

 治療者を含めて、丁寧な訓練や教育が必要になるということで、人ごとではなく、自分のこととして取り組みざるをえません。

 本書によれば、発達障害で最近、問題になっているのが、発達障害が基盤にあって、さまざまな理由から、うつ症状やパーソナリティ障害が出てきているケースだそうで、治療が難しいといいます。

 うつやパーソナリティと思って治療をしてもあまり良くならず、治療関係が悪化してしまい、よく検討をしてみると、発達の問題が絡んでいるという具合で、現場では苦労されているようです。

 そういった場合、ただ単にうつ症状だ、パーソナリティ障害だ、と言うだけでなく、もっと丁寧な診断で、今、この人に何をしたらいいのか、という診断をしていく必要があるし、それが大切だ、とおっしゃいます。

 神田橋さんの真骨頂です。

 さらに、本書の圧巻は、ケーススーパーヴィジョン。

 人と話すことができない、という主訴の女性で、神田橋さんの見立てでは、発達障害と愛着障害の人だそうです。

 丁寧なカウンセリングで少しずつ話せるようになりますが、その過程を神田橋さんが適切な質問で明確化をしていき、本当に感心させられます。

 本当にすごいなと思いますし、じーじも少しでもこんなふうになりたいなと思います。

 印象に残ったのは、カウンセリングで双方が退行をするためにはきちんとした枠を契約することが大切、というご指摘があって、本当にそうだなと思いました。

 他にも、クライエントさんにも考えてもらうこと、アイデアを出してもらうことの大切さやセルフモリタニング能力を高める工夫、クライエントさんのためになる心理検査の工夫、などなど、学ぶことが多くありました。

 さらに読み深めていきたい、いい本だな思います。               (2018. 12 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文  「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

 mail   yuwa0421family@gmail.com  

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伊岡瞬『いつか、虹の向こうへ』2005・角川書店-元刑事の中年男子と4人の同居人が織りなす少しだけ哀しい物語

2025年03月31日 | 小説を読む

 2021年2月のブログです

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 伊岡瞬さんの『いつか、虹の向こうへ』(2005・角川書店)を読みました。

 面白かったです。

 何日か前に、本書の感想文をあるかたのブログで読ませてもらって、面白かったので読みたくなり、たしかあったよな、と思いながら本棚を探してみたら、下のほうにひっそりとありました。

 2005年の本で、貧乏なじーじにはめずらしく単行本、ひょっとすると古本屋さんで購入したのかもしれません。

 なかみは当然(?)、すっかり忘れていて、「いつか、虹の向こうへ」という少し格好良すぎる題名で敬遠をしていたのかもしれません(伊岡さん、ごめんなさい)。

 しかーし、いい小説です。

 一日で一気に読んでしまいました。

 あらすじはあえて書きませんが、登場人物の5人がそれぞれ哀しい過去を抱えながらも、新しい出会いとある事件をきっかけに、少しだけ前を向いて生きることなります。

 人は生きているだけで、悪意はなくても他人を傷つけてしまうかもしれないということ、そういう哀しみをうまく描いています。

 そして、哀しいことに悪意のある者も少なくないことも描きます。

 そこで試されることは何なのか、考えさせられます。

 贖罪、赦し、…。

 重たい課題ですが、希望といえないまでも、前を向ける何かは感じられそうな気がします。

 そういうことを考えたり、思ったり、感じたりできる、いい小説だと思います。           (2021.2 記)

 

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久保俊治『羆撃ち』2012・小学館文庫-羆(くま)撃ちという生き方

2025年03月30日 | 北海道を読む

 2019年3月のブログです

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 久保俊治さんの『羆撃ち』(2012・小学館文庫)を再読しました。

 久保さんは、先日、ご紹介をした竹田津実さんの『獣医師の森への訪問者たち』(2018・集英社文庫)に出てきた猟師さんで、じーじはこのお二人が知り合いとは全く知らずに、お二人の本を別々に愛読してきており、本当にびっくりしました。

