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マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

フォーレの舟歌(バルカロール)第4番

2025-01-24 16:39:51 | ラ・プロムナード・ミュジカル
フォーレ(1845〜1924)は、昨年は没後100年の記念イヤーでしたが、今年も生誕180年の記念イヤーです。
だからって何?…ではありますが、フォーレを取り上げるきっかけにはなりますね。
昨年も数曲弾きましたが、今回も舟歌(バルカロール)を演奏します。
フォーレは舟歌を13曲作曲しました。
数は13曲とそう多くはありませんが、第1番を1883年に書いてから、38年の長きにわたって舟歌を書き続けたのです。
舟歌という曲は、メンデルスゾーンの無言歌集にある3曲とショパンの1曲のみが前例で、参考にできるものはほとんどなく、ほぼ彼オリジナルの創造性による作品と言えるでしょう。
おまけに初期の作品の頃は本場のヴェネツィアさえも訪れていなかったとのことなので、想像力の賜物でしょうか。
のちに、1890年になって初めてヴェネツィアを訪問したようです。

第4番変イ長調は1886年の作で、比較的短めの曲です。
6/8拍子で揺れるゴンドラを表現しているかの音型が使われていて、美しい曲となっています。
転調が多用されています。



第71回プロムナード・コンサートのお知らせ

2025-01-07 01:30:11 | ラ・プロムナード・ミュジカル
前回の2台ピアノのコンサートが終わってから、片付け三昧の日々を送っていたら、あっという間に次のプロムナード・コンサートまで3週間を切ってしまいました。
第71回プロムナード・コンサートは1月25日(土)10時です。
今回は、お箏、アルトリコーダー、ソプラノ、ピアノ…と、バラエティに富んでいます。
今年は2025年で、生誕、没後の記念イヤーになる作曲家が多い年になります。
共に1685年生まれの、ドメニコ・スカルラッティ、J.S.バッハ、ヘンデルといった大物(?)作曲家やフォーレ、ラヴェル、サン=サーンス、ビゼーなどなど、この人もか…というくらい多いので、そういう作曲家の作品も取り入れたいと思っています。
今回私が弾くのは、いずれも記念イヤーの作曲家の作品です。
ヘンデルの「調子のよい鍛冶屋」と呼ばれる曲、フォーレのバルカローレ(舟歌)第4番、サン=サーンスの第5協奏曲によるトッカータの3曲。
それに加えて、オマージュシリーズでは、昨年亡くなった西田敏行氏が歌っていた「もしもピアノが弾けたなら」を予定しています。
ちょっとピアニスティックに仕上げようかな…とは思ってますが、まだ頭の中で構想を練ってる段階で、アレンジに取り掛かってないので…。

