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ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年十月九日]

2008年10月09日 | fine arts
あたたかい陽気の秋の一日でした。いろいろと用事がある中、今日は時間配分が上手くいって原チャリを飛ばし、彼方此方と見て廻ることが出来ました。

アールデコの館 - 庭園美術館建物公開 於: 東京都庭園美術館
幾度となく訪れている東京都庭園美術館ですが、今回は展覧会ではなく、当美術館の建物、1933 (昭和8) 年に建てられた旧朝香宮邸自体を観ると言う特別展です。普段は展示品に隠れている部分や公開されていないスペースや茶室などをを見ることの出来る、とても有意義な機会でした。ちなみにこの会期中は写真撮影も可能です、アール・デコ様式を設計の隅々まで取り入れた建物、その美しい造形には本当に魅了されますね。そして何処にも妥協のない凝った意匠には驚かされます。百聞は一見に如かず、この催しは10/13 (月・祝) まで行われていますので、是非、皆さんも東京都庭園美術館へ足を運んでみてはどうでしょうか? お隣りの自然教育園にも寄って秋空の許、自然の中を散策するのも良いかと思いますよ。(写真は1階大広間横、香水塔のある次室の床タイル。美しいデコ模様です。)

↓ 東京都庭園美術館 ↓
http://www.teien-art-museum.ne.jp/index.html

正木美術館 開館四十周年記念展 禅・茶・花 於: 東京美術倶楽部
戦後の名だたる蒐集家、正木孝之氏が昭和43年、大阪に開設した正木美術館が収蔵するコレクションの展示です。展示のサブ・タイトルに乗っ取った渋い銘品の数々が並んでいました。主に水墨画、墨蹟、茶器などの展示、一点、一点がどう、と言うことではなく、全てが趣のある作品で正木孝之氏のこだわりが伝わって来る様な素晴らしい品々、氏の造詣の深さが分かります。侘寂をふんだんに感じることの出来る展示でしたね。

↓ 東京美術倶楽部 ↓
http://www.toobi.co.jp/

鴉 深瀬雅久 於: RAT HOLE GALLERY
現在、不慮の事故により活動を休止している伝説的な写真家、 深瀬雅久氏が1960年代に撮ったシリーズ作品「鴉」の展示です。展示全体を通して、とにかく鬼気迫るもの、そして気迫が感じられました。シリーズ・タイトル通り、カラスを主に被写体として収めた作品、モノクロの画面に爛々と光るカラスの目、そして漆黒の翼、鋭い足爪、凄まじい存在感です。見ていてゾクッとするキラーで凄ぇ、写真展でした。

↓ RAT HOLE GALLERY ↓
http://www.ratholegallery.com/

正面玄関 平川典俊 於: NANZUKA UNDERGROUND
コンセプチュアルでシリアスな写真を撮り続け、国際的に活躍している平川典俊氏の個展です。下記サイトの展示に関するプレス・リリースを読んで頂けたら分かると思いますが、親と娘の両方をそれぞれに写しセットにして並べ「親の知らない娘の姿と、娘の現実を認知する親の姿」を表しているとのことです。下着の中に手を入れ横たわる娘、彼氏とともに写る娘、そして外見からは何も判断することの出来ない凡庸な親の姿、現代社会の一面を表していると思いますね。平川典俊氏のシニカルな視点、面白いと感じました。そして、縦位置に撮った写真を横位置にして3枚ないし、2枚を縦に配置する (分かり辛いですが?!) 作品の展示方法にも興味をそそられました。

↓ NANZUKA UNDERGROUND ↓
http://www.nug.jp/