私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

若冲と江戸絵画 / 愛知県美術館

2007-05-07 20:39:27 | 美術等


GWで実家に帰ったとき、愛知県美術館に「若冲と江戸絵画」を見に行く。
伊藤若冲自体はそんなに詳しくはないのだが、今回見学してなかなかいい絵を描いた画家だな、と知ることができた。

この展覧会の白眉はやはり若冲の「鳥獣花木図屏風」だろう。
屏風に引かれたマス目にモザイク風に描くというその発想力にはただただ脱帽である。マス目の中の色の塗り方もいちいち工夫しており、近くで見ると、また違った楽しみがあるというのもユニークだ。丸っこく描かれた動物たちという愛らしく、独特の世界観が屏風の中に展開されていて、見ているだけで楽しくなる。
この作品を鑑賞するだけでも本展覧会に行く価値は充分にあると思う。

若冲作品はほかにも「紫陽花双鶏図」などすばらしい絵が多いが、個人的には「鶴図屏風」「花鳥人物図屏風」が好みであった。そのシンプルな曲線でデフォルメされた鶴などの絵には、独特な愛嬌があったと思う。

ほかの画家の作品としては、葛蛇玉の「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」がすばらしい。薄墨の空間の中に雪の降っている情景の何とも美しいこと。
これは是非とも実物を見るべき作品だろう。屏風という大画面で見るからこその美しさがこの絵の中にはあった。

そのほかにも、長沢芦雪の「牡丹孔雀図屏風」、谷鵬の「虎図」、鈴木其一「柳に白鷺図屏風」等、なかなか質の高いコレクションが多く、飽きることがない。
まさに眼福という言葉が適切なすばらしい展覧会であった。

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