第71回プロムナード・コンサート
1月25日(土)10:00~11:30
姫路市文化コンベンションセンターアクリエひめじ 小ホール
入場料無料






第70回プロムナード・コンサートは終了です

2024-10-20 01:29:17 | ラ・プロムナード・ミュジカル
午前中は第70回プロムナード・コンサート。
ちょっと雨模様の中、ご来場下さった方々、ありがとうございました。
準備はわりと順調に進んだと思っていたのですが、出かける時にタクシーを呼んだ時からなんだかちょっと嫌な予感…。
タクシーアプリgoを使うより、近くのタクシーを電話で呼んだ方が便利というのがわかって、専ら電話にしているのですが、電話が話し中…。
ここのタクシーさんには珍しいことで、やっとつながったかと思ったら、ただ今混みあっています…と。
今日は2台ピアノの配置の問題もあるので、絶対早めに行きたいと、早めにタクシーに電話していたのですが、タクシーアプリgoにしようかと迷いつつ、そうだ、2台で一緒に弾く生徒が車で行くので、途中で寄ってもらおう…と、電話をかけ、ちょうど近くまで来ているとのことで、乗せてもらうことができたのでした。
着いたら、カメラの三脚を預かっていた人が、持ってくるのを忘れたと…。
家族さんに持って来てもらうことになったけど、車の渋滞で開始に間に合わず、初めの方は手持ちで撮ってもらうことに。
そもそも、いつもお手伝いをして下さっているボランティアの人が、2人とも都合が悪くて来れないことになっていたのを、急遽、一人の人が都合をつけて来て下さったので、良かったのですが、いなかったらアタフタしたところでした。
後は何とか順調に進んだと思ったら、ピアノがなんか変…でした。
鍵盤の沈みが大きくて、鍵盤のふちについてしまう感じになって、これが弾いてる途中で気が付いても仕方なく弾くしかないし、何か雑音まで聞こえてきたし…。
ソロを弾いてるときは、演奏中に数人で入って来られた方がいて、集中力の妨げになったし。
最近は皆さん、マナーがしっかりしていて、演奏中に入ってくる人はいなかったのですが、コンサートを聴くという習慣のない人だったのか…。
ショパンのスケルツォを弾いてるときだったので、唯一暗譜で弾いていたので、ホントにえぇ~っという感じでした。
2台の曲はずっと出ずっぱりだったこともあり、さすがに疲れて、帰ってからはウトウト。
そうそう、今日は横浜に帰っていません。
まだ姫路で、ちょっと片付けを進めようと思っているので。

演奏は、良かったと言っていただきましたが、まぁ個々には思うことはいろいろありました。
ただ、いろいろ思う中では、特にテンポ感が大事だということ…ですね。

今日は出番が多く、アンサンブルはできるだけドレスの感じを合わせるということで、着替えも多かったので、ちょっと大変でした。
ソロは、先月の横浜で来た薄いピンクというかオレンジというか、そのドレス。
2台のモーツァルトは黄色かゴールド系ということで、次のもみじも同じにすると、ゴールドとかオレンジとかの混ざったドレスにしました。
 
ラ・ヴァルスは、相手のドレスに合わせて近い感じの色合いのものに、」ちょっとラメの入ったオーバースカートを付けました。

このドレスは、もう捨てようかなと思っていたものだったので、一部サイズ感を直してオーバースカートをつけることで、また違った雰囲気になり、再生できたのは良かったな…と。



第70回プロムナード・コンサート第70回の演奏曲について

2024-10-18 22:53:31 | ラ・プロムナード・ミュジカル
明日の演奏曲について、以前にもアップしていますので、そのページのリンクを。
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ

ラヴェル:ラ・ヴァルス

ショスタコーヴィチ:タランテラ
タランテラとは、イタリア・ナポリの舞曲で、3/8または6/8拍子のテンポの速い曲です。
タラントという町の名前からタランテラという名前になったようです。
また、毒蜘蛛のタランチュラに噛まれると、その毒を抜くために踊り続けなければならないという話から付けられたという説もあります。
いずれにしろ、タッタラッタというリズムが印象的で、楽しい踊りです。
ショスタコーヴィチ(1906~1975)は、20世紀の交響曲の巨匠として知られるロシアの作曲家ですが、意外にも映画音楽もたくさん作っていて、宗教音楽以外のあらゆるジャンルに多大な作品を残しています。
ピアニストとしても活動していて、1927年には「ショパン・コンクール」で名誉賞を受賞していますが、その後作曲の方が中心となります。
作品数も多く、ここで簡単に語ることはできません。
タランテラは、2分ほどの短い曲で、元はオーケストラの作品をショスタコーヴィチ自身が編曲していますが、原曲のことはよくわかりませんでした。
1963年の作。



