少し前、観劇直後の文章で、興奮の余り青山航士さんの決め技を何度か間違えて書いてしまっていることを白状しましたが、今日はその懺悔と言い訳を~。すみません、ひらに
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読んでくださっている方から、ときおり技の名称の問い合わせを頂くのですが、昨日触れたように、青山さんのダンスというのは洗練されたfusionで、クラシックの技をそのまま見せるのではなく、どこかしら現代の時間にあわせてアレンジしているので、私のような普通のバレエファンが書くと、とても長くて読みにくい(いつもより・・・)文になってしまいます。もっと詳しい方ならうまく表現されると思うのですが、力不足で申し訳ないです。
例えば一口に「回転ジャンプ」といっても、踏み切りや着地の脚の形で違う名前がついているので、書いてみてあまりの長さに消去することがしょっちゅうです。
再演の決まった『テネシーワルツ』の「エル・クンバンチェロ」の出の回転ジャンプを書いたときは、次のような文を書いていて間違えたのでした~。返す返すもすみません。
「めぐりあいっていいね」で披露されるトゥール・アン・レールは密かに普及期間のような感じで何度か(しつこく)書きましたので皆さんも「あれだな」というのはあると思いますが、私が見た際に披露されたのは高い高いソ・ド・バスク。
違う点は色々とありますが、まずトゥール・アン・レールがいったん静止して両足踏み切りで垂直に跳ばれるのに対し、ソ・ド・バスクは「助走して片脚をふりあげて」跳ぶように見えると思います。おどろんぱ'03年度の「ダンスダンスダンシング」の回、「チャレンジダンス」青山さんソロ編で言うと最初のものがソ・ド・バスク、最後のがトゥール・アン・レールです。
・・・ただ・・・ですね、ソ・ド・バスクは片足先を回転軸の脚の膝につけるのがスタンダードですが、青山さんは細やかにそのときに応じて両脚をのばしたり両方曲げたりしています。脚をのばすと回転はより速く力強くなり、脚を曲げるとそれだけ抵抗があるので柔かく浮揚感が出る、というので使い分けされているのだと思います(たぶん)。私が知らないだけで空中の脚の形でも別の名前があるかもしれませんが・・・。でもってさらに言うと、空中で両脚を伸ばして両足着地だとアッサンブレ・アン・トールナンということになります。暗かったり、前の観客の方の影になったりで実は私、この時の着地は見えませんでした云々。
ひとつの跳躍を書いても以上のような調子ですので、書いているうちに自分でめげてしまい、「・・・回転ジャンプ、にしとこう」とバーッと消したのが運のつき、なぜかトゥール・アン・レールを残してしまい、そのまま文章を書きアップしてしまいました。頭の中が「青山さんカッコよかったわ~」しかない状態だったのは覚えております。
でも今落ち着いた状態で考えると、ほんの1秒ほどの間に、様々の美しい形が詰まっているのがダンスの素晴らしさだし、それを観客の方を向いて丁寧に見せてくれるのが青山さんだという気がします。要領を得ない文ですが、「ぎっしり感」だけは伝わるかも、と今日はおそるおそるアップしてみました。
クラシックバレエの大技は本当に素晴らしいけれど、それはアジアの島国が重ねてきた時間のなかで培われた美意識とは違うものから生まれています。観客と距離があるのは当然かもしれません。それなのに、キリのように鋭い力強い回転をする青山さんの姿を見て、『テネシーワルツ』の客席はどよめきました。わずか1秒ほどの時空に、音楽にぴったりと合い、ダンスに親しんでいない人にも「!」な感情をわきあがらせ、魅せる形を選び出すセンスは本当に稀有のものだと思います。真のプロフェッショナルだけが持つ、あのフラッシュのようにはげしくも鮮やかなダンス、また見たいですね~。