浅草事件を覚えておいでだろうか。
「浅草女子短大生(レッサーパンダ帽)殺人事件」である。レッサーパンダの帽子をかぶった男に,女子短大生が「通り魔的」に刺された事件で大きなニュースになった。この犯人は29歳の青年で,知的障害があり,高等養護学校を卒業,障害者手帳も持っていた。この犯人は,いわゆる自閉症スペクトラムだったのではないかとされている。
詳しくは,
佐藤 幹夫さんの
を読んで頂きたいが,この「浅草事件」は,本当に臨床の人たちにとって,いろいろと考えさせられることだろう。
発達障害とは何なのだろうか
われわれには何ができるのだろうか
と。
以下も,ぜひ読むとよろし。
自閉症スペクトラム―浅草事件の検証-自閉症と裁判- (メンタルヘルス・ライブラリー (14))
高岡 健, 岡村 達也 編
本書の半分が「浅草事件」の弁護人および弁護人の鑑定人(編者でもある)の高岡医師らの座談会となっている。
座談会の内容も深く,これまた考えさせられる。
ホント,われわれには何ができるんだろうか,と。
ま,目の前のクライエントに対峙するしかないのだろうけど。
座談録は読みやすい。座談録の良し悪しは編集者の裁量の部分が大きい。よい仕事であります。
なお,この本に所収されている生地新先生の「発達障害概念の拡大の危険性について」という論文は,臨床の人としては襟を正して読むべきものである。
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