珈琲もう一杯

3月6日、2010年Jリーグ開幕

地域リーグ決勝大会1次ラウンド3 Mi-o Kusatsu ‐松本山雅

2007-11-27 20:41:45 | サッカー
この一試合が今シーズンの全てを左右する。この試合を落とせば、今シーズンの目標が
全て無に帰する。これほどの過酷な試合はそうそうありません。さらに付言すれば、
この試合を勝ったとしても、次のステージに進む権利を得ただけで、まだ何も手にしていないのですが…。

超激戦区の北信越リーグを勝ち抜いた松本山雅と全社優勝で出場権を手にしたMi-oとの戦い。
多くの予想通り、この試合がこのグループを左右する1戦となりました。山雅のホームである
アルウィン(僕らも昨年行きましたな)で行われたこの試合。両チームとも2戦2勝であり、
この試合に勝った方が決勝リーグに進出という分かりやすい状況です。実は僕はMi-oが優勝した
全国社会人を観戦しており、Mi-oのチームとしての総合力は印象に残るものでした。
山雅のホームという地の利があるものの、若干Mi-o有利かなという意識で試合前はおりました。

この試合、運営上はMi-oがホーム扱いでメインから見て左側、山雅が右側に陣取っていましたが、
試合前のコイントスの後、サイドが入れ替わります。当初のサイドなら太陽を正面に受けることになる
Mi-oがサイドを取って入れ替わったのだと思いますが、この時点からMi-oはしたたかなゲーム運びを
見せていたというべきなのかもしれません。

キックオフ直後の最初の流れでMi-oはいきなりハイボールを山雅ゴール前に放り込みます。
そのプレーを見たときは、まさにこのためにサイドを取ったのだと思いましたし、その後もMi-oが
主導権を握る形で推移するかとも思いましたが、前半はむしろ山雅が押し気味といっていい内容。
同行させていただいたこの方と「山雅が思ったよりいい」という会話を交わしていたぐらいです。

ただこれも、Mi-oにとっては狙いどおりの作戦だったのかもしれません。後半開始時にはMi-oのGKの
エリアは影に覆われており、太陽の影響を受ける状況はほぼ脱していた。前半にサイドを取ったのも、
ハイボールを上げて攻めあがるということよりも、太陽の影響を避け、失点のリスクを
少しでも減らすことの方に重きが置かれていたのかもしれません。ホームの大声援を受け、
試合開始から山雅が激しくくるであろうことが予測できただけに、失点につながりかねない要因を
少しでも減らしたいという姿勢だったのか。また後半開始時には日照の関係でGKのエリアから
太陽の影響が少なくなるというのも、2日間を通して観察していたのではないですかね。

山雅にとっては十分いけるぞという意識を持っていたであろう後半開始直後、Mi-oが出鼻を挫きます。
中盤でボールをカットした8番内林が左サイドを一気に駆け上がり、マークも振り切った上でシュート、
GKが体に当てるも止めきれず、48分Mi-o先制。ディフェンスの意識を高く持って試合を進めながら、
チャンスと見るや一気に取りきってしまうというしたたかさを見せてくれました。またゴールを奪った
内林の個人能力は、率直に言って山雅の選手と比べて一枚上かなという気にはさせられました。

しかしながら時間は40分以上あったわけで、山雅にとって十分にチャンス(可能性)は残されていました。
ただ山雅はなかなかチャンス(攻めのかたち)を作り出せない。Mi-oがますます守備意識を高く持ち
山雅の攻撃に対し冷静に対処するなか、山雅は有効な攻め手を繰り出せなかったというのが
正直なところでしょう。内林のほか、26番安部や30番大江、10番金など能力の高い選手を
複数揃えるMi-oに対し、山雅は7番土橋にかかる比重が大きかったか。山雅がゴールを奪う
イメージを描きづらかったことは否めませんでした。

73分のMi-oの2点目は右サイドを深く抉り、マイナスのパスに内林が合わせたもので、山雅にとっては
崩されたといわざるを得ないかたち。これもやはり、チャンスと見るや集中して最後まで
取りきったといえるもので、Mi-oのしたたかさを感じさせる得点でした。山雅サポーターの
力強いサポートが選手の力となり、俗に言う壊れた試合となることは最後までありませんでしたが、
Mi-oの2点目が試合の大勢をほぼ決定づけたのは確かでしょう。

