platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

8月6・7日青山航士さんイベント情報

2005-07-29 | うたっておどろんぱ!
 「ウエストサイドストーリー」「ボーイ フロム オズ」などの舞台で青山航士さんをみそめた方に、あらためて今夏のイベントのご案内です。子供番組だからこそ、の隙のないダンスが楽しめると思います。間近で見る青山さんの動きの切れ味は格別ですので是非~!

「うたっておどろんぱ!」~おねえさん・おにいさんがやってくる~ ミニコンサートと握手会

(握手会は当日DVD、VTを購入された方限定)おどる君は欠席。下記開催会場のHP上には、あまり詳しい情報がないようですが、念のため。

 8月6日(土) 13:00~ / 15:00~ 
   そごう八王子店 (JR八王子駅北口すぐ)3階  時季の広場
   問合せ先 : 山野楽器そごう 八王子店  0426(26)1399 
 

 8月7日(日) 14:00~ / 16:00~
   ビビットスクエア (JR京葉線南船橋駅徒歩10分 京成本線船橋競馬場前駅徒歩15分)   1階 イベントスペース
   問合せ先 : HMV船橋 ビビットスクエア店  047(410)1010

杉浦日向子さんが亡くなられて

2005-07-27 | ダンスファンの独り言
NHKの「お江戸でござる」の名案内人であった日向子さんが亡くなられたことを新聞で知りました。ご自身のいう「隠居」になられる前の、江戸を舞台にした漫画は、部屋の小物、着物の柄などの細部にもこだわった、触感に訴えるようなリアルさがあって大好きでした。歌舞伎の女形は実際の女性というより「男性から見た女性像」とよく言われますが、杉浦さんのえがく江戸の女性は男性の視線が遮断された面にも及んでいて、たくさんの女友達の部屋を訪ねるような感覚で「江戸」を感じさせてくれました。

 そして綿密な時代考証を重ねて描かれた日常を背景に、ポーンと話が魔界に飛躍する「百物語」は性別・年齢問わず誰もが楽しめる傑作です。いま手元にないので確かめられないのですが、その中に確か、話す度に芳香を漂わせる武士の話がありました。不思議に思った友人が訳を聞くと、ある日彼が一人でいると天女が舞い降りて彼の口を吸った、その時から彼の口はえもいわれぬ良い香りがするようになったと答えます。とくに美男でもなんでもない善良な若武者として描かれていた記憶がありますが、優れたダンサーなどは、さしずめ天女が長居して抱きしめて行った人たち、というところでしょうか。「ウエストサイドストーリー」で"Somewhere"を踊る青山航士さんなんて、訪れた天女が帰らなくなったんじゃないかと思うくらいでした。

 歴史で習う遠い昔の「江戸」とはまったく違う、遺伝子上に残されているという「記憶」をよみがえらせるような、杉浦さんの江戸案内をもう聞く事がないかと思うととても寂しいです。呉服屋さんの娘さんだったとは昨日まで知りませんでしたが、彼岸で、涼しげな夏の着物で煙管でもゆっくりとふかしておられる、そう思うとします。

Sure Things

2005-07-24 | ボーイ・フロム・オズ
 青山航士さんファンサイト「アプローズ」のネタバレ板で、どこよりも詳しい「ボーイ フロム オズ」の"Peter's Sure Thing"レポがアップされて、また舞台が克明によみがえりました。あゆあゆさんの緻密なレポ、これはもう殿堂入りものの労作です! バレエを見始めた頃、やっぱり一番知りたかったのは、それまでの名舞台がどんなだったか、でした。ビデオを探し、古本屋を探すのが実際の舞台を観にいくのと同じくらい楽しかったな~。あのレポがあれば、これから青山さんのファンになる人も、「オズ」に行けなかった人も、想いをめぐらす事が出来ますね。

