珈琲もう一杯

3月6日、2010年Jリーグ開幕

06.JFL後期10節熊本‐栃木

2006-10-24 01:31:36 | サッカー
2つ下のエントリーで記した熊本行き。こちらのサイトを運営されているfuyu-tさん&kei-tさんとも
無事合流でき、お蔭様で実に楽しい時間を過ごすことができました。まずは試合の感想を記します。

J2入りを大目標とする熊本にとって、残り8試合となった第10節。残り試合の中でも有数の
厳しい相手であろう栃木との対戦ということで、熊本しても気合の入るところ。一方の栃木も、
これから長く対戦するであろう熊本に初年度の対戦で連敗はできないという気持ちで臨んでくる
でしょう。栃木からもおおよそ20-30人ものサポーターが熊本を訪れるなど、とても「3部リーグ」の
試合とは思えない臨戦態勢を見せていました。

21日・土曜日の熊本はとても10月下旬に差し掛かる時期とは思えない暑さでした。ピッチ上の
体感気温は27-8度ぐらいに達していたのではないでしょうか。この暑さが両チームをナーバスに
させたのか、前半はお互いにやや力をセーブしていると感じるところがありました。

熊本は広島や千葉で実績を残した高橋と、福岡で大きな期待を受ける福嶋の2トップで臨みましたが、
栃木は天皇杯東京V戦で決勝ゴールを決めた吉田を欠く苦しい布陣。アウェーでもあり栃木は
ある程度守勢に回ることは折込み済みだったでしょうが、逆にその分ディフェンスを
きちんと行おうという意識付けが高まったのか、厳しいチェックで熊本を自由にさせない。
一方攻撃では、熊本DF陣のウラを狙う姿勢を常に見せており、熊本に後方のケアの必要性を
感じさせていたでしょう。前半は0-0で終えますが、栃木の守備意識の高さに熊本が攻めあぐねて
いるという印象を僕は受けました。これは栃木の狙い通りといっていい内容でしょう。

熊本はこの試合4バックで臨みましたが、fuyu-tさんによると、通常時は3バックとのこと。
これはセレッソから移籍した福王が欠場しているための苦肉の策的なもののようですが、
普段と違うスタイルはやはり厳しいか。また福王から出る正確なロングフィードがないことは、
熊本の攻撃全体にも微妙な影響を与えていたのかもしれません。さらにフィードといえば、
GK飯倉からのフィードがキックオフからしばらくは全て福嶋にあわされ、福嶋も大半を
競り勝っていたのに、前半半ばあたりからほとんど福嶋にあわせなくなっていたのは
気になりました。高橋も174cmながら、ポジショニングのうまさや独特の感覚で空中戦の多くを
勝っており、熊本として決して空中戦が悪かったわけではないものの、攻撃の意思統一という点では
福嶋に当ててそのこぼれを拾い攻撃を組み立てていくというものではないのかな、という気がして。
これは僕の勝手な憶測に過ぎませんけれど。

後半も栃木の厳しいチェックの前に、熊本が有効な攻撃を組み立てられない状況は変わらず。
僕はガムシャラに走り回るような選手がいれば、違った局面を生み出せるだろうが…という
気持ちで見ておりました。ただそれを求めるには、ちょっとキツイコンディションではありましたが。

一方栃木も攻撃に関しては特別に有効な手段を取れてはいなかったですが、ウラを狙う姿勢は
見せ続けていました。今から思えば、これは栃木が90分を見越しての試合運びを意識した策
だったのかもしれません。70分前後あたりから、栃木は突如としてドリブルで持ち上がる姿勢を
見せ始め、熊本はそれにちょっと戸惑った感がありました。そして77分、空いた中盤のスペースを
やはりドリブルで持ち上がった栃木の選手がシュート、熊本GK飯倉が一旦は弾いたものの、
そのこぼれを32番・久保田が押し込み栃木先制。

その後熊本はDF朝比奈をトップに上げるなど、なんとかしてゴールをという姿勢は窺えたものの、
結局栃木を攻めきれず0-1のまま試合終了。熊本にとって痛い敗戦となったのでした。
90分通して栃木のDFへの高い意識がおろそかになることはなく、常に熊本の選手にプレッシャーを
与え続けていました。また攻撃にしても前記したように熊本DFのウラを狙い続け、熊本の選手に
後方への注意を強く持たせておいて、今度は空いたスペースにドリブルで仕掛けていくといった
策を取るなど、したたかなゲーム運びを進めていたという印象。さらにいえば、サポーターも
したたかさを見せましたね。

栃木サポーターはもともとJFLでもトップクラスの熱さを持ちますが、この試合では実に効果的な
サポートを送っていました。ここという時に集中して声を出す姿勢を感じましたし、
それが顕著に表れたのが試合終了直前のサポートスタイル。熊本ゴール前コーナー沿いで
栃木の選手がボールキープに入ったところ、すかさずサポートの声をあげ選手を後押しする。
また熊本に対して焦りを呼ぶような声を出し、熊本の選手を苛立たせる。わざわざ熊本まで遠征する
ようなサポーターですから戦闘能力は高いわけで、彼らにしてみればこれぐらいのことは
朝飯前でしかないでしょうが、彼らの経験は伊達じゃないと思いましたね。

熊本はこの敗戦で4位に後退、痛い黒星を喫したのは事実でしょう。ただ、残り7試合あるのです。
栃木とここで当たったのはむしろ良かったと考えたい。J2昇格をかけた熊本の戦いはおそらく
最終戦までもつれ込むと思いますが、そこで栃木と当たったらこれは厳しい。そう思うと、
栃木との厳しい戦いを経て、改めてネジを巻き直した上で残り7試合に臨める日程は
プラスだと捉えたい。またより高い位置を目指すべき熊本としては、これをプラスにしてほしい。

非常に長文になってしまいましたが、ご容赦を。またfuyu-tさん&kei-tさんに改めて
感謝いたします。ありがとうございました。
コメント (2)
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