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『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹

『赤朽葉家の伝説』
桜庭一樹
東京創元社

いや~おもしろかったです。

鳥取県紅緑村。赤朽葉家の、祖母、母、わたし。それぞれの時代をそれぞれの
時代背景の中で生きた3人と、赤朽葉家の盛衰の物語。
不思議な千里眼を持つ祖母、万葉。そんな万葉から生まれなぜか暴走族の
レディースの長として名を馳せ、後に売れっ子漫画家になる母、毛鞠。
そして、そんな母から生まれたわたし、瞳子。

鳥取の山深い村の不思議な言い伝えや、赤朽葉家の伝説。
ユーモアに満ち溢れたお話に、思わず最後には、読み終わるのが寂しくて、
もっともっとこの赤朽葉家に居候させてもらいたい、と思ったほどだ。

おもしろい要素はいっぱいあるのだけれど、何よりも、この母、毛鞠の年齢が、
ちょうど私と同じ歳くらいの設定であったために、自分の母の生きた時代、
私の生きている時代、と、時代背景が重なった。
そんなところが私をこの物語にグイグイとのめりこませた一因かな。

桜庭一樹は、鳥取の”八墓村っぽい”村に生まれ育ったそうだ。そんな故郷に
篭り、この作品を書き上げたそうなのだけれど、実際に、この赤朽葉家が存在
していたら、どんなに楽しいだろう。ちょっと怖いけど。

などと、いつまでも怖いような、楽しいような、不思議な感覚の残る物語。

一気に読みました。
おもしろかったです。
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