 いいダンサーを目にすると、とにかく色々なことを考えます。とくに「青山さんは日本のダンスを創る人になる」というのは、「森羅」を見たときから変わらない私の信念です。「オズ」を見ていても、例えばこの"Sure Thing"みたいに「個」を消して純粋に「群舞」で見せる曲を青山さんならどう動かすのかな、と想像して見ていました。日本版の「オズ」は、バンドで舞台空間に制約をつけたことを逆手に取るような形で、その間をうごくアンサンブルによって風景/情景を造っていたように思います。これから上り坂にある人生、クラブの熱気、アルコールの匂い・・・マッキンリー&マクニーリーも良かったんだけど、三忍者なんか見ていると「青山バージョン」が見たくなります。・・・ま、それは急ぐことはない夢ですね。

 >あゆあゆさん 青山さんの肘、かっこいいですよね~。もって生まれた資質にも恵まれた人だと思いますが、センスがいいというか、とにかくクレバーなダンスを踊る人だという気がします。そして遅れましたが昨日の地震、かなり大きかったようで、関東の方々、ご案じ申し上げます。

黒豹/ボーイ フロム オズ

2005-07-14 | ボーイ・フロム・オズ
 青山航士さんファンサイトの「アプローズ」にあゆあゆさんの「"She Loves to Hear the Music"詳細レポ」が「ネタバレ板」にアップされ、記憶がまざまざと蘇り、ファン心をかき立てられてしまいました。今日はファンモード全開です。

 「OZ」観劇前、CDをきいたり、公式サイトのビデオを見たりして、青山さんにこういう曲を踊らせたらどうなるか、ファンとしては充分予想した上で観にいきました。も、ぜったいカッコいいにきまってるんです。劇場についてパンフレットを見てもご本人が「お気に入り」だということで、心の準備は出来てたんですが・・・。BW版を見てはいないのですが、これはもう青山さんのために振付けたんじゃないかと思ってしまうぐらい、キマっていました。

 動物の体のラインが、どんな優れたデザインも超えることの出来ない洗練された美しさをもっているように、究極の機能性を発揮して踊る体躯はそれ自体が「作品」でした。黒のタイトな衣装に赤いラメの手袋が、黒豹が口をあけ、真っ赤な口蓋や舌を見せているような印象を与えます。ずっと前に「走れ!」でチーターに扮して高い開脚ジャンプを見せてくれましたが、ダンサーなら誰もが目指すような脚のしなり様で、分厚いスニーカーをはいているのに、くるぶしから下の動きまで見えるような気がしました。とても都会的なダンサーなんだけれど、野生の動物の美しさも併せ持っている・・・"She Loves to Hear the Music"はそんな特徴がよく味わえる1曲でした。

 忘れたフリしていたけど、やっぱり再演希望です。ボトムをタイトにして下さったら、なお嬉しいのだけど・・・しつこいと言われてもこの曲の青山さんは「黒豹」ですから、やっぱり。

ネットはつまらない?

2005-07-13 | ダンスファンの独り言
 このブログを読んでいるときも含めて(青山さんは素晴らしいのに、こんなブログか~、とか)一度はこのタイトルのようなこと思われるのではないでしょうか。玉石混合そのもののネットの世界、ものすごく広いのに、なぜか同じサイトばかり見てしまったり・・・

 ダンサーという方たちはあまり個人サイトを持ったりしません。踊っているときの自分がすべて、ということかもしれないし、実際、毎日の練習のあとに更新作業、ではかなりハードなことでしょう。でもいったん持つ、となればそこは肉体芸術の人々、ものすごく綺麗な写真集のようだったり、動画もたくさんあったりとファンならずともつい長居をしてしまいます。あまり数はないけれど、海外の舞台・ダンス関係のサイトは本当にネット界の「玉」だと思います。

 ブログが安定した記念(?)に今日はバレエ界からジャンルを超えた活動をしているアダム・クーパーのオフィシャルサイトをご紹介します。私は特にクーパーのファンというわけではないけれど、彼を中心としたプロジェクトの「すべての人が楽しめるものを」という意気込みにつられてついチケットを買っております。"gallery"ではたくさんの舞台写真が見られますし、"shop"では日本語のページも用意されています。