 竹田津さんの本を読んでいるうちに、この名作をもう一度味わってみたくなり、さっそく読んでみました。

 椎名誠さんが本書の帯に、その研ぎ澄まされた感性に羨望する、と書いておられますが、クマを追い詰め、クマと真剣勝負をする久保さんとクマとの死闘は本当にすごい!の一言につきます。

 命がけという言葉が大げさではない世界で、クマも久保さんも全力で闘います。

 その緊張感は、人間も動物の一員なんだなと思わせるものがあります。

 久保さんは途中からフチという名のアイヌ犬を育てて、狩猟の相棒とします。

 このフチと久保さんのやりとりがまたすばらしい世界です。

 詳しいことは書きませんが、両者の信頼関係の美しさには本当に羨望します。

 人間の世界でも、こんなに美しい関係はめったに見られないかもしれません。

 北海道の大地を舞台にしたすばらしい物語を味わうことができました。

 今年の夏は、この物語の舞台となった標津の森と山に行ってみたいなと思います。            (2019.3 記)

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じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングをワンコイン(30分・500円)でお試し体験をしてみます

2025年03月29日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリングなどと訪問カウンセリングを新潟市で時々やっています。また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。

 公園カウンセリングや原っぱカウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は,1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などの間隔で行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間・間隔は,公園カウンセリングなど同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回,50分,3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回,60分,6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています(すみません、年寄りなもので、夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらにご相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

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 駅の近くに部屋を借りるなどして,本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って,じーじは貧乏なので,近くの公園や原っぱ,広場,河川敷,海岸,里山などの自然の中やさらには,ご自宅や近くの児童公園,屋内施設,遊戯施設などでカウンセリングをしています。 

 子どもさんや赤ちゃんを遊ばせながら,ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー,というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?),尊敬すべき先輩たちのみなさんですから,できるだけご自分で解決しましょうね)。

 そういうことですので,お気軽にご利用ください。

 いわば,こころのストレッチ(!)をするような感じではないかな,と思ったりしています。 

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 通常は上記のようなカウンセリングをやっていますが,今回,お試し体験として、ワンコイン(30分・500円)カウンセリングをやってみようか,と思います。

 あまり深いカウンセリングはできそうもありませんが,軽めのカウンセリングというか心理相談は可能ではないかと考えています(時節柄,公園カウンセリングだけでなく,里山や海岸,河川敷,広場,遊園地,原っぱなどでのカウンセリングでも大丈夫ですよ!)。

 期間限定になりそうですが(なんせ年寄りで,体力に不安がありますので,無理ができません),よろしかったら,お試しください(もちろん,赤ちゃんや子どもさんが一緒でも大丈夫です)。

 お問い合わせ,ご予約は,メールで  yuwa0421family@gmail.com  までご連絡ください。

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

 mail    yuwa0421family@gmail.com  

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大平健『診療室にきた赤ずきん-物語療法の世界』1994・早川書房-童話と物語のちからに学ぶ

2025年03月29日 | 精神療法に学ぶ

 2019年のブログです

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 大平健さんの『診療室にきた赤ずきん-物語療法の世界』(1994・早川書房)を再読しました。

 この本も久しぶり、本棚の隅に隠れていたのを見つけてしまいました。 

 何種類かの付箋とアンダーラインがあって、少しだけ内容にも記憶がありましたが、今回もなぜか(?)新鮮な気持ちで読めました。

 今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、ねむり姫の童話。

 不登校になった真面目な女の子に、大平さんさんはねむり姫の童話をお話します。

 いろいろあって、女の子はしばらく休学し、その後、登校を再開します。

 大平さんは、親にできることの限界を指摘し、子どもは親から自立する時、外からやってくる他人の助けが必要になることを説明します。

 二つめは、三年ねたろうの童話。

 ひきこもりになってしまった青年に、大平さんは三年ねたろうの童話をお話します。

 人が新しい人生を生きるためには、時に内省の時期が必要と説明します。

 こんな調子で、いろいろな童話がお話しされます。

 加えて、大切だと思われたことは、患者さんが安心できる物語を提示することの大切さ。

 適切な物語を、少しのユーモアを交えて提示できる時に、患者さんは物語を納得して、新しい生きる力を獲得できるようです。

 そして、安心できる物語、それは患者さんだけでなく、周囲の者や治療者までにも力を与えてくれるようです。           (2019.5 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

