椿-マドノツキ(窓の月)はカモホンナミ(加茂本阿弥)
とも呼ばれていますが…
「加茂本阿弥が 濃緑色で淡黄色の斑が入る葉を
持つことがあるのに 窓の月は斑入り葉が無いので別種とする」と言う説もあります。
いずれにしても 白色一重咲きの椿で 関西では古くから
茶花として愛好された品種だそうです。
プックリまあるい蕾と美しい葉の対照が 数ある椿の中でも筆頭とされるものなのだそうです。
一重の中~大輪で太い筒しべ 花径が7㎝~8㎝もあります。
かかえ咲き~椀咲きで 蕾の先からオシベが
現れるのが特徴で 私たちは「舌出し」と呼んでいます。
去る3月26日に思いがけず積もった春の雪は
グチョグチョで重そうですが ↑ 直ぐに溶けて無くなりました
二日後の今日は 春の暖かさでアチコチで椿が咲き競ってきました。
タロウアン(太郎庵)
ピンクの一重の筒咲き中輪で 犬山の常満寺が源のようです
名古屋の熱田神宮から分けられた藪椿の一変種で
江戸中期 高田太郎庵と言う茶人に好まれこの名前になったようです。
開花の時期が長く11月末~3月と言われますが
我が家では 昨年暮れからポツリポツリと咲き始めても
雪や風でロクに撮る対象にならず この頃ようやく
盛んに咲き始めて 少しはマシな花が咲いてきました。
熱田神宮別宮境内にある樹齢300年を超える見事な太郎庵を
一度は観てみたいものです。
この椿も茶席に好んで用いられる様です。
我が家の椿で 一番大輪なのはスルスミ(摺墨)
早咲きでは無いので 咲くのを待ちかねていましたが
折角咲いても 蕾の内から風雨でか花びらが傷んでいて…
白色一重の 大盃状咲きで輪芯の極大輪なので
形から もしや肥後椿ではないか?と調べてみましたが
肥後椿協会の認定品種は 118種もあるそうなので
確かめるコトも難しそう…と諦めていましたら
スルスミ(摺墨)は
1800年代に 愛知県千代田村で作出されたと
言われているコトが判りました。
カガハッサク(加賀八朔)
コチラも窓の月同様
白 一重 椀咲き 筒しべ 中輪ですが
金沢市内に古木が多く 我が家のカガハッサクも
頂いた枝を挿し木したモノが もう20年以上経っていて
伐っても伐っても大木になっています。
八朔(旧暦の八月一日)の頃から咲くと言う程の
早咲きの品種ですが そこまで早くはアリマセンが
早く咲きだしても長い間咲き続けてお得な椿デス(笑)
写真ですと窓の月と見分けがたいですが
葉が窓の月より濃い色で肉厚シッカリして 枝もこの方が硬そうです。
ヤブツバキ(藪椿)の赤い花も
椿はわが国の固有種で 語源はツヤバキ(艶葉木)が転じたものとか
コレは 花びらは平開しないのが特徴で
別名は山椿とも呼ばれるそうです
園芸品種には沢山の椿があって それはそれで
それぞれに 大変魅力がありますが
私には藪椿が「一番椿らしい花だなぁ」と思えるのは
自然なままが 好みなのかも知れません