試合はそのまま2-0で終了、Mi-oの決勝ラウンド進出となり、JFL入りを目指した山雅の今シーズンは
残念ながら終わりを告げました。サポーターへの挨拶に向かう選手の多くは涙を流しており、
山雅の無念さは痛いほど伝わってきました。ただこの試合に関して、Mi-oが一枚上だったのは
確かでした。僭越な言い方ではありますが、山雅としてはこの経験を来シーズンに生かしてくれと
願うばかりです。Mi-o自身、昨シーズンの地域決勝で悔しい思いをしているのですから。
ドーハと同様で、行けなかったことで初めて目指す場所の大きさや意味を知ったということに
なったのではないですか。数年後、山雅のJFLあるいはJの歴史が2007年11月25日から始まったと
いえる状況になってほしいと思っております。

この試合の観客数は3,631人。チームカラーのグリーンのボードを配布し、試合中も途切れることなく
サポートの声を送り続けた山雅サポーターにとっても、この敗戦のショックは極めて大きいでしょう。
ただ第三者の全く勝手な言い分を許して貰うなら、この敗戦によって山雅のJFL入りが
本当の意味での悲願となったのではないですか。前述したように、負けて初めて価値を知るという。
試合中も幼稚園ぐらいの年代かなというチビッ子が熱心に山雅を応援する声をあげるなど、
松本地域にとっての山雅の存在価値を十分に感じさせてくれる状況でもありました。
このような地域は他にも多くあるはずで、サッカーが多くの地域に根を下ろしつつあるんだなと
嬉しい気持ちになりました。

山雅の監督はガンバや京都などでDFとして活躍した辛島啓珠氏。残念な結果に終わった試合後の
彼の行動が印象に残りました。彼は試合終了を告げるホイッスルが鳴ってすぐにMi-oのベンチに
歩み寄り、おそらく戸塚監督でしょうがMi-oのスタッフと握手を交わしていました。
ホームで多くの期待を背負った試合での敗戦直後という悔しくてたまらないはずの状況ながら、
勝者を称えることを忘れなかったその姿勢に、辛島が人格者であることを改めて認識した次第です。
この敗戦を受け辞意を表明したという報道もあるようですが、辛島の指導者としての人生は
まだ始まったばかりですし、山雅での経験をこれからの指導者生活でも活かしてほしい、
そして日本サッカー界の進歩に貢献してほしいという思いを持っております。まだ辞任が決定
したわけでもないのに、この書き方は良くないんですが。

Mi-oに関しては、神戸といい関係を持っているようですね。前述の大江やDF15番石澤は神戸からの
レンタル選手ですが、この大会のためにレンタル期間を延長したようですし。また全社の時点で
すでに戸塚哲也氏がベンチ入りしていたのですが、選手の直前補強がダメになった今回、
監督を補強するのは理にかなった動きでしょう(笑)。全社でもホンダロック、北九州、長崎
といったKyuリーグの強豪勢をことごとく打ち破るなど、その能力は注目に値するチーム。
決勝ラウンドでも十分可能性はあると思いますね。まあ、今年の4チームは全てに等しく可能性が
あると見ていいでしょうし、予測は全くつきませんが。

PS-金曜、日曜の2日間に渡り車に同乗させていただいたfct-fanさんにこの場を借りて
改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。またアルウィンではGO!_AWAYさんにもお世話に
なりました。感謝いたします。

PS2-私信ですが、なみさん、ありがとうございました。
コメント (2)
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驚きだわね

2007-11-21 01:50:15 | サッカー
東京サポーター界隈、いやそこのみならず話題になっている事項かもしれませんが…。

東京にとっての今シーズンとは、一体何だったのでしょうね。何の意味も持たないシーズン、
いやそれどころか、フロントにとってなかったことにしたいシーズンなのかもしれません。
現場にすべての責任がある、というスタンスに思えますが、本当にそうですかね。否、誰もが
そうは思っていないでしょう(笑)。

個別に見ていくとして、まずヒロミの来期契約非更新はさすがにしょうがないでしょう。
まあ本当の問題はそこではないはず。つまり、なぜヒロミを呼び戻したのかと言う部分ですね。
今さら言っても詮無いことですが、ヒロミの復帰はヒロミ本人、サポーター双方にとって
悲しいこととなってしまいましたね。それも結局は東京フロントの無定見さが招いたことなんでしょう。

