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マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ブルグミュラーの練習曲について

2024-07-12 23:32:06 | ラ・プロムナード・ミュジカル
14日の第69回プロムナード・コンサートでは、ブルグミュラーの練習曲の中から、4曲演奏します。
ブルグミュラーという作曲家は、日本では25の練習曲作品100で有名で、ピアノを学習する人達が、必ずと言っていいくらい通る道です。
ブルグミュラーは、ヨハン・フリードリヒ・フランツ・ブルグミュラー(ブルクミュラー)という正式名で、1806年生まれ、1874年に亡くなっているので、今年は没後150年の記念イヤーなのです。
ブルグミュラーのお父さんと弟も音楽家だったそうですが、日本ではとにかくフリードリヒしか知られていませんね。
ドイツのレーゲンスブルクの生まれなので、ドイツ語読みをするとブルクミュラーで、のちにフランスに帰化したため、ブルグミュラーとも発音されます。
フランス語でBurgmullerだと、ビュルグミュラーだけどな…と言ってみる…。

さて、25の練習曲は、入門本を終わった人が使う曲集で、技術的な練習に加えて「歌う」練習にもなっていて、美しい曲や楽しい曲など様々なので、愛用されているのだと思います。
その中から、たぶん最も有名は2曲、第2番アラベスクと第25番貴婦人の乗馬を演奏します。
アラベスクというのは、アラビア風の装飾模様のことで、唐草模様と言われる図柄のこと。
曲としてのアラベスクは、華麗に装飾された華やかな曲…とでも言うのでしょうか。
でも、ブルグミュラーのこのアラベスクは、初歩の曲なのでそこまで華やかでもないし、私としては、音形が、まっすぐ進んだり行きつ戻りつしたりしているところからアラベスクと名付けたのかな…とかんじています。
貴婦人の乗馬は、原題はフランス語でLa chevaleresqueで、「騎士道的な」とか「騎士道精神のある」という意味で、ここには貴婦人とか令嬢とかいう意味はないのです。
騎士道的な、というのを「高貴な」という意味につなげて貴婦人、騎士は馬に乗っているから乗馬ということなのでしょうか。
日本語のタイトルをつけるにあたって、子どもに親しみやすいということで、「貴婦人の乗馬」とつけたのでしょうね。
何となく、馬に乗って楽しんでいるような感じに聞こえますね。

25の練習曲だけでは演奏効果という意味では弱いので、12の練習曲の中からも2曲演奏します。
こちらは、「12の旋律的で華麗なる練習曲作品105」です。
練習曲の程度としては、ツェルニー40番程度。
こちらはタイトルはついていません。
第1番はハ長調で、アルペジォ(分散和音)の練習です。
第11番は、トリルによる前奏の後、分散和音の伴奏の上に歌われるメロディを美しく弾く練習となっています。
2曲とも、美しい曲です。


第69回プロムナード・コンサートのお知らせ

2024-06-24 01:09:36 | ラ・プロムナード・ミュジカル
沖縄が梅雨明けしたら本州は梅雨入り。
南九州は大雨だし、日本は広い…とつくづく思います。
今日は雨模様で、涼しくはありましたが、湿気は多い日でした。
まだ余裕だと思っていたら、あっという間に日にちが経って、第69回プロムナード・コンサートまで3週間になってしまいました。
第69回は、7月14日(日)10時からです。
今回は、ファゴットの人の出演があり、いつもとちょっと違った感じになりそうです。
最近、亡くなったアーティストへのオマージュとして演奏している曲、今回は八代亜紀の「雨の慕情」です。
梅雨時ですから、雨…。
亡くなってはいませんが、お客様からのリクエストで、ミスチルのHANABIも演奏します。
どちらもアレンジがまだなのですが、どうしようかといろいろ試行錯誤しているところ…。
ピアノを学習している人が必ずといっていいほど弾く、ブルグミュラーの練習曲ですが、今年はそのブルグミュラーの没後150年なので、25の練習曲集から、「アラベスク」と「貴婦人の乗馬」を演奏します。
それに、もう少し難しい12の練習曲集から、第1曲と第11曲を。
他にはドビュッシーの前奏曲集第1集の第8~12曲の5曲を。
第8曲は、有名な「亜麻色の髪の乙女」です。

梅雨入りが遅い時は梅雨終わりごろに雨がひどくなる…というようなことを言っていたので、7月14日はどうなるでしょうかねぇ…。
お時間が取れたら是非ご来場くださいませ。

