臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

「歌会始の儀(平成二十九年)の召人・選者の詠進歌」に就いて

2017年01月18日 | ビーズのつぶやき
召人
 久保田淳さん
 葦茂る野に咲きのぼる沢桔梗冴えたる碧に今年も逢へり

 本年、めでたく召人に選ばれた久保田淳さんは、中世文学研究・和歌史研究に永年に亙って勤しみ、平成25年度文化功労者として顕彰された国文学者である。
 作中の「沢桔梗(サワギキョウ)」は、「キキョウ科ミゾカクシ属の多年草であり、濃紫色の花が美しい山野草であるが、有毒植物としても知られる。」


選者
 篠弘さん
 書くためにすべての資料揃ふるが慣ひとなりしきまじめ野郎

 三枝昂之(さいぐさたかゆき)さん
 さざなみの関東平野よみがへり水張田(みはりだ)を風わたりゆくなり

 永田和宏さん
 野に折りて挿されし花よ吾亦紅(われもこう)あの頃われの待たれてありき

 今野寿美さん
 月夜野(つきよの)の工房に立ちひとの吹くびーどろはいま炎(ひ)にほかならず

 内藤明さん
 放たれて朝(あした)遥けき野を駆けるふるさと持たぬわが内の馬



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