土肥ちゃんの非継続についても、僕は仕方ないと思います。もちろん東京としては、
経験豊富で堅実なセカンドGK(現状ではそうでしょう)を確保できるなら、これほど有難い話はない。
ただ土肥ちゃんはそのレベルの選手ではないですよね。東京にとっての大功労者だからこそ、
まだまだ高い能力を保持している間に次の働き場所に進める態勢を作るのは必要だと思う。
少なくとも「飼い殺し」をしていい選手でないはずですから。まあそうはいっても、
塩田に続くGKがいきなり権田や廣永でいいのかとは思いますがね。これはもちろん、
彼らの能力を低く見ているのではなく、経験といった部分でね。

さて、いよいよ僕が声を大にして主張したいことに入りますが(笑)、福西の非継続とは…。
本当にフロントの考えが分からない。何のために福西を獲得したのか。わずか1シーズンで
見切りをつけていい選手なのか。彼が持つ勝者のメンタリティーやプロ意識といったものは、
東京に最も欠けるものではないのか、そしてそれを移植するといった狙いがあったはずではないか。
確かに彼のプレーが東京のスタイルにマッチしていたかといえば、それを完全に肯定することは
できません。しかし彼はそれを補って余りあるだけの技術・ハートを持っていたではないか。
それは1シーズンで捨て去っていいものとは到底思えません。福西が戦列を離れたことで、
福西不在の大きさを痛感したはずなのに…。

またこの決定は、福西だけに留まらない影響を持ちかねないとも思うんですね。つまり、
経験豊富な選手の獲得が難しくなるんじゃないかと。「フクさんでさえ1シーズンで切られるのでは…」
といったイメージを植えつけてしまわないかと。もちろん、プロは実力の世界です。
ただ、今回の福西が力が足りないから非継続となったとは、ちょっと思えないんですよ。

またこれは蛇足ですが、今シーズンの味スタで福西のシャツを着ている人は非常に多かったですね。
もちろんグッズ売り上げを最優先するなんてことを求めはしませんが、彼が東京の新たな顔として
極めて大きな役割を果たしていたのは間違いない。その観点からも、せっかく手に入れた宝を
むざむざ1シーズンで捨て去るのはどうなんだ、とは感じますね。

まあ福西サイドが来シーズンの契約にあたり、とんでもない額を要求したとか、あるいは
負傷の度合いが思った以上に厳しくて、トップレベルでプレーするには厳しいといった
ことがあるのかもしれません。そのあたりの詳細は表には出せないことでしょうから、
やむを得ない事情があっての判断だと思いたいですが…。

残念です。福西の契約非継続は、本当に残念です。

ここ最近の東京は、こういったことばかり繰り返していませんかね。必要なはずの選手が
流出するといったことを。ササ、ジャーン、加地、阿部ちゃん、戸田、宮沢、まっすうetc…。
もっといえば、ケリーの契約非継続から始まることかもしれませんが…。

ここまでの荒療治に出たことは、東京のフロントもさすがに覚悟を決めているはず。
大げさでもなんでもなく、一歩間違えば降格というぐらいだと思いますね。ただそこまで
腹を括って決断したのなら、それはそれで受け入れようとは思います。シーズン終了前に発表したのも、
サポーターが功労者にありがとうを言うための配慮ととれなくもないし。それにしても、
来シーズンが東京にとって大変な年となるのは間違いないでしょうね。

PS-こんな嫌な発表がありましたが、来シーズンのSOCIO申し込みはすでに済ませました。
やはり東京が好きなんでね。ただだからこそ、来シーズンこそはきちんとした体制を整えてほしいですな。
「優勝を狙う」などといった口先だけの美辞麗句でお茶を濁すのではなく。
ただやはり、それにしても、福西を失いたくはないですが…。
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土曜は鳥取へ

2007-11-16 01:55:40 | サッカー
今週末のJ1・J2は全て日曜開催。土曜には僕の自宅から最も近くに位置する全国リーグ参戦クラブの
横河武蔵野の試合があるのですが、今回は久しぶりに遠出してみたいと思いました。
そこで足を運ぶことにしたのが、鳥取。現時点でのJFLにおけるJ準加盟クラブのうち、
ホームでの試合をまだ見ていないのは鳥取だけでした。1度見てみたいと考えていたところ、
鳥取の試合が土曜にあり東京と重ならないため、鳥取行きを決断いたしました。なお僕は
兵庫県に在住していた時期があるのですが、隣県でありながら鳥取は全く訪れたことがありません。
その意味でも、鳥取行きを楽しみにしております。

