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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

Maybe My Baby Loves Me

2006-01-20 | グランドホテル ザ ミュージカル
アメリカを代表する芸術大学であるジュリアードでダンスを学んだ青山さんがジャズを踊る、これを見ないで「日本のダンサーがジャズを踊ると・・・」なんて語ることはできません。「狭いスペースでジミーズとしての演技を交えて」なので、ご本人としては技術的に必ずしも「全開」モードではなかったと思いますが、あの「ノリ」をこの目で見られて本当に嬉しかったです。「音楽に乗る」といいますが、この曲での青山さんの足はフロアを蹴っているというより、まるで音の上を戯れながら渡っているようで、この言葉によって「意味されるもの」を目にしてしまいました♪

 そしてまた『ウエストサイドストーリー』ではジェローム・ロビンズの要求どおりであろう、クラシックバレエの特徴である外股=アンドゥオールを駆使しながらジャズを見せてくれた(「WSS-Koji Aoyama Plays it Cool」を読んでいただけたら幸いです)青山さんですが、爪先を内側に向けてのステップ(は"The Grand Charleston"の特徴でもあります)も自由自在でした。この人の関節の可動域の広さは天賦のものとしか言いようがありません。おどろんぱでいうなら「はしれ!」や「ジャンプしてキャッチ」の開脚ジャンプで強くしなる脚、「ことばでアクション」では肩を叩きそうな足先、またグレイウォーターズ役で見せてくれたうねるような腕の動き、・・・関節の形状、靭帯の強さ、筋肉の質・・・などもろもろの条件がすべて揃っているんだろうな、としみじみ思います。ジュリアードの入学試験はその時点の実力に加えて、その後どれだけ伸びる人材かを重視する、とききます。なるほどですよね。

 もちろんご本人のダンスへの想いと努力も大きいとは思うのですが、これだけ恵まれた身体条件に、あの音楽性の豊かさを兼ね備えているのですから、「天はニ物を与えず」の愛すべき例外、ということなんでしょう。今はさらに歌、演技とますます表現者としての幅を広げておられますが、たぶんダンスの女神も音楽の女神も貴方を愛してる、その愛情が変わることはない、と思わずにはいられない"Maybe My Baby Loves Me"でした。これからも三物、四物と、詩神たちと相思相愛のところを見せてくれるに違いありません。


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