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竹田津実『獣医師の森への訪問者たち』2018・集英社文庫-北海道を読む

2025年03月29日 | 北海道を読む

 2019年2月のブログです

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 竹田津実さんの『獣医師の森への訪問者たち』(2018・集英社文庫)を読みました。

 竹田津さんの本を読むのは久しぶり(竹田津さん、ごめんなさい)(なお、前に『北の大地から』などのブログを書いていますので、よかったら読んでみてください)。

 さて本書、すごく面白かったです(面白すぎて、つい笑ってしまうので、電車の中で読むのは要注意かもしれません)。

 竹田津さんが獣医師として北海道の小清水町に赴任してからの仲間や後輩たちとの活躍が描かれます。

 しかし、主役は北海道の野生の動物たち。

 キタキツネ、エゾリス(キタリス)、モモンガ、シマフクロウ、などなど。

 少し小さめですが(文庫本ですからね)、動物たちの写真もかわいいですし、竹田津家の子どもさんたちと動物の交流もかわいいです。

 小清水町は知床の入り口にある町で、じーじも毎年のように小清水町の道の駅を利用しますが、こんなに自然が豊かで、いろいろな動物たちがいるとは気づきませんでした、

 竹田津さんのお仲間の中には、動物たちと同じような存在になって、動物たちと普通におつきあいをしている人たちがいて、うらやましいなあ、と思いながら読ませてもらいました。

 そして、びっくりしたのは、猟師の久保俊治さん。

 竹田津さんはお仲間たちと映画『キタキツネ物語』を作り(竹田津さんは『キタキツネ物語』の作者なんです)、久保さんはそこに猟師役で出演されたそうですが、その久保さんが名作『羆撃ち』(2012・小学館文庫)を書いた久保俊治さんのことだとわかり、その偶然に本当にびっくりしました。

 また、久保さんの猟師の体験を聞いて、竹田津さんがステン・ベルクマンの『千島紀行』(先日、ブログで紹介しました)に出てくる沢口さんという猟師を思い出すところがあり、ここもびっくり。竹田津さんを本当に身近に感じてしまいました。

 今年の夏は、またまた小清水町にもお邪魔をして、じーじも少しでも動物たちを同じような存在になるべく、年老いたただのじーじの動物になることを(?)目指そうと思いました。           (2019.2 記)
 

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岩宮恵子『好きなのにはワケがある』筑摩書房・2013-「トトロ」と「安心感」について考察をしてみる

2025年03月28日 | 子どもの臨床に学ぶ

 2014年のブログです

     *

 最近,3歳になる孫娘が遊びに来ると,『トトロ』のCDを聴きながら『トトロ』の絵本を読んでいます。

 あらためて読んでみると,興味深い場面が数多くあって,楽しいですし,何か心が豊かになる感じがしていて,孫娘に感謝です。

 本書はじーじの大好きな(?)岩宮さんの宮崎アニメ論です。

 さすがに岩宮さんだけあって,いろいろと感心させられる視点でいっぱいです。

 特に,じーじは『トトロ論』が興味深かったです。

 しかし,他にもいろいろと,宮崎アニメについての新鮮な視点の提供があります。

 今後,さらに孫娘と一緒に宮崎アニメを楽しみながら,ゆっくりと味わいつつ,観ていきたいなと思いました。          (2014.10 記)

