珈琲もう一杯

3月6日、2010年Jリーグ開幕

06.天皇杯3回戦東京V‐栃木SC

2006-10-09 03:33:47 | サッカー
8日・日曜は味スタにて天皇杯を観戦してまいりました。対戦カードは東京V-栃木SC。
栃木はJ入りも視野に入れるチーム。僕も今シーズン1度観戦に出かけましたが、サポーターの
熱さが印象に残るチーム。また地域のスポンサーを細かに開拓しているようで、先行きに期待したい
クラブ。ただ現時点でのチームとしての総合力は、もちろん東京Vが上回っているのですが。

しかしながら、一発勝負の天皇杯は何が起こるか分からない。また上のカテゴリーのクラブが
格下のクラブと試合するのは凄く難しい。勝って当然と見られるうえ、勝ったところで
得るものは何もない。動機づけを高めるのがこんなに難しい試合もないですよ。一方、
格下クラブは1年1度のチャンスにやってやるぜという気持ち満々で挑んでくる。69にとっても
楽な試合にはならないかな、という思いもありました。

試合開始から当然のように69がボールを長く支配、栃木は防戦に追われます。キックオフから
しばらくは、栃木が69のプレッシャーに戸惑っているのかな、と感じる場面が目につきました。
JFLなら通るはずのパスをカットされたり、素早いチェックを受けたりと。しかしこの状況に
栃木も慣れ始め、徐々に攻め上がる場面を作れるようになる。全体として69が試合を支配する
状況は変わらなかったものの、栃木も左サイドからのアタックを多用し、やれるぞという
雰囲気を少しずつ感じさせていく。最後のクロスの精度に欠ける場面が目立ったのは残念でしたが、
どうにもならないという思いは選手もサポーターも感じてはいなかったでしょう。69は決定的な
チャンスを何度か作っていましたが、栃木が最後に身体を張りゴールは許さない。栃木は
よく我慢し、前半は0-0のまま終了。

後半も69が試合を支配する流れは変わらないものの、どうしてもゴールは奪えない。
入ったと思ったシュートがポストを叩いたり。また栃木の身体を張る姿勢も変わらず、
こんな展開は押しているチームの方がむしろイヤだな、なんてことも思って。

そして60分、栃木がCKを得ます。ここで取ってしまいたいと考えながら見ていましたが、
CKのこぼれを栃木11番吉田がアタマで押し込み、栃木先制。サポーターはもちろん、
栃木のベンチの喜びも大変なものでした。あのベンチの様子を見ても、やはり栃木はこの試合に
大きな意欲を持って臨んでいたのだなと感じましたね。また、ゴールが決まったから
いうのではなく、この場面はゴールを取れるんじゃないかという雰囲気がありました。
栃木のサポーターの多くも同様の思いを感じ取っていたのではないでしょうか。
サポーターの思いがゴールを生んだといっても、決して言い過ぎではないでしょう。

69はこの後、もちろん攻勢を強めますが、どうしても入らない。また栃木も勝てるという
明確な目標ができたためか、全く集中を切らすことなく対応していく。基本的には守りに重心を
おきながら、スキを見てカウンターを仕掛け、69を凍りつかせる。少なくとも2度の決定機を
作っており、したたかな一面を垣間見せます。そしてそのままロスタイムまで守り抜き、
栃木の嬉しい勝利となったのでした。この試合の観客数は3,023人でしたが、ほぼ五分か
むしろ栃木のサポーターの方が多いかと思うぐらいで、栃木の強い意欲が勝利を呼び込んだと
いっていいでしょう。この試合における栃木の勝利は称えられるべきものでした。

この試合に対し69が軽い気持ちで臨んだとは思いません。ただ終わってみれば、格上クラブが
足をすくわれる典型的なパターンに嵌ってしまいましたね。試合を支配しながらゴールを奪えず、
0-0で折り返されて後半に数少ないチャンスを活かされ先制ゴールを許す。そしてその後は
大事な1点を守りきられてしまう。加えて言えば、失点がセットプレーだったことも、
まさにこういった試合にありがちなものでしょう。また栃木の選手は本当に頑張っていたものの、
選手個々の力量ではもちろん69の方が明らかに上でした。ただそれこそが、落とし穴に
なったのか。いつでも取れるという思いに流れてしまったのか。

決勝ゴールを決めた吉田は、栃木サポーターから試合中に何度も彼のチャントが歌われるなど、
栃木の顔的な存在なのかと感じました。前登録チームは水戸とのことですが、サッカーを
続けられる喜びを感じているのでしょう。また大宮に移籍した若林の後釜としての期待も
高いのでしょう。

試合前と試合終了後に栃木のサポーターが、サッカーのサポートの歌とは思えない歌を
歌っていましたが、おそらくあれは栃木県の県歌か、それに相当する歌なのでしょう。
山形のサポーターも県民歌を歌っていますが、地元に誇りを持つ感覚はまさしくJがもたらした
ものなんでしょう。栃木はまだJではないものの、Jの理念は着実に浸透しているなということも
感じました。この試合の栃木に拍手を。
コメント (2)
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