第69回プロムナード・コンサート
7月14日(日)10:00~11:30
姫路市文化コンベンションセンター アクリエひめじ小ホール
入場料無料






第68回プロムナード・コンサートは終了しました

2024-04-15 01:06:36 | ラ・プロムナード・ミュジカル
午前中は、プロムナード・コンサート。
リハーサルをしているため、開場時間が開演15分前と、時間に余裕がないのですが、開場時間前からたくさんの方がいらして下さっていて、行列ができていました。
お待たせするのも申し訳ないのですが、9時のホール使用開始からの限られた時間しかリハーサルができないので。
今日もたくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
おもしろ企画のおもちゃの交響曲や、たぶん、KANの「愛は勝つ」に興味を持っていらした方もいらっしゃるかと思います。
ほぼ毎回来てくださる常連さんも今回が初めてという方も様々ですが、お楽しみいただけたようで、ホッとしています。
初めていらした方が、ピアノの音がきれいだったと言ってくださったのは、うれしい限りですね。
ピアノの音は弾く人によって全く違うわけで、それを感じていただけるのは、やはりうれしいわけで…。

さて、演奏についてですが、最初に連弾で弾いたおもちゃの交響曲に、原曲に近い感じで、鳥笛やガラガラのおもちゃを取り入れたのは、面白かったようです。
私自身も今日のリハーサルで初めて合わせて、思わず笑ってしまったのですね。
弾きながら笑いを抑える…。
KANさんの「愛は勝つ」は歌詞がない分、いかにピアノの音だけで雰囲気を変えるかとか盛り上げるかとか苦労しましたが、馴染みの曲は良かったようでした。
昨年から、亡くなったアーティストの方へのオマージュとして、はやった曲をピアノでクラシック風にアレンジして演奏していますが、こういう曲がきっかけで、クラシック音楽にも興味を持っていただけるといいなと思っています。
最後に弾いたベートーヴェンのワルトシュタインも、演奏時間が長かったのに、集中して聴いてくださっていたようでした。

ドレスは、連弾は一緒に弾いたひとがブルー系にしたいというので、それに合わせて。
そのままでも良かったのですが、愛は勝つの時は、花柄の入ったブルー系で。

何度か着たことがあるのですが、元のドレスは、出雲でリサイタルをした時にプロの方に作ってもらったもので、その後マタニティの時に、ゆったり目にリメイクしてもらって、マタニティ後は、ウエストにベルトかリボンをして着ていましたが、落ち着かないので、とうとう自分でリメイクして現在の形です。
元の生地がいいものだったので、長く使用できたのですね。
ワルトシュタインの時は、3月の横浜のリサイタルで来たもの。

終了後は、1年ぶりに中国から帰ってきた田村さんと、お客様の一人と一緒にランチ。
今日は、ロータリークラブとか議員さん関係のイベントがあり、1つしかないカフェも混んでるかと思いきや、ガラガラ…。
メニューは選択の余地が少なく、毎回ナポリタンです。

楽しい時間でした。
アクリエ周辺は、食事をするところもおしゃれなお店もないので、今回はキッチンカーがいくつか来ていて、いい匂いを放っていました。
帰りは、タクシーアプリを使ってタクシー呼びましたが、これって意外と使い勝手が悪いなぁ…というのが正直なところ。
そういう話をドライバーさんにすると、電話が一番ですと言われてしまいました。
その後、レッスンを一人してから夕方の新幹線で横浜に戻りました。



プーランクのアルバムの綴り

2024-04-13 17:43:35 | ラ・プロムナード・ミュジカル
明日演奏するプーランク(1899~1963)の曲、「アルバムの綴り」ですが、そもそも綴りって何?…という感じですね。
アルバムというのは数ページからなるわけで綴ってあるわけですからね。
原タイトルにある feuille  の意味は、葉とか紙の1枚とか書類とかという意味で、Feuillets d'album のタイトルとしては、「アルバムのページ」みたいな意味だと思っています。
この曲は3曲から成り、それぞれ別の人に贈られているので、プーランクの曲のアルバムにある中からのあるページのこと…かな…と。
作曲されたのは、1933年で、歌曲や室内楽などの創作が中心となっていて、ピアノ曲は、友人への献呈の機会などで即興的に弾かれる曲が中心となっていました。
なので、この曲集もそういう曲を集めたものではないかと思われます。
あまり詳しい情報がないのです。
第1曲はアリエットでカノンの手法も使われているかわいらしい曲。
第2曲はrêve(レーヴ)で夢、夢想という意味があります。
どちらかと言えば、夢想の方が近いかなという感じの曲です。
第3曲はジーグでバロック期に流行ったテンポの速い舞曲のことで、軽快なテンポで駆け回るような曲です。
この曲集は、何とも不思議な感じの曲で、いつも思うのは、プーランクの音使いや発想の豊富さと言うか、よくこんな音考えられるな…ということです。
この音並びは実は理解不能なのですけどね。