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 2023年12月の追記です

 今から9年前の文章です。

 上の孫娘が3歳の時で、下の孫娘はまだ生まれていませんでした。

 その後、下の孫娘が生まれて、『トトロ』のさつきとメイのような姉妹になり、じーじはあやしいトトロ(?)をめざしてきたような気がします。

 じーじはトトロのようなかわいい顔はしていませんが、大きなおなかはそっくりです(?)。

 ぬいぐるみのような大きなおなかは何か安心感をもたらすかもしれません。

 『トトロ』は、お母さんが病気になった時の不安感とそれを乗り越える物語かもしれません。

 親の不在と不安。

 子どもたちには大きな試練です。

 そんな不安な子どもたちに安心感をもたらすものをアニメがうまく表現してくれているようです。

 子どもたちにとって、いつまでも大切な存在として残るのではないでしょうか。            (2023.12 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

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樋口有介『11月そして12月』2009・中公文庫-カメラマン志望男子とマラソン女子との切ない恋愛物語です

2025年03月28日 | 小説を読む

 2023年3月のブログです

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 またまた有介ワールドに浸ってしまった。

 樋口有介『11月そして12月』(2009・中公文庫)。

 マラソン女子とカメラマン志望の主人公の切ない恋愛物語。

 青春だなー。

 しかし、有介さんはうまいな、と思う。

 文章も物語も…。

 七十近いじーじが読んでしまうのだから、すごい。

 じーじもこんな恋愛をしてみたかったなあ、と思ってしまう。

 「きみに会ってから、毎日練習をしていた」

 「大人になることを?」

 どう?この会話。すごいでしょう?

 二人の出会いからしてとても素敵だが、それは読んでのお楽しみ。

 物語は、不倫をしていた姉の自殺未遂や父親の浮気発覚などで、家庭内のごたごたに巻き込まれる主人公と、将来を嘱望されていたのに人間関係からマラソンをやめてしまった女の子とのさり気ない恋愛を描く。

 もっとも、有介ワールドだから、深刻なテーマのわりに、雰囲気は暗くなく、姉や父親の困ったちゃんぶりは面白いし、主人公と女の子のつきあいはまどろっこしくて、ういういしくて、楽しい。

 読んでいて楽しいし、読後感もすがすがしい。

 まさに有介ワールドだ。

 いい時間をすごせて幸せな1週間だった。           (2023.3 記)

 

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大平健『豊かさの精神病理』1990・岩波新書-豊かさややさしさの精神病理を考える

2025年03月27日 | 精神療法に学ぶ

 2019年のブログです

     *

 大平健さんの『豊かさの精神病理』(1990・岩波新書)を再読しました。

 大平さんの豊かさややさしさの精神病理を扱ったシリーズの最初の本で、久しぶりの再読です。

 1990年の本ですから、バブル崩壊前の日本人が成金で大騒ぎをしていた時代。

 精神科には時代を先取りしたファッションなどのモノ重視の新しいタイプの病いが出現していたようで、大平さんはそれらの人々の悩みに真摯に向き合っています。

 その面接の様子はまことに見事で、患者さんに丁寧に寄り添い、そして、彼らが自ら回答を見つけ出せるように細やかに援助をされます。

 その風景描写がまことにすごくて、その後、じーじは同じような報告書を書こうと四苦八苦した思い出があります。

 大平さんは彼らを、モノ語りの人々、と名づけています。

 ブランドもののファッション、グッズ、学校、ペット、などなどに熱中し、一見、悩みと無関係の顔をして生きています。

 しかし、そういう彼らが、何らかの変調をきたし、精神科に訪れます。

 大平さんの見立てでは、それらは、消毒済みの人づきあい、のためのものではないか、という仮説を立てておられます。

 生身の人づきあい、を避けた、新しい対人関係。まさに卓見です。

 時代はバブルを経て、一億総中流化、さらに、正規と非正規、貧困の常態化の時代となっています。

 しかし、大平さんの描く、モノ語りの人々、豊かさの(幻想にいる)精神病理の人々は今も同じようにいます。

 そして、さらには、それらの異常さを感じとって将来に漠然と不安を抱える人々も多くいます。

 人や社会を丁寧に視ることのできる精神科医の報告と提言は今もたいへん貴重です。

 さらに勉強をしていこうと思います。         (2019.6 記)

