ぽてちの「人とはちがうモノ」日記

「人と同じことはしない」ぽてちが選んだ、いろいろなモノたちのお話。

「明日の話はしない」

2009-03-30 12:44:09 | 読みモノ
「明日の話はしない」(永嶋恵美)を読んだ。
なかなか上手な作家ですね。
「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた」で始まる三つのはなしが、
最終話でひとつにまとまるというしかけの、ミステリー(なのか?)です。
第一話は小児病棟のはなし。不治の病に冒された子供たちの話で、気が滅入る。
第二話はオカマのホームレスのはなし。
第三話は職を転々とし、今はスーパーのレジ係の女のはなし。
この第三話がいい。「明るいビンボーさん」的な笑える部分と、まさに今の社会の
貧困層が抱える深刻な部分のバランスがいいし、ストーリーの流れもいい。
それに比べて最終話はちょっと当たり前すぎというか、なんということもない結末。
結局、最初から最後まで、ひとつながりの話だった、ということ。
でも、また読んでみたい作家です。

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