J準加盟クラブのうち…と記しましたが、土曜の試合は偶然にも鳥取‐岐阜という準加盟同士の対戦。
鳥取は残念ながら今シーズンのJFL4位以内の可能性はなくなりましたが、これからも続いていく
鳥取の歴史を刻む上で1試合たりとも疎かにはできないという意識を持っているでしょう。
一方の岐阜は4位以内を実現するためのまさに正念場となるところで、見ごたえある試合を
期待しております。少なくとも、東京のリーグ戦残り試合よりは…(笑)。

鳥取といえば、やはり鳥取砂丘のイメージが僕には強いのですが、立ち寄るかどうかは微妙なところ。
即に言う山陰地域のうち、これは兵庫県側になりますが、城崎温泉や余部鉄橋への関心も
僕は持っているため、そちらに足を運ぼうかと考えております。まあ城崎に行ったとしても、
志賀直哉氏のように城崎の温泉に浸かり自分を見つめ直すなどといったことはしないのですが(笑)。

当日は鳥取サポーターであるこちらの方にご挨拶させていただく予定です。また、当ブログを
ご覧いただいている鳥取サポーターの方がおられましたら、ぜひともお声かけください。
一杯行きましょう(笑)。なお日曜のガンバ戦には、羽田から直行の予定。まあ、はっきり言って、
東京のリーグ戦残り試合には何の期待もしていませんけどね。義務として見に行くというだけで(笑)。
コメント (4)
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07.J1.31節新潟‐東京

2007-11-11 21:06:05 | サッカー
非常に残念な試合でした。ただ両チームが行っていたサッカーの内容を比較して判断すれば、
この日の新潟の勝利は正当な結果として受け止めねばならないのではないでしょうか。

サッカーは言うまでもなく、チームスポーツです。それならば、選手全員が共通の意識を持ち、
チームとしての約束事・規律のもとに、全体が連動した動きを行う。そうでなければ
ならないはずです。ましてやプロなのだから。そういった視点で見ればこの日の新潟と東京では
完全に新潟の方が「チーム」として機能していました。いや、チームとして機能していたのは
新潟だけだった、という表現こそが正しいでしょうか。矢野に当てたボールを後方からの選手が
サポートし攻撃を作っていくとか、エジミウソンが持ったときにはその先を見越して複数の選手が
動き出しているとか。ただ、このような連動といったものはプロならば、ましてやその国の
最上位のリーグに所属するクラブならばあって当然だと思うのですが…。

今の東京にはその程度の連動性・約束事さえない。1人1人の選手がそれぞれ個人の能力のみに頼って
プレーしているに過ぎない。全くもって残念な状況です。東京の選手の個々の能力は決して低くない。
しかしサッカーはチームスポーツなんですよ。選手の個人能力のみに頼っていて勝てるほど
甘くはないはずなんですよ。能力を備えた選手を多く持ちながら、それをいつまでたっても
「チーム」として昇華できない今の、そしてここ数年の状況がなんとも歯がゆくてなりません。
チームとしての意思統一などといったアプローチは、おそらく、普段の練習においても
全くなされていないのでしょうね。僕は今シーズンの東京の練習を見たことがないのですが、
そのぐらいの想像は働いてしまいますね(苦笑)。

繰り返しになりますが、東京の選手個々の能力は決して低くはない。それだけに、チームとして
機能させるという取り組みがきちんとなされれば、もっといいサッカーができると思ってるんですよ。
しかしながら、そういったことはここ数年ずっと言われ続けていることですからねえ。

昨日の新潟戦もそうですが、今シーズンは試合後に「今の東京が勝ってはいけないな」と思うことが多くて。
少なくともチームとしての意思統一がなされ、チームとしての連動性のもとに試合に望むという
真摯な姿勢で取り組んでいるチームと、今の東京ならば、東京が勝ってはいけないんじゃないか、
それで勝ててしまってはサッカーにとって良くないんじゃないか、なんて気持ちになることが多い。
まあこんなことも、とりあえずはJ1に残留できたからこそ言えるものではあるんですが。

東京に対してネガティブなことばかりを記してきましたが、東京への気持ちが変わることはない。
ただ、このままではいけないはずですよ、今の東京は。チームとしての連携が皆無な状況でも、
J1に残留できるのは皮肉でもなんでもなく、個々の選手の能力を示すものだと思いますね。
それをもっと、有意義に使いましょうや。
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