     *

 2023年5月の追記です

 豊かさの精神病理、と聞くと、じーじは例のマイナンバーカードの2万ポイント付与問題を思い出します。

 豊かさがこころの豊かさとはならずに、こころの貧しさ、卑しさに見えてしまいます。 

 実際に生活が苦しくなっている実態の反映でもあるのでしょうが…。          (2023.5 記)

     *

 同日の追記です

 中国でも事態は同じようです。

 生活水準は昔よりずいぶん向上しているようですが、コロナをめぐる混乱や自由を求める民衆と国家権力による弾圧などの問題を見ていると、豊かさがこころの豊かさになっていない様子がうかがえます。

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

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佐々木譲『ユニット』2005・文春文庫-DVと犯罪被害者遺族を描く

2025年03月27日 | 北海道を読む

 2021年3月のブログです

     *

 佐々木譲さんの『ユニット』(2005・文春文庫)を読みました。

 すごく久しぶり。

 本棚の発掘作業をしていて(?)、偶然、見つけました(佐々木さん、ごめんなさい)。

 緊張感のある小説で、ハラハラ、ドキドキ、しながら読みました。

 年寄りの心臓には少し悪い(?)小説です。

 テーマはDVと犯罪被害者遺族。

 舞台は北海道。

 あらすじはあえて書きませんが、DV被害者とDV加害者、それに、妻子を殺された遺族とその犯人らが織りなす人間模様を綿密に描きます。

 DVの怖さと異常さ、二面性が怖いくらいに描きこまれていますし、殺人事件の遺族のうらみと憎しみ、そして、それからの離脱も描かれます。

 読んでいると、人間が怖くなると同時に、少しだけ希望も持てるかもしれません。

 人間はとても弱い存在ですが、案外捨てたもんでもないな、と思えるかもしれません。

 いい小説に再会できたことに感謝をしたいと思います。           (2021.3 記)

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行者にんにく!を眺めながらの里山カウンセリングは、こころもにんにん元気になります

2025年03月26日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が里山カウンセリングや公園カウンセリング,原っぱカウンセリング,  海岸カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市で時々やっています。また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。

 里山カウンセリングや公園カウンセリング,原っぱカウンセリング,  海岸カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間・間隔は,里山カウンセリングや公園カウンセリングなどと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回,50分,3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回,60分,6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時に行なっています(すみません、年寄りなもので、夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 なお,里山カウンセリングや公園カウンセリングというと,面接構造があいまいな印象を受けられるかもしれませんが,面接室外で二人が横並びになって行なう面接を勧められている精神科医もおられ,有効な形の一つではないかと考えています。

 料金は低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらにご相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 駅の近くに部屋を借りるなどして,本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って、じーじは貧乏なので,近くの公園や原っぱ,  広場,河川敷,海岸,里山などの自然の中やさらには,ご自宅や近くの児童公園,屋内施設,遊戯施設などでカウンセリングをしています。 

 子どもさんや赤ちゃんを遊ばせながら,  ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー,  というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?),  尊敬すべき先輩たちのみなさんですから,  できるだけご自分で解決しましょうね)。

 そういうことですので,  お気軽にご利用ください。どちらかというと,こころのストレッチ(!)をするような感じではないかな,  と思ったりしています。

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 行者にんにく!を眺めながらの里山カウンセリングは、こころもにんにん元気になりますよ。

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事  心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所  新潟市西区

 mail   yuwa0421family@gmail.com  

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沖縄戦・捕虜・震えのとまらない少女-じーじのじいじ日記・セレクト

2025年03月26日 | じいじ日記を書く

 1945年(昭和20年)3月26日は沖縄戦が始まった日。

 沖縄の人たちは、本土の日本政府や軍部のせいで、地上戦に巻き込まれてしまった。

 そういうことが二度とないように、深く反省をし、反戦を誓うことが大切になると思う。

 2019年6月に書いた日記と2022年6月に書いた追記があるので、再録する。  (2025.3 記)