フォーレのシシリエンヌ

2024-10-18 18:05:16 | ラ・プロムナード・ミュジカル
フォーレ(1845~1924)は、今年没後ちょうど100年の記念イヤーです。
それもあって、今年は、日頃あまり弾かないフォーレの作品を弾いています。
第70回プロムナード・コンサートで弾くのは、シシリエンヌ(シチリアーノ)。
シシリエンヌというのはフランス語、シチリアーノはイタリア語です。
フォーレがフランス人なのでシシリエンヌと記載してます。
この曲は、ピアノオリジナルではなく、元はフォーレが友人のヴァイオリニストのために1893年に書いた、ヴォイオリンとピアノのための小品です。
フォーレ自身がチェロ用、フルート用、ピアノ用などの編曲をしていますし、フォーレ以外の人による編曲もたくさんあるので、さまざまな演奏がされています。

シシリエンヌというのは、シチリア地方のゆったりとした舞曲に由来し、17世紀ルネサンス時代後期から18世紀バロック時代に流行しました。
付点リズムに特徴があり、このフォーレのシシリエンヌにも多用されています。
抒情的なメロディとシシリエンヌのリズム、フォーレ独特の和声進行がうまく融合されて、どこか懐かしい感じのする心地よい音楽となっています。



第70回プロムナード・コンサートのお知らせ

2024-09-26 00:11:07 | ラ・プロムナード・ミュジカル
今は28日のミュジカポール。コンサートに忙殺されていますが、来月の第70回プロムナード・コンサートについてもお知らせしておかないと…ということで。
第70回は10回ごとを記念回数と見れば、記念…なので、2台ピアノの曲をプログラムに組みました。
2台ピアノを使うには、2台目のピアノの費用に加えて、もう1台入れるということで、理屈がよくわからないのですが2人分人件費が余分にかかるため、費用がかなり高くなるので、記念回数の時だけ…ということにしています。
2台目を搬入するのに2人分の人件費が必要と言われても、元々舞台の担当の人が1人いるので、もう1人の増員でいいと思うのですけどね、なぜか2人です。
ただ、スタインウェイが2台揃えられる環境はいいですね。
…初めに愚痴ってしまいました…。

2台のピアノの曲は、定番中の定番と言える、モーツァルトの2台のピアノのためのソナタの1楽章と、これまたおしゃれで楽しい、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」を演奏します。
他にも、私のオリジナル編曲の2台のピアノのための「もみじ」やショスタコーヴィッチのタランテラも。

前半は青木さんのアルトリコーダーのソロと歌、私のソロです。
フォーレの没後100年なので、シチリアーノも弾いてみます。
28日にミュジカポールで弾く、ショパンのスケルツォ2番も。
ちょっと盛りだくさんで、息切れしなければいいけど…です。

いつもは日曜日に開催していますが、今回は土曜日の開催です。
第70回プロムナード・コンサート
10月19日(土)10:00~11:30
姫路市文化コンベンションセンターアクリエひめじ小ホール
入場料無料(運営費の一助にカンパをお願いしています)



第69回プロムナード・コンサート終了です

2024-07-15 01:18:39 | ラ・プロムナード・ミュジカル
午前中は、プロムナード・コンサート。
今回もたくさんの方々にご来場いただき、感謝です。
今回は、初出演のファゴットの人の演奏もあり、新鮮な感じでお聴きいただけたのではと思います。
今回のポップスからのアレンジ曲は、八代亜紀歌唱の「雨の慕情」とリクエストからのミスチルの「HANABI]でした。
けっこう早い段階からいろいろ検討はしているのですが、本格的なアレンジに入るのがいつもギリギリで、HANABIに至っては、前日もあれこれ吟味して変更したり…。
何とか弾いたという感じでした。
雨の慕情は、「あめあめふれふれ」の部分をショパンの革命の伴奏型を使ってアレンジしました。
これは割といい感じになったか…と自負しています。

今回のドレスは、前半は「雨」を意識して、ずっと以前に作ったドレスのスカート部分だけを使って白のブラウスと組み合わせてリメイクしたドレスでした。
これが、動画で見るとけっこう色がきれいに映っていました。
 
