platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

彗星(03)

2007-06-30 | うたっておどろんぱ! イラスト
 これもDVD未収録ですが2003年度『うたっておどろんぱ!』<へんしんじゃんじゃかじゃん>の回の一場面で、ジャンプしてこれから降りていくところ。いわゆる「ポーズ」ではないのですが右脚の描く円弧の軌跡が綺麗なので描いてみました。
 いつも豪快なこのジュッテアントールナンを披露してくれたあと、「踊る彗星・KOJI」に変身した青山航士さんは、ホルストの『惑星』にのせて、彗星の放つ膨大なエネルギーを感じさせてくれるソロを踊ります。空気の質感を変えてしまう独創的なダンスで素敵でしたね。できればそちらも描きたいのですが、あの「動き」を止めて描くなんて私にはできそうにありません
 この回には「マネトリックス」のユニフォームバージョンも放映され、サングラスをかけた青山さんのカッコよさにファンはうれし泣き状態。「マネトリックス パフォーマンス」よりダンスシーンはこちらの方が長く、必見です。ああ懐かしいな~。

*「マネトリックス」収録DVD*
『みんなもいっしょに うたってちょうだい おどってちょうだい』コロムビアミュージックエンタテインメント

おつかいにいこう!(01)

2007-06-27 | うたっておどろんぱ! イラスト
 『SHOW店街組曲』で八百屋さん役を務めた青山航士さん、2001年度『うたっておどろんぱ!』でもカッコよすぎる八百屋のお兄さんに扮した事があります。
 このイラストはその際のメイン曲「おつかいにいこう」の一場面をかなり真面目に(といっても私なりにですが)比率をとって描きました。時計と逆方向に回っていくところですが、このひねりっぷりはすごいですよね。また右腕と左脚が「直角三角形」を描いていて、青山さんのダンスに感じる「端正さ」はこんな幾何学的な正確さにも支えられているんだな、と思いました。・・・そのわりに絵がいけていないのですが、ご寛容のほど~また、この曲は残念ながらDVDに収められていません。ご覧になりたい方はNHKに「なんとかして」とかけあいましょう

おちばとあそぼ(01)

2007-06-19 | うたっておどろんぱ! イラスト
 季節感のないイラストですが、『うたっておどろんぱ!』2001年度放映の「おちばとあそぼ」です。これで青山航士さんのダンスに一目惚れした、という方も多い、懐かしの作品。

*収録DVD*
「うたっておどろんぱ! おもうぞんぶんうたってちょうだいおどってちょうだい」 税込価格 2,940円
コロムビアミュージックエンタテインメント


鶴 その2

2007-06-16 | うたっておどろんぱ! イラスト
 昨日、総閲覧数が20万pvを超えました。独り言を書いている日も多いのに、ご覧下さる皆さん、本当に有難うございます。
 「また~?」と言われそうですが、『うたっておどろんぱ!』2005年放映の「どうぶつケチャ」の鶴です。短いソロなんですが、まだ描きたいポーズがあるくらい、これは好きなんです

*収録DVD*
「うたっておどろんぱ! あしたにむかってダンス!」 税込価格 2,940円
コロムビアミュージックエンタテインメント



サリーとSacred Monsters

2007-06-14 | ダンスファンの独り言
 昨日は青山さん「出演しません」情報だし、その前は支離滅裂な独り言だし・・・とすっかりトーンダウンしていましたが、hildaさんから"Sacred Monsters"にコメント頂き、もう少しこの話題で突っ走ることにしました