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 2019年6月の日記です

 夕方のニュースを見ていたら、沖縄戦で捕虜になって震えがとまらない映像の少女が生存していたというニュースがあって、びっくりするとともに感動をした。

 ニュースを見た後で、年齢的に考えてみれば生存をしていても不思議はないのだが、まさか、と本当にびっくりした。

 太平洋戦争の記録映像は結構たくさん見ていると思うが、じーじにとっては、沖縄戦で捕虜になって震えがとまらないでいる少女の映像は、まさに衝撃的で、どんな残酷な映像より、戦争の悲惨さを表現していると、前々から感じていた。

 それだけに、その当事者が生存していたというニュースは驚きとともに、少しだけはこころの慰めになった。

 戦後、おそらくはすごく怖い記憶と闘いながら、たいへんな苦労をされたのではないかと思うと、本当に頭が下がるし、今後は同じ経験を未来の子供たちにさせては絶対にならないと思う。

 国民は戦争から守らなければならないが、いったん戦争になると、基地が狙われ、最悪、占領される。

 国民を守るべき基地が攻撃の対象となり、付近に住む国民は殺され、捕虜になる。

 こういう体験があるからこそ、沖縄の人たちは基地に反対するのだと思う。

 捕虜になったことのない本土の政治家が軽々しく発言をすることは、沖縄の人たちによりそっているとは決して言えないだろう。

 時あたかも選挙の時期、戦争と基地と政治を政治家と国民はこころして考える必要がありそうだ。          (2019.6 記)

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 2022年6月の追記です

 3年前の日記。今、読んでもまったく古びていない内容ではないかな、と思う(えっへん!)。

 それどころか、ロシアのウクライナ侵略で、世の中はますます生きにくい感じになってきているように思われる。

 日本でも軍備力増強の話が出る。

 しかし、軍備が侵略を誘発するおそれも強い。

 軍備より、何が大切なのか、みんなでじっくりと考えていく必要があると思う。          (2022.6 記)

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大平健『純愛時代』2000・岩波新書-ていねいな精神科医の面接風景に学ぶ

2025年03月25日 | 精神療法に学ぶ

 たぶん2014年ころのブログです

     *  

 大平健さんの『純愛時代』(2000・岩波新書)を再読しました。

 『豊かさの精神病理』(1990)、『やさしさの精神病理』(1995)に続く、大平さんによる岩波新書の精神医学三部作の一冊。

 大平さんはあの有名な土居健郎さんのお弟子さんの精神科医ですが、その面接風景は確かです。

 本書は岩波新書らしからぬ(?)、くだけておしゃれな(?)題名ですが、内容はしっかりしていて、読みごたえがあります。

 どの章も、大平さんの、おそらくはふだんどおりの、ていねいな精神科臨床の面接風景を描写されているのだろうと思います。

 今回、じーじが特に印象に残ったのが、第3章の「マーガレットのある部屋」という文章。

 映画のクレーマークレーマーそっくりのストーリーで、奥さんに逃げられただんなさんと子どもの奮闘記です。

 そこに若い保母さんの少しだけ職業を超えた愛情がからみ、事態が複雑になります。

 だんなさんのがんばりの甲斐もなく、離婚裁判で子どもは奥さんに奪われ、だんなさんは疲れ果てて、発病します。

 保母さんに精神科病院に連れてこられただんなさんが、大平さんとの面接の中で少しずつ状況や事態を理解していきます。

 その過程はとてもていねいで、精神医学的にも適切なようです。

 やがて、だんなさんは自ら、もとの奥さんへの「未練」や「うらみ」や「意地」に気づきます。

 さらには、保母さんとの愛情にもきちんと向き合えるようになって、自分らしく出発するところで話は終わります。

 人が人との関わりあいの中で、自分らしさを取り戻していくという過程がていねいに描かれていて、感動的です。

 他にも、「透明な膜に包まれて」とか、「ろ過された想い」「天使の仕業」などなど、興味深いお話が満載です。

 大平さんの症例報告は本当にドラマのようですごいです。

 じーじも少しでも見習えるよう、これからもていねいな面接をしていきたいと思います。            (2014?記)