ドヴォルザークのユモレスク

2024-04-13 17:18:53 | ラ・プロムナード・ミュジカル
ドヴォルザークのユモレスクは、タイトルはわからなくても、たぶん多くの方がどこかで聴いたことがある曲だと思います。
ドヴォルザークは、小さいころからヴァイオリンには親しみを感じていたものの、ピアノにはあまり親近感を抱かなかったらしく、そこそこピアノ曲はあるけれど、聴く機会や演奏される機会が多いのはたぶんこのユモレスクだけかもしれません。
ユモレスクというタイトルがつけられているのは、1曲だけではなく、そもそもこのユモレスクも、8曲から成る作品101の第7曲なのです。
作曲されたのは1894年8月で、アメリカに渡って3年目にバカンスで帰国した際に書かれました。
この曲も、ピアノ曲はもちろんのこと、スラブ舞曲同様、歌曲やヴァイオリン、器楽など様々な形で編曲され、親しまれています。
ユモレスクという言葉の意味は、気まぐれなとか陽気ないうことですが、ドヴォルザークのユモレスクに特にそういうニュアンスはなく、気軽な軽い小品というくらいの意味だと思われます。
良く耳にする最初のテーマのタッタラッタというリズムで始まる部分は、フラット6個の変ト長調で書かれていて、軽やかなリズムなのに穏やかで優しい曲想になっています。
中間部は、同じ主音の短調である嬰ヘ短調に転調します。
アメリカ滞在で黒人音楽にも親しみ、チェコ的な音楽語法と重なり合って独特の音楽を作り出していて、ドヴォルザークの素朴で温かい人柄がにじみ出ているとも言われています。




ドヴォルザークのスラブ部曲集第1集

2024-04-12 14:42:08 | ラ・プロムナード・ミュジカル
ドヴォルザークは、1841年生まれ、没年が1904年で、今年は没後120年で、50年とか100年とかの数字ではないですが、一応記念イヤーになります。
なので、連弾で何を弾こうかと考えた時まぁ思いついたわけで…。
昨年もドヴォルザークを弾きましたが、その時は特に記念イヤーは考えてなかったですね。
ドヴォルザークは、19世紀後半のいわゆる国民楽派と呼ばれる作曲家の1人です。
国民楽派とは、自国や自分の民族の持つ特質や性格を尊重するという作曲家たちのことです。
ドヴォルザークは、20歳頃からプラハ劇場オーケストラのビオラ奏者として音楽活動を始めましたが、結婚後プラハ聖アグルベルト教会のオルガニストになり、創作活動を始めます。
しかし、収入的に厳しく、1875年にオーストリア政府国家補助金の支給に応募して作品を提出し、以後連続5年間補助金を得ることができました。
その審査員に、ハンスリックやブラームスがいて、ブラームスの出版社への推薦で作品が売れ始めます。
1878年、出版社ジムロックは、ブラームスのハンガリー舞曲に相当するようなスラブ舞曲の作曲をドヴォルザークに依頼しました。
彼は、これらの曲集で、ボヘミア民族舞曲を取り入れた生き生きとした曲を作り、好評を博しました。
大変な人気で、その後、さまざまな管弦楽用編曲がなされて、第2集も作曲されます。

今回演奏するのは、8曲からなるこの第1集の第8曲ト短調です。
ボヘミア舞曲独特の快活なフリアントが使われ、3拍子でありながら2拍子を感じさせるヘミオラのリズムも使われ、途中、シンプルながら若干の憂いを含んだメロディも出てきて、生き生きとした曲になっています。


第68回プロムナード・コンサートのお知らせ

2024-03-20 00:24:49 | ラ・プロムナード・ミュジカル
このところコンサートが続いていますが、4月14日(日)は第68回プロムナード・コンサートです。
初めに連弾をして、その後は、KANの「愛は勝つ」を弾く予定。
一応クラシック曲ということでコンサートをしているので、クラシック風アレンジにしますが、どんなふうにするかまだ検討中…。
その後、よく知られた曲としてドヴォルザークの「ユモレスク」を弾きます。
ドヴォルザークは、1904年に亡くなっているので、没後120年の記念イヤーの作曲家ということで、連弾と共に取り上げました。
後半では、横浜のリサイタルでも弾いたベートーヴェンのワルトシュタインソナタを。
初めの連弾では、「おもちゃの交響曲」をオリジナルにあるいろんな音を入れてやってみる予定。
うまくいくといいけど…。
この曲は、誰の作曲なのかというのがはっきりしなくて、コロコロ変わっていましたが、1992年にオーストリアのチロル地方シュタムス修道院の音楽蔵書の中に、ここの修道院の神父が写譜した楽譜が見つかり、そこに、今日では全く忘れられている作曲家エトムント・アンゲラーが1770年に作曲したという記載があったそうで、アンゲラーの作曲ということになりました。
毎回、プログラムは、よく知られた曲と自分が弾きたい曲をどう取り入れるか、苦労するところです。