 "Sacred Monsters"の劇作を担当したGuy Coolsは、観客の期待に答えようとするあまり、スター達は失敗したり、不完全であったり、ありのままの感情を表現する余裕がなくなっていく、と解説しています。この作品はギエムとカーンのソロとデュエットで構成されていますが、自分のソロを踊り終わったギエムはそのまま舞台の隅に正座したり(!)してカーンのソロをじっと見ていました。タオルで汗を拭いたり、デュエットのために髪を自分で三つ編みにしたり・・・と彼らの日々の研鑽がそのまま舞台に持ち込まれ、今も積み上げられているところ、という感じをうけます。完全主義者で知られるギエムが、形式としての完全さをスパッと切り捨てている、そんな風に見えました。
 Coolsは解説の最後にこう語ります。「二人とも古典的な伝統によって形作られ、育まれ、すでに素晴らしい価値を持っているけれど、さらに実験し、彼らの認識を一新し、もっと人間的な、彼ら自身の声を聞きたいと思っているのです。」
 公演各地でのレビューで必ずといっていいほど触れられているのが、前の記事で触れたマイムとギエム自身の「語り」です。かなりくだけた口調で、公演によって内容に違いがあるようですが、他の公演でも話したと思われるサリーの話を少しだけ。外国語を覚えるのに漫画『ピーナッツ』を読んだけど、自分はチャーリー・ブラウンのおませな妹、サリーに似ていると思う、子供のころ学校でサリーと呼ばれていたし・・・とギエムが英語で話します。幼いのに「哲学」なんていう言葉をちょくちょく使ったりして、大人の世界の決まりごとをポンと飛び越すようなところのあるサリーとギエムは、私の中でも重なるエピソードがひとつあります。
 ギエムが体操でオリンピックの強化選手だったことはよく知られていますが、たしか『徹子の部屋』にゲスト出演した際、バレエに転向した理由のひとつとして、「体操ではある程度まで行くと非常に危険なことをやらされる」ということを挙げていました。両親とも優秀な体操選手で、恵まれた身体を持って生まれた彼女は、その優れた資質と自分の人生を、本能的によく知っていたということでしょう。国威をかけた戦いを課す大人に「あいにくだけど、この体はメダルの台ではなくてあたしのものなの」とサリーさながらに言い放つ少女の姿が見えるようです。周りの期待にこたえるべく、非人間的に、化け物じみてくるのはスター達だけでなく、大人の期待にこたえようと子供も経験すること、子供は皆ある時期まで"Sacred Monsters"だ、ともCoolsはいいます。少女ギエムは"Sacred Monsters"に「される」ことを拒否した、とも言えるでしょうか。
 最初は、フランス演劇界の大スターのあだ名として"Sacred Monsters"という言葉が生まれたそうですが、確かに舞台の上の優れた表現者に、Monsterを感じることはよくあります。それが人間的であることと引き換えの輝きであったとしたら、少し舞台が怖くなりますね。人間的であって、Sacred Monstersでもあること、そんな形をこの作品は提示しているのかもしれません。この冬、ギエムの踊る古典はどんな世界を見せてくれるでしょうか。

『テネシー・ワルツ』再々演、青山航士さんは出演されません

2007-06-13 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
 神崎順さん公式サイトJewel管理人のぼのさんより、今年の『テネシー・ワルツ』再々演に青山航士さんはご出演されないとのこと、お知らせいただきました。いつも本当に有難うございます 公演詳細はJewel様の"Schedule"にアップされていますので、どうぞご確認ください。今年は他にもキャストの変更がありますね。
 神崎さんとの共演を楽しみにしていた青山ファンも多いと思いますが、またの朗報を皆で寝て待つことにしましょう。


Sacred Monsters

2007-06-12 | ダンスファンの独り言
 前の記事で触れた、やり直せるならもっとクラシックなダンスを創る、というボブ・フォッシーの言葉から、一ヶ月ほど前に観たシルヴィ・ギエムとアクラム・カーンの"Sacred Monsters"(英ガーディアン紙レビュー)を思い出しました。
 バングラデシュにルーツを持つカーンはインド古典舞踊のKathakを学び、現在は創作舞踊を中心に活動しています。自分をテニスボールに喩えて、自分の居場所は古典と現代舞踊を分けるネットの上、と語る彼の下肢の強さは西洋の舞踊手にはないものです。それぞれに古典舞踊の技術を身につけながら、芸術家の「創造する」という健全で真摯な営みを、のびのびとリラックスした表情で披露するギエムとカーンには、与えられた身体への愛情のようなものが感じられました。
 二人のダンスは途方もない包容力に満ち、カーンの大地のように安定した下肢の動き、鋼のように強靭であると同時にどこまでもしなやかなギエムの肢体の描く美しい造形に心行くまで見とれました。そんなダンスの合間に、ギエムがあれこれと話しながら床に左脇をつけて寝そべり、肘を突いて手で頭を支える、という一連の動作を一つ一つまったく独立した動きとして見せる場面がありました。これほど身体と意思がぴったりと一致した動きを私は目にした事がありません。まさしく圧巻なのですが、威圧するような感じではなく極上のパントマイムといった感じで観客の笑いを誘います。その動きの裏の、長い時間をかけて培われた技術の蓄積は、舞台に緊張感よりも安らかでゆったりとした空気を生み出していました。
 