     *

 2020年11月の追記です

 未練、うらみ、意地、といえば、じーじが裁判所に入って調査官補の時に指導官だった山野保さんの研究テーマでした。

 部屋の先輩たちと熱く議論をしていた山野さんを思い出します。

 その成果は、『「うらみ」の心理』や『「未練」の心理』、『「意地」の構造』、さらには、中井久夫さんらとの共著である『「意地」の心理』(いずれも創元社)などといった本になっています。

 じーじも、もっともっと勉強しなければなりません。           (2020. 11 記)

     *

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

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藤原伊織『ひまわりの祝祭』1997・講談社-ゴッホの「ひまわり」をめぐる哀しくも強い物語

2025年03月25日 | 小説を読む

 2021年3月のブログです

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 藤原伊織さんの『ひまわりの祝祭』(1997・講談社)を久しぶりに読みました。

 おそらく20何年ぶり(藤原さん、ごめんなさい)。

 本棚の横に積み上げてあった本の山の中から発掘(?)しました。

 これがいい小説。

 おとなの哀しみを描きながら、生きることの多少のよさも描いていて、読んでいて心地よいです。

 例によって、あらすじはあえて書きませんが、ゴッホの「ひまわり」という絵をめぐる物語。

 じーじでも、ドキドキ、ハラハラする展開です。

 登場人物がまたなかなか魅力的。

 主人公だけでなく、周囲の人たちも魅力的です。

 そういえば、『海辺のカフカ』のホシノくんのような登場人物も出てきます。

 少しのユーモアと遊びごごろが、物語の哀しみを救っています。

 おとなの小説でしょうね。

 いい小説を再読できて幸せです。          (2021.3 )

 

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大平健『やさしさの精神病理』1995・岩波新書-ていねいな精神科臨床の面接風景に学ぶ

2025年03月24日 | 精神療法に学ぶ

 たぶん2014年ころのブログです

     *  

 久しぶりに精神科医の大平健さんの『やさしさの精神病理』(1995・岩波新書)を読んでみました(岩波新書ですよ!)。

 たぶん10何年ぶりです(大平さん、ごめんなさい)。

 40歳を過ぎたころ、なんとなく臨床に行き詰った感じで悩んでいて、家族療法学会などに入って勉強を始めたりしていたのですが、そんな時に大平さんの『豊かさの精神病理』(1990・岩波新書)を読んで、その症例の書き方に感心をしました。

 先輩から、報告書の事例は、ドラマを見ているように書きなさい、と言われていたのですが、それを実践している例をそこに見つけてびっくりしました。

 本書はその姉妹編ですが、やはり症例の紹介の仕方が秀逸です。

 もちろん、面接がうまくできていないと、わかりやすい報告はできないのですが、それにしてもうまいです。

 目の前で大平さんと患者さんのやり取りが展開しているかのような感じです。

 面接もお上手ですし、その描写もお見事です。

 以来、じーじも、少しでも大平さんのような文章を書きたいと努力してきました。

 ちょうどその頃、家族療法学会で、面接の逐語録をていねいに検討する研究が流行っていたこともあって、丁寧な事例報告を書くことに熱中して頑張った記憶があります。

 あまりに細かい報告書を書いて裁判官に嫌がられたこともありました(裁判官さん、ごめんなさい)。

 しかし、そのおかげで(?)、少しはましな臨床家になってきたのかもしれません。

 若気の至りでしたが、多少の回り道は人生の常です。

 いずれにせよ、なつかしい、いい本を、久しぶりに読めました。           (2014?)

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 2020年11月の追記です

 まだ調査官をやっている時に書いたブログで、報告書のことが話題になっています。

 その後、臨床心理士になって、より面接が重要になっていて、いま、ここで、の双方の感情の動きを大切にしているような気がします。              (2020. 11 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。

 1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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