PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

TALK BACK:私たちはもう黙っていない

2021年07月29日 16時01分36秒 | イベント告知

コロナ危機下で、東京オリンピックが開催されて、良かったことが一つあります。

この国では、本当に「人権」という意識は希薄なんだなと、はっきり実感できたこと。

カネ、カネ、カネが、すべての価値判断の基準なんだなと、思い知らされたことです。

 

1964年の東京オリンピックは、この国の経済復興と先進国入りの象徴となりました。

2021年の東京オリンピックは、この国の生活破綻と没落の始まりの象徴になります。

良くも悪しくも、歴史的な場面に今も立ち会っているのだなと思います。

 

1964年は、オリンピックを控えた東京で、ライシャワー事件が起きました。

マスコミも「精神病者野放し」を喧伝し、精神衛生法が緊急改正されました。

精神病院はさらに増え続け、町から精神障害者は急激に姿を消していきました。

 

2021年は、オリンピック開催のさなか、コロナ感染症が爆発的に蔓延しています。

精神科病棟の出入り口は閉鎖され、あちこちで院内クラスターが発生しています。

感染率・死亡率ともに市中の4倍の閉鎖環境の中で、命の選別が始まっています。

 

2011年に、精神科病棟内死亡転機患者は、推計で年間2万人を超えました。

その後も増え続けましたが、2017年以降の数値は、なぜか公表されていません。

この国のコロナで、精神科病棟内死亡患者は、どれだけの数に達するのでしょう。

 

この国でさえなければ、その多くは、当たり前に地域で暮らせる人たちでした。

この国の、現在の法律でなければ、もっと自由に生きることができる人たちでした。

この国だから、精神科病棟で人生の大半を過ごさねばならなかった人たちです。

 

これまで黙って耐え忍んできた、精神障害の当事者たちが、横浜で声を上げます。

対面参集の一大イベントですが、一部はオンライン配信も可能だそうです。

多くの方にご参加いただき、共に「声をあげること」の勇気を得られればと思います。

 

神奈川精神医療人権センター(KP)設立1周年記念イベント

「TALK BACK 私たちはもう黙っていない」

2021年8月7日(土)11:00~16:30

横浜市健康福祉総合センターホール

(横浜市中区桜木町1-1

/市営地下鉄ブルーライン 桜木町駅南1A出口から徒歩0分

/JR京浜東北線・根岸線 桜木町駅出口から徒歩2分)

 

精神医療に関わる多くの人たち(特に当事者)は、偏見、差別、権力、抑圧などによって、「黙らされる」ことを多々経験してきています。

そんな「黙らされる」ことに対して、「もう黙っていない」「声をあげる」という意志を表明するようなイベントになればと思っています。

 

  • 第1部:精神医療国賠訴訟シンポジウム 11:00~12:30

精神病院で何十年も虐げられた患者たちが今、声を上げる。

今年3月から始まった精神医療国賠訴訟。

その原告となった伊藤時男さんや支援者をお招きして、不当な長期入院のこと、「声を上げる」ことを決意した経緯、今現在の思いなどを語っていただきます。

シンポジスト:伊藤時男さん(精神医療国家賠償請求訴訟原告)

       東谷幸政さん(精神医療国家賠償請求訴訟研究会代表)

       古屋龍太さん(精神医療国家賠償請求訴訟研究会事務局長)

 

  • 第2部:演劇公演「精神病院つばき荘」 13:00~15:00

2018年初演で好評を博し、2020年全国各地での上演を予定していた演劇公演「精神病院つばき荘」。

コロナ禍で公演中止を余儀なくされましたが、1年10か月ぶりに上演します。

第1部のシンポジストである伊藤時男さんが38年入院させられていた福島の双葉病院が、この劇のモチーフの一部となっています。

第1部を経てこの劇を鑑賞した際に、改めて見えてくるもの、感じられるものがあるはずです。

作:くるみざわしん 演出:トレンブルシアター

出演:川口龍、土屋良太、近藤結宥花

なお、「精神病院つばき荘」については、佐藤光展さんの解説記事をご参照ください。

⇒ 精神科の闇を描く演劇『精神病院つばき荘』がロングランを続ける理由(佐藤 光展) | 現代ビジネス | 講談社(1/4) (ismedia.jp)

 

  • 第3部:Mad Pride Yokohama 15:15~16:30

MADで何が悪い!パフォーミングアーツが変える未来。

カナダのトロントで始まった「MAD PRIDE」。

 精神疾患当事者が思い思いの格好で街中をパレードするこのイベントは、欧米を中心に盛んになっています。

今回は、KP関連事業「OUTBACKアクターズスクール」のメンバーを中心に、日本版Mad Prideのデモンストレーションを行います。

第2部の出演者も交えながら「表現すること、声をあげること」について語ります。

 

※入場料(第1部~第3部)は3,000円です。

申し込み方法:お名前・連絡先を明記の上、メール(event.kp.kanagawa@gmail.com)で申し込んでください。

詳細は下記のホームページをご覧ください。

⇒ 8月7日開催「TALK BACK 私たちはもう黙っていない」/演劇ありシンポあり肉態表現ありのKP設立1周年記念イベント/横浜・桜木町で午前11時から | 神奈川精神医療人権センター (kp-jinken.org)

※オンライン配信チケットをご用意いたしました。

都合により、第2部演劇公演「精神病院つばき荘」のオンライン配信はいたしません。第1部シンポジウム、第3部MadPrideYokohamaのみの配信となります。ご了承ください。

オンライン配信チケットは、事前購入制となっています。

Peatixというサービスを通じて購入いただけます。

詳しくは、TALK BACKオンライン配信ホームページで確認してください。

⇒ TALK BACK オンライン配信 | Peatix

 

主催:KP神奈川精神医療人権センター

〒235-0023 横浜市磯子区森3-14-3

メール mail@kp-jinken.org

ホームページ https://kp-jinken.org

 

 


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