心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

焼き直し!

2005-09-27 12:44:48 | 臨床心理学

学会誌ではない専門雑誌には,特色のあるものが多い。精神医学~心理畑にもけっこう数がある。

どの医局にもあると言われる『精神医学』と,

どの書店にもあると言われる『こころの科学』

この二つが双璧というところだろうか。

この双璧に挟まれるようにして,ま,有象無象がおります。
さして大きくない出版社で出していたりするので,図書館に入っていなかったり,そもそも出版として同人誌的だったりし,なかなか手に入る機会もなければ,実際見る機会も多くはない。
ま,でも,けっこう出版社には在庫はあるので(だぶついているのョ……),気に入った特集があれば,出版社に問い合わせをするとよろしです。

それでも,手に入らない!
ということが,往々にしてあったりします。
面白い特集があったりすると,部数が少ないので,あっという間に売り切れたりするんですね。

そういうときには,泣きつつもう数年待つと,「焼き直し」が市場に回ります。
「焼き直し」とは,要するに,その雑誌の特集をもう一度まとめなおし,本にして,出すというもの。
書き手によっても,編者によっても,編集部の考えによっても変わりますが,けっこうマメに書き直されることもある。
ともあれ,
雑誌が手に入らなかった人には嬉しい限りであります。
出版社にとっても,原稿を取る必要も手間もなく,特集で売れたという実績があるので,マーケットも把握しやすい,リスクが減じる,という特典があります。
書き手にとっては,手を汚さず本ができるという嬉しさに加え,新たに執筆料や印税が入ることも。
間違えて買ってしまった人は……合掌(人生にはいろんなことがある。負けるな。いや,すまん)。

以下,記憶にある「焼き直し」シリーズであります。

(リンク先には,余計なものも入っています。)

こころの科学セレクション

黄色い表紙で,ご丁寧に「こころの科学セレクション」と書いてあり,不要な人は買わないでよいという潔さを感じる(なんのこっちゃ)。とはいえ,けっこう書き直しをしているものもあるようだ。


メンタルヘルス・ライブラリーのシリーズ

書店ではあまり見かけない雑誌「精神医療」(批評社刊)の特集をまとめたシリーズ。あまり見かけない分,新鮮である。本は安く,レイアウトも凝っている。「こころの科学」に比較すると,雑誌の編集体制の違いから,編者のバリエーションに乏しい感じがしないでもないが……。シリーズ名を「メンタルヘルス・ライブラリー」としたのは,何か理由があるのでしょう。


「精神療法」のシリーズ

バリエーションが少ないという意味ではこちらも同様。ついでに言えば,書店で見ないという意味でも同じ……。「精神療法」誌は,編集委員に,下坂幸三先生やら西園昌久先生ら精神分析系精神科医のお歴々のほかに,河合御大がいたりして,けっこう豪華。金剛出版って意外にメジャー志向が強いのか。
これは,統一されたシリーズ名がなく,アマゾンでは調べにくい。アマゾン以外でも調べられないけど……。これはちょっと不便のような気がしないでもない。(うえのリンクは,そのうちの1冊のみをリンクしました。)
噂によると,カバーデザインで,2つの世代があるらしい。

 

「精神科治療学」選定論文集

これは,「焼き直し」という文字通りそのままのシリーズ。星和書店さんの「精神科治療学」に掲載された「うつ」なら「うつ」の論文のうち,選りすぐったものを,「そのまま」(掲載当時のまま)集めたもの。
ページ数とかは,さすがに変えてあるらしいが,広告とかは入っていたりする。ちょっと手抜き感あり。
でも,特集ごとに本にしたわけではなく,あちこちの号から集めたので,そういう意味では手が入れてある,とも言えなくはない。
誤植とかは直したのかしら。


他にもありそうです。
教えてください。


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