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REI

私が登山を始めた20年ほど前は、今のように登山用品が気軽に
手に入る状態ではなかった。店も圧倒的に少なかった。
登山自体が地味な存在だったせいもあり、専門店、というような
少し固いスタイルだったのだと思う。売っているものも、地味なも
のがほとんど。

もちろん、今のようにオシャレな雰囲気もなく、どちらかと言うと
硬派な感じだった。もちろん、モノが悪いというわけではないけれど、
登山を楽しむ!という雰囲気に欠けていたような気がする。

なので、当時、もっともっと華やかだった輸入物の道具に憧れた。
そこで出会ったのが、シアトルにあるアウトドア用品専門の消費者組合、
「REI(アール・イー・アイ)」だ。
見ているだけでワクワクするような道具の数々。画期的なデザイン、
カラフルな色・・・

今思えば、REIはシアトルでは大衆的な店なんだけど。

さて、当時。
今でこそ、日本にも(確か町田のショッピングモール)店舗があるけれど、
当時は、注文し輸入するしかなく、しかもインターネットなどない時代。
まずは、 REIの カタログを見て商品を選ぶ。。。。ドル建てで書いてある
ので、レートを見ながらの計算になる。

注文書をアメリカにFAXし、船便だから、2、3週間待っただろうか。
やっと届くREIからの小包。
ダンボールには、REIの文字。とにかくダンボールを開ける瞬間が
たまらなくワクワクしたものだ。
ダンボールを開けると、ぷーん・・・と”アメリカ”の匂いがしたものだ。
この”アメリカの匂い”がどれだけ嬉しかったことか!

ヘッドランプや山での食事に使うコッヘル、コンロにストーブ、寝袋や
ザック、テント、キャンプ用品まで・・・・
お小遣いを貯めては買い揃えていった。

今ではスポーツ用品店に行けば機能的で使っていても楽しくなる
ような道具が売っているし、patagoniaなどの店も日本に進出して久しい。
輸入品だって、インターネットを使えば簡単に”取り寄せ”することもできる。

そんな時代になっても、あのダンボールを開けるときのドキドキ感が、
忘れられない。
REIにはどれだけお世話になったか知れない。今でも、REIで買った山の
道具、キャンプ用品は手元に残っている。

あのワクワク感が、私の登山に対する考え方にも直結しているように
思う。
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