あるかたのブログを読んでいたら、まねきネコのお話が出てきました。
まねきネコ、といえば、じーじのブログにもありましたので、再録します。
2018年ころのブログです。
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以前、家庭裁判所で離婚調停に立ち会っていた時のこと。
調停委員さんからたまに、調査官が立ち会ってくれると話し合いがまとまることが多い、と言ってもらうことがありました。
もちろん、お世辞が大部分だったとは思うのですが、たまにはそういうこともあったのかもしれません。
優秀な調査官が立ち会えば、適切なアドバイスをして、話し合いをうまく進めることも可能だと思います。
しかし、じーじのような落ちこぼれの調査官の場合は、特に有効なアドバイスもできずに、ただ茫然と立ち会っていたような気がします。
もっともそんなじーじでもできていたことが一つだけありました。
それは、お父さんやお母さんがいい発言をした時には大きく頷き、あまりいい発言でない時には動かないでいる、ということでした。
凡庸なじーじにできることはそれくらいのことで、ほとんど黙って立ち会っていることが多かったように思いますが、それでもそれなりに影響を与えていたのかもしれません。
じーじはそういう関与の仕方を「まねきネコ」としての調査官、と自称していました(じーじの顔はあんなに可愛くはないのですが…。それでもたまに手を顔のそばに近づけて、こっそりとまねきネコのまねをしてみたりしていました)。
いま振り返ってみると、アドバイスなどはしなくとも、ただニコニコとして、そこに存在をしていることこそが大切ではなかったかと思うのです(もっとも、深刻なお話の時に、なんで笑っているんだと怒られたこともありましたが…)。
そしてこのことは臨床家全般にも通じそうな気がします。
どんなに厳しく、困難な状況であっても、臨床家が多少は困っても、しかし、あまり動じずに、自然体で泰然として存在すること、このことがどれだけ多くの言葉よりもクライエントさんには重要なことではないかと今は考えています。
拙い文章を書いてしまいましたが、今後もさらに思索を深めていきたいなと思います。 (2018?記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴
1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。
1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。
1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com