アダム・クーパー公式HP

 でもこれは良く知られたサイトでご存知の方も多いと思いますので、もうひとつ58回トニー賞発表会場、ラジオシティー・ミュージックホールなどでのThe Boy from Oz関連の写真を。ヒュー・ジャックマンがいっぱい! それぞれの写真をクリックすると拡大されます。

gettyimages

わかりやすいということ/グランディーバ2005

2005-07-11 | ダンスファンの独り言
 サーバーがようやく安定してきました。こんな期間にもアクセスしてくださった方、本当に有難うございます。相変わらずの駄文ですが、読んでくださる方がいると思うと嬉しいです。

 先日、ぽっかりと時間が出来たので、当日券で男性だけのコミックバレエ団グランディーバの公演を見てきました。バレエといえば、の「白鳥の湖  第二幕」でスタート。ナイナイの岡村君系のオデット姫と渡辺えり子さんそっくりの白鳥の「隙あらば」的なギャグの連発に、いちいち吹き出して受けてしまう自分がちょっと嫌~。大阪人の血って呪わしいです。

 「海賊より グラン・パ・ド・ドゥ」「瀕死の白鳥」「ボレロ」、バランシンの「ジュエルズ」をもじった「セミ・プレシャス・ストーンズ」と、バレエファンにも、そうでない人にも面白くという苦心のにじむプログラムでした。ベジャールやバランシン作品のように著作権/上演権で厳しく守られている作品をスレスレの線で見せる、というのは彼らのプロとしての腕の見せ所なのでしょうね。「ボレロ」はともかく、「ジュエルズ」はダンスファン以外には知られていない作品だと思いますが、彼らは安定した技術でこの演目も笑いをまじえて踊りきり、観客も楽しんでいました。ギャグを忘れて、本気で踊っているのが見え隠れするのもこのバレエ団の味という気がします。

 そして開演前から手に思い思いのプレゼントを持ったたくさんのファンが、カーテンコールでは一気に舞台前へ・・・。ダンサーにプレゼントをわたして握手と頬へのキス、と書くと、収集のつかないような騒ぎになったような感じを与えますが、実際にはほのぼのとして礼儀正しく、ダンサーとしての彼らを尊重した暖かな応援ぶりでした。今回の日本公演は9年目、それも3ヶ月にわたります。日本でこんなに長期の公演をしているバレエ団は、他にはロシアのレニングラード国立バレエ団ぐらいでしょう。もれ聞こえる会話からはダンスファンでなさそうな方が多く、「コミカルである」ということはこんなにも人を無条件でひきつけ、彼らのプロのダンサーとしての良さを「わかりやすく」するのだなあ、と改めて思い知りました。

 「おどろんぱ」のダンスはそうしたコミック的なものではありませんが、ダンスファンでない人を多くひきつけている点ではグランディーバに勝るとも劣りません。コントやエピソードにはギャグをはさみながらも、ダンスそのものはドタバタ的なおかしさとは全く異質の、心を弾ませるような「楽しい」ものです。青山航士さんを最初に見たときはその動きのあまりの質の高さに絶句しましたが、それでいて決して技術をひけらかすのではない、常に「見る側」に意識を向けたオープンな謙虚さにも驚きました。そのときから今までずっと、回を重ねるたびにアーティストとしての良心をつくした「すべての人にとって楽しいもの」が作り上げられていて、つい毎日のように見てしまいます。「おどろんぱ」で初めてダンスの良さに気付いたという方は多く、DVDもイベントの人気も高かったようで、供給する側がこの見る側の思いにもう少し気付いて欲しいなあ、と思います。きっかけさえあればファンならずともダンスに魅かれるひとが多いのに、いわゆる「業界」の方には「言語によらないダンスだけではわかりにくい」という判断があるような気がします。