 ボブ・フォッシーが殺し屋"Killer"と呼んだ舞台は、ギエムにとっては聖なる怪獣"Sacred Monsters"なのだそうです。作品"Sacred Monsters"もまた、現代の最高の技術のうちに、はるかに遠い時間の魔法が残っているような印象を残しました。クラシックの逆を行くようなシャープな動きで、ダンス界を一新した革命児フォッシーにとって、舞台がリアルで生々しい現代の時間を刻む修羅場そのものであったとしたら、彼が死の前年にクラシックなダンスに想いを馳せたのも自然なことだったように思います。
 様々なスタイルのダンスを身につけ、東洋の文化を血の中に持つ青山航士さんにとっての舞台はいったいどんなものなのでしょうか。・・・書きたい事がありすぎて、長くなったのを短くしたのですが、われながら支離滅裂な文章でひいております、失礼致しました。 

ボブ・フォッシーと殺し屋

2007-06-10 | ダンスファンの独り言
 チェット・ウォーカー氏のワークショップに青山航士さんが参加し、"Big Deal"の振付指導を受けた、とダンスファンが聞くと、どうしても想像してしまうナンバーがあります。
 ボブ・フォッシー最後のブロードウェイ作品"Big Deal"はロングランにはならなかったけれど、トニー賞の振付賞を受賞、なかでも'Beat Me Daddy Eight to the Bar'は、二人の男性ダンサーのダンスの素晴らしさで知られています。なんとブロードウェイオリジナルキャストでは、その一人がウェイン・シレント、BW版"Tommy"の振付家です。私もこれまで気付かず、BW版"Tommy"の舞台写真にしっかり「猫背内股」ポーズのものがあるのを見て、フォッシーの忠実なお弟子さんなんだなあ位に思っていたのですが、毎回アンコールがかかったという伝説のシーンのダンサーだったんですね~
 フォッシーと数々の名作を創りあげたMergery Beddowの著書"Bob Fosse's Broadway"によると、「たくさんのシンコペーションのリズムに合わせてキックやジャンプ、肩をすくめるしぐさを使い、リズムを掴むようにサスペンダーまで操って、素晴らしいスタッカート・ダンスを見せた」。・・・私の思い込みかもしれませんが、シャツが絞れるほどの汗を青山さんたちがかいたのは、このナンバーじゃないかと妄想は膨らむばかりです。ウェイン・シレント達も突き詰めた動きを積み重ねるような振付を踊り終わった後は舞台袖でぐったりし、アンコールに答えられるような状態ではなかったそうです。

 前述の本には、"Big Deal"初日4日前のインタビューでフォッシーが語った言葉が紹介されています。「もしやり直せるものなら(ジェローム・)ロビンズのようにもっとクラシックなダンスを創っただろう。もう遅すぎる。今じゃあ満足に動くこともできないんだ、自分の靴紐だって結べない。」坐骨神経症と背中の痛みを抱えていた彼は、コルセットをはめてこのショーに取り組み、「このショーを僕は愛している、だがね、こいつは殺し屋だよ」と言ったそうです。凄まじいですね。
 クラシックバレエの舞台を幾つか見てフォッシーのダンスを見ると、空間ごと強烈なエネルギーでねじれて異彩を放っているような感じをうけます。整然と、無駄のない理想の描線をたどるクラシックにはないドライブ感のある動きは、観客の想像を絶するようなエネルギーを踊り手に要求するのでしょう。フォッシーの舞台に漲る独特の魔性は、彼と「殺し屋」との愛という名の一騎打ちから生まれていたようです。 