第68回プロムナード・コンサート
4月14日(日)10:00~11:30(開場9:45)
姫路市文化コンベンションセンター アクリエひめじ小ホール
入場料 無料





「2024松尾益民ピアノリサイタルミニ」のお知らせ

2024-02-21 23:14:22 | ラ・プロムナード・ミュジカル
「今後のコンサート」の記事でお知らせはしていますが、3月9日に、姫路でもリサイタルを開催します。
と言っても、「リサイタルミニ」として、通常の半分の時間での開催です。
まぁ姫路ではいつもそうなのですが…。
横浜でするリサイタルの後半のプログラムで。
プロムナード・コンサートの番外編です。
それに、そう言えばショパンがないな…と、1曲ノクターンを付け加えました。
ノクターンというタイトルではなく、「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」が使われることが多いようです。
会場は、時期的なことも考慮して予約できるところ…ということで、イーグレひめじ地下の、市民プラザアートホールです。
元々プロムナード・コンサートは、客席が近いサロンコンサート的に開ける場所ということで、アートホールで始めましたが、だんだんお客様が多くなり広い会場へと移りました。
他の曲はリサイタルと同じです。

2024松尾益民ピアノリサイタルミニ
3月9日(土)14:30~15:20
姫路市民プラザアートホール
入場料無料




プロムナード・コンサートのドレスのことなど

2024-01-30 01:15:08 | ラ・プロムナード・ミュジカル
ドレスの写真を切り出すついでに、ところどころ自分の演奏を聴いてみたのですが、なんか若干落ち着きのない演奏しているなぁ…という感じ。
昴ももう少しゆったりと弾けばよかったかも…と。
毎回、反省点はいろいろありますね。

ドレスの件、連弾でカルメンを弾くので、赤か黒だね…ということで、黒地に赤となったわけです。
このドレスは、20代の頃出雲でリサイタルをした時に、自分でデザインしてプロの人に作ってもらったもので、出産後サイズが合わなくなってずっとお蔵入りだったのですが、数年前に自分でサイズ直しをして着られるようになったので、最近重宝しているものです。
黒は、見た目がわりとスッキリ見えますね。

後半は、制作をあきらめたので、どれにするかさんざん悩みましたが、これも数年前に姉の着物から作ったもの。
私にはちょっと地味なのですけど、着物からのリメイクなので、着物の帯風に…ということでゴールドのリボンを巻きました。
一応演奏する曲がグリーグのソナタで、北欧なので、あまり派手な色もイメージが違うし…というようなことは考えましたね。

アクリエだとピアノがフルコンサートグランドなので、見た目的にバランスがいいよなぁ…と思ってます。
まぁ恵まれた環境だな…と。

 


第67回プロムナード・コンサート終了です

2024-01-28 20:06:59 | ラ・プロムナード・ミュジカル
午前中は第67回プロムナード・コンサートでした。
たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
今日は、アクリエの大ホールで近畿大学の入試が行われたようで、混み合うかと思いましたが、全く関係なかったようでした。
今回は谷村新司氏の昴を演奏することになっていたので、それ狙いの人もあったかと思いますが、それでもきっかけは何であれ、足を運んで下さって聴いていただくというのが何よりです。
知らない曲も含めてお楽しみいただいていたら嬉しいですね。
また、入場料無料で開催し、開催費用の足しにとカンパをお願いしていますが、毎回たくさんのカンパをいただき助かっています。
今回も、新聞に掲載していただいたので、掲載後はお問い合わせが数件ありました。
大体が、予約は必要かというお問い合わせで、今後はきっちり忘れないように予約不要と新聞にも掲載したいただこう…と。
いつも思って忘れるのですよね…。
今日は出演者みんなの都合が合わず、終了後の反省会はナシでした。
帰りに駅前で穴子寿司を買って帰り、1人打ち上げ…。
おいしかったけど。

今は横浜に帰る新幹線。
休日だと、ひかりに乗ると新横浜駅でのバスの接続が悪く、仕方なくのぞみです。
のぞみは混んでますね。
2週間前に指定券を買った時は隣は空いていましたが、残念ながらしっかりいました。
名古屋以降新横浜まで止まらないので降りる人はなく、混んだままです。

ドレスは、今回は新作は作らなかったのですが、以前、姉の着物から作ったドレスにしました。
リメイクしようと思ったドレスがあったのですが、昴のアレンジに時間がかかったこともあり、断念。
それでも、ドレスは帰ってからアップしますね。