最近、ギャラリーへ出向くことが多くなりましたが、今日もそうです。自分の中で何だか現代アートの捉え方が変わってきたのでしょうか?! いろいろな作家の作品を身近に見ることが出来るギャラリーは面白いですね。(写真はナディフの右隣に建つ古いアパート。ナディフの新しい建物より、より大きな存在感を放っていました。自分もかなり惹かれました。)
「ゼロの庭」The Story Box 於: MA2 Gallery
解放感のあるギャラリーで行われている世代の違う5人の作家の作品展です。全体に涼しげで柔らかく、静かな雰囲気がありました。中でも自分の興味を惹いたのは、先ず松原健氏のガラスを使用したオブジェ、実験器具の試験管やフラスコを思わせる作品の中には水、アルコール、水銀が閉じこめられています。作品が破損されなければ永遠に閉じこめられた物質、それは美しくも儚い人の意識の様に思えました。そして、勝本みつる氏のフェイク・ファーや布、カンヴァスなどのテクスチャーを重ねて作られた作品はパッと見にはメルヘンティックで暖かさを感じつつ、何処か空虚なイメージもあります。不思議な感じを覚えました。あと、
6/20にトーキョーワンダーサイト本郷でも見た安田悠氏の新作は人物が描かれていた以前のものと違いドロドロとした感じがありながら、何故かスッキリとした感じを受けました。良い意味で力が抜けている様に思えました。静かでありながら、薄くワクワクする感覚のある良い内容の展示でしたね。
↓ MA2 Gallery ↓
http://www.ma2gallery.com/
昭和40年会の東京案内2008 於: NADiFF apart表参道から恵比寿に移り、新規開店したナディッフを訪れました。ここのギャラリー・スペースで行われているのは昭和40年生れの現代アート作家6人のアーティスト・グループ「昭和40年会」による東京案内本の出版記念展示です。「昭和40年会」は松蔭浩之氏、会田誠氏、有馬純寿氏、大岩オスカール氏、小沢剛氏、パルコキノシタ氏で今をトキメク、現代アート作家の面々。で、展示の方は、まぁ、本の宣伝企画ですから....、ど~もね。本の内容にはちょっと期待しましたが、こちらも、ん~っ....!? でした。
↓ NADiFF apart ↓
http://www.nadiff.com
[ミクロマクロモノクロームカラー] 秋山幸 / [ghostwork] 内海陽介 於: magical ARTROOM
ナディッフ3階のギャラリーです。こっちの展示はなかなか、秋山幸女史と内海陽介氏、ふたりの若手作家の作品展でした。どちらも、今っぽいペインティング作品、秋山幸女史の動物をモチーフとした幻想的でモノクロームではない?! カラフルな画面はとても楽しい雰囲気があります。方や内海陽介氏の作品は横尾忠則氏の画風を連想させる幻想・冒険が込められたかの様な細緻に描かれた絵画。内海氏の作品も好感が持てました。やはり、どちらの現代アートにも力を感じます。
↓ magical ARTROOM ↓
http://www.magical-artroom.com/
TWS-EMERGING 104 吉田真由子「鬼し」 105 江幡京子「ジャムの瓶詰め小屋」106 渋谷奈緒「passage」 於: トーキョーワンダーサイト本郷
かなり、この若手作家紹介のシリーズ展示は楽しみになっています。先ず、吉田真由子女史の作品、木製のテーブルの上に灰が盛られたスプーンと点字 (たぶん) が打たれたトレッシング・ペーパーが並べられています。それぞれに灰の量と積まれた用紙の枚数が違っており、自分はそれがそれぞれの席に着くこととなる人の生命を表している様に感じました。とてもシリアスな雰囲気のある作品でしたね。江幡京子女史による高齢者の方々が住む部屋を撮影した写真作品も、とても興味深いものでした。そこに並んだ作品には、まさに日常、生きている様の常「生活」が写し出されていると思います。普段・通常を撮った写真だからこそ、興味深いのではないでしょうか? 人のナマの姿です。渋谷奈緒女史の作品はイルな感じもする繊細な線画の数々。「passage - 狭い通路」と題された作品を見ていると、その通路から抜け出すことの出来ない痛々しい感じを受けました。人それぞれの感性は不思議なものです。
↓ トーキョーワンダーサイト ↓
http://www.tokyo-ws.org/index.html