Mr. Chet Walker

2007-06-07 | 表現者 青山航士
 青山航士さんが参加されたチェット・ウォーカー氏のワークショップ、凄そうですね~。青山さんが「惚れた」とまで言う人ってどんな人?と色々のぞいてみましたが、もう何から書いていいかわからないぐらい、世界中で活躍されていますね。
 でもなんといっても1999年のトニー賞受賞作品"Fosse"をボブ・フォッシーの愛弟子アン・ラインキング、夫人のグウェン・ヴァードンらと共同で発案し、振付の再構成を担当したことは外せません。フォッシーの作品を網羅し、エンターテインメントとはこういうものだ、という気迫が漲るこの作品、DVDが発売されています。フォッシーといえば、のティーカップハンドの写真がジャケットに使われていますね。レンタルでは見かけた事がないのですが、興味のある方は是非!
 "Fosse" ブロードウェイキャスト版 
 さてウォーカー氏、とんでもない忙しさのようなのに、指導も世界規模で行っておられるようです。特別講師としてプロフィールとお写真が紹介されているページがありました。
 Broadway Dance Center
 ワークショップで振付が行われたという"Big Deal"(86)はフォッシー最後のブロードウェイ作品です。翌87年にフォッシーは亡くなりますが、86年にはフォッシー自身が作品の集大成をつくるプランについてウォーカー氏と話し合っていたそうです。20世紀を代表する振付家でありダンス界の革命児であるフォッシーは死期を悟っていたのかもしれませんが、その遺志をついで20世紀の終わりを飾るように上演された"Fosse"は最高の花むけになったことでしょう。世襲制とはほど遠いアメリカのショービジネス界の財産は、才能から才能へと受け継がれていくようです。フォッシーが亡くなって20年後のワークショップでも、21世紀にふさわしい若い才能に受け継がれていますよね。
 

The Gifted and Talented

2007-06-05 | ダンスファンの独り言
 知人に誘われて、"Talent Development"の公開レクチャーを聴いてみました。平等が重んじられる日本では余り耳にしませんが、アメリカの英才教育についての話です。タイトルにある言葉が何度も繰り返され、"Gifted"は「天から優れた資質を与えられた者」、"Talented"は、「(主として芸術的)能力を備えた者」というところでしょうか。青山航士さんのダンスを初めて見た時、頭に浮かんだのもこの言葉でした。
 前にも書いた事がありますが、床に両手をついてウエストから下を大胆にひねったその動きのスムーズさ、描く円弧の鮮明さに目を疑いました。その一瞬の動きは練習を重ねることでは得られない、持って生まれた資質の驚異的な高さを語るのに充分です。また、残念ながらDVDに収められていないのですが、NHK教育『りんりん丸』ゲスト出演の「普通の日曜日に」で、片脚で描く大きな円にも、股関節の形状の良さがありありと見て取れます。そして完全に音楽と同調する多彩なダンスは、青山さんの音楽的なセンスを感じさせてくれます。
 レクチャーを聴いて、Gifted Childrenの才能をいかに伸ばし、大成させるかということにアメリカの教育機関がどんなに真剣に取り組んでいるかを改めて思いました。歴史の浅い、この若い国の財産は何よりも「能力」ということなのかも知れません。アメリカにダンスを学びに日本からやってきた14才の少年が、あれほど見事に異なる文化を吸収したのも、そんな取り組みの一つの成果なのでしょう。もしも青山さんが日本でダンスを学んでいたら・・・? あの恵まれた資質に変わりはなくとも、やはり違ったことになっていただろう、と思いました。
 アメリカが築き上げた、若い才能へのスケールの大きいサポートは、どこまでも伸びていく生命力をも青山さんの資質に与えたのでしょうか。ご本人のブログからは途切れることのない鍛錬の積み重ねが伺われます。「実力主義」といいきれない日本、まして一観客には何も出来ないけれど、The Gifted and Talentedなパフォーマーを、せめて心から応援しよう、と思います

ピュアピュアダンス(05)

2007-06-02 | うたっておどろんぱ! イラスト
 『うたっておどろんぱ!』2005年度第2回放映の「ピュアピュアダンス」から。舞台で青山航士さんを知ったという方は、「でも~、おどろんぱって子ども番組でしょ~」と思っておられるかもしれませんが、青山さんの多彩で質の高いダンスが楽しめる映像が一杯、大人も(というか大人のほうがずっと)楽しめる内容です。
 いまちょうど次回出演作が未定ですし、「あのダンスがもう一度見たい」なら、是非おどろんぱのDVDで 決めポーズで止めたり、スロー再生したりすると青山さんのダンスのダイナミズムがより堪能できます。ちなみにこの曲が収録されているのは
「うたっておどろんぱ! あしたにむかってダンス!」 税込価格 2,940円
コロムビアミュージックエンタテインメント

 このDVDは今トップ絵でイラストを使っている「三忍者」「どうぶつケチャ/鶴」も収録されていて、青山さんのダンスのカッコよさがイヤというほど味わえます。もしも私が関係者なら「内容にご不満のある場合は全額返金いたします」といってもいいほどのお勧め品です