2015年5月のブログです
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今日は「母の日」。
「母の日」といえば「母親」や「母性」を連想しますね。
ただし,「母性」は「=母親」というわけではありません。
家庭裁判所の実務でも,子どもの監護に関しては,「母親優先」の原則ではなくて,「母性優先」の原則といわれています。
子どもに大切なのは「母性」であって,「母性」は母親のみでなく,父親でも祖父母でも,あるいは第三者であっても,「母性的」な人間であれば誰でも実現可能と考えられています。
また,小児科医で精神分析家のウィニコットさんは,「母性」の体現者について,「完璧な」母親ではなく,「ほどよい」母親が大切,と述べました。
そして,「ほどよい」ことが子どもの創造性や遊びに重要なことを述べています。
さらに,精神分析では,「母親」の乳房の身近さ,柔らか,温かさ,優しさ,美しさなどが重要視されていると思います。
柔らかさや温かさや優しさを実現する象徴としての「母親」や「母性」が大切だと考えられているようです。
そして,エディプス期には「父親」「父性」が登場します。
そのバランスが大切なようです。
子どもと父母の関係について,あまり上手な説明ができませんが,もっとうまくお話ができるようにさらに勉強をしていきたいと思います。 (2015.5 記)
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2025年5月の追記です
「ほどよい」母親、ということの大切さを考えます。
母親だけでなく、父親、祖父母、教師、治療者、カウンセラー、などなど。
「完璧」はかえって有害、いうか、危険です。
「完璧」のもとでは、子どもに自由、試行錯誤、創造が育ちません。
養育者の「失敗」と子どもの「怒り」「攻撃」「償い」が大事、とウィニコットさんはいいます。
おとなの「失敗」と子どもの「怒り」と「償い」はおとなになるための大切なことがらのようです。 (2025.5記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。
1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間近に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com