チャイナシルクで光沢があるからはっきりしていたのかな…と。
実はこれはもう着ないから処分しようと思っていたのですが、いろいろ検討しているうちに意外に行けるかも…と。

後半は、ピンクのスカートに黒のブラウスを。
ピンクはドレスとして買ったものでしたが、気に入らない部分や合わない部分があってリメイクしようとあちこち糸をほどいたのですが、仕立てのいい加減な部分があったりもあってたし、上身頃を黒にするというのをしてみたくて、今回の組み合わせ。
上身頃の元のレース生地を利用してブラウスを作って組み合わせようかとも考えているところ。
 

次回10月19日は第70回になるので、2台ピアノをしようと思っています。



ドビュッシーの前奏曲集第1集の後半

2024-07-14 00:22:37 | ラ・プロムナード・ミュジカル
明日のプロムナード・コンサートで演奏する曲です。
ドビュッシーの前奏曲集第1集から、第8~12曲です。
前奏曲集は1集、2集、合計で24曲ありますが、ショパンの前奏曲集のように、24調すべての調性で書かれているわけではありません。
ドビュッシーが、「印象主義」と呼ばれる作風をピアノで確立したのは「版画」でしたが、それをさらに発展させて、完成の域まで達したのが、この前奏曲集と言えるでしょう。
即興的性格を持ち、モティーフを展開しない、前奏曲と言う形式は、ドビュッシーには好都合だったようです。
印象派の絵画を思い起こさせるような作品だと思います。
第1集は、1909年12月から10年2月にかけて作曲されています。

第8曲 亜麻色の髪の乙女
以前にも弾きましたが、この曲は聴いたことがるという人は多いと思います。
ルコント・ド・リールと言う、フランス高踏派の詩人の、スコットランドの詩によるものです。
クローバーの咲く野原で、亜麻色の髪の乙女が、遠い恋人をと夢見る…ということらしいです。
第9曲 とだえたセレナード
この曲には、憶病な恋人の一夜を表しています。
愛の歌を聴かせるために、ギターをつま弾こうとしますが、まずは試しびき。
歌い出すまでに試行錯誤ののち、閉ざされた窓の下で哀願するように歌う愛の歌。
そしてスペイン風のフレーズ、そこへ騒々しく学生たちが通り過ぎ、歌を中断させられる…。
曲の途中に、全然違う楽想が入ってくるのは、そんな情景を表しているようです。

第10曲 沈める寺
晴れた朝、住民の不信を買ったために海の底に沈んでしまったイスのカテドラルが、海の底から浮かび上がり、教会の鐘が鳴り、僧侶たちの合唱が聞こえ、やがてまた海の底に沈むという、ブルターニュの伝説が元になっています。
タイトルの「寺」というのが翻訳した時にそうしたのね…なのですが、教会のカテドラルは寺じゃないよね…と。
せめて「沈める教会」とかして欲しかった。
協会の鐘の音が霧に覆われた海面から響き始め、協会が姿を現し鐘の音も大きくなり、やがてまた沈んでいく…まさにそういう状況をうまく音にしていて、堂々とした音楽となっています。

第11曲 パックの踊り
パックは、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」に現れる、気ままで移り気で皮肉っぽく、空気のようにとらえることができないいたずらな妖精のことです。真夏の夜の夢の挿絵がヒントになったと言われています。

第12曲 ミンストレル
ミンストレルというのは、古くは中世ヨーロッパにおいて、宮廷に仕えた職業芸人たちのことを指しますが、この曲のミンストレルは、それではないですね。
1920年代末に、アメリカの農園で働く黒人たちがケークウォークを踊り、コルネットやバンジョーを鳴らし、ミンストレル・ショーを催したのが始まりで、1900年ごろにヨーロッパに伝わり、その軽妙で物悲しくもある芸は、ミュージック・ホールで人気となりました。
ドビュッシーもその音楽に魅せられて、この曲が作られたようです。