 それは「ボーイ フロム オズ」でも同じで、作品のなかのダンスの役割が「場」を決定付ける大きなものであったのに、批評や掲載される舞台写真を見ると、ストレートプレイか歌劇だったかのような印象を受けます。それは実際にはこれまで日本に「踊れる」俳優がいなかった、というだけなのではないでしょうか。私がこれまで日本のミュージカル公演には親しんでこなかったのも、ダンスとして見る要素が少ないように思えたからなのです。ダンスは若い時期からの長期にわたる不断の鍛錬が必要で、これまでの日本の芸能界のタイムテーブルにあわなかったのかもしれませんが、ミュージカルの「伝説」といわれるようなスターの多くは、フレッド・アステア、ジーン・ケリー、アン・ミラーなど優れたダンサーでもあり、その洗練された動きによる豊かな表現にこそ、かけがえのない魅力を皆が感じているのだと思います。

 今回WSSに引き続いてオーディションで選ばれたアンサンブルは、ミュージカルがそうあるべきバランスでダンス・歌・演劇を見せてくれました。時代は変わり、演じる人も変わったこと、洗練されたダンスを見たいと思っている人が多いことが、制作側に認識されることを切に願います。「おもしろい」ものだけでなく、今までになく「すばらしい」ものもまた、わかりやすいと思うのですが・・・

三忍者 Ⅲ/リズムはスパイス

2005-07-05 | うたっておどろんぱ!
 ずっと「ボーイ フロム オズ」の話題ばかり追いかけてきましたが、公演中に放映された「うたっておどろんぱ/リズムはスパイス」の三忍者Ⅲ、アイディアが好きです。このブログは、舞台関連の各記事のアクセス数が「おどろんぱ」のものより圧倒的に多く、最大で15倍ほども違うのですが、舞台で青山さんのダンスをご覧になった方も、是非一度「おどろんぱ」ご覧になってください~。(土曜日午前9:00~9:15 隔週で17:25~17:40も)子供番組とはいえ、ダンス・曲とも質はとても高いです。「学期」にあわせたスケジュールなので、しばらくは再放送やお休みが多いかもしれませんが・・・ジャニーズの方かと見まごうような美青年の森川次朗さん、もし「娘の婿にしたいタレント」でアンケートしたら若い世代のパパ、ママから票を集めるであろう好青年の照井裕隆さんもお出ましです。

 さて、三忍者ですが、日本の発明である「廻り舞台」的な発想で前景が動き、どこまでも追いかけてくるように見える月と一定のリズムがあいまって効果的ですよね~。風と最後の犬の遠吠えで、空間が広く感じられ、前二作のひたすらのかっこよさとは少し違う、映像としての面白さがありました。最後にススキの影に消えて、月だけが残るのも素敵です。とにかく今回は頭脳プレイが光って新鮮な印象でした。

 順番が前後しますが、番組最初の曲の終わりに、セット奥へ移動するときも、青山さんは頭を殆ど上下動させずにすべるように走っていって、それだけでも「ダンス」になってますよね。いつもながら青山さんの一挙手一投足に、動きの軸を完全に制御した質の高さを感じます。「ボーイ フロム オズ」で、ちびピーターがおじいちゃんに真似して見せる往年のスター、ジーン・ケリーがこんな滑るような足運びをしますが、日本にこういう人いるんだなあ・・・。以前マクニーリー氏が日経エンタテインメントで「(WSSのために)来日して日本のダンサーのレベルは本場とかわらないと思った」と語っている記事を目にしましたが、青山さんという人は本当にいろんな偏見を取り除く人です。

 そしておどる君が「(リズムがなくて)踊りにくい」とこぼす二曲目、青山さんは晴れやかにメロディを踊って見せてくれます。リズム感あふれるダンスも素晴らしいけれど、こうした流れるようなメロディを踊るときのラインも、端正でのびやかで大好きです。有名なベジャールの「ボレロ」は、真ん中のテーブル上で踊る役を「メロディ」、群舞を「リズム」と呼び、やはり一つのリズムを保ちながら、身体でシンフォニーを「見せる」作品ですが、合成画面で青山さんがシンフォニーを奏で、見せる曲なんか見てみたい! 弦楽器、管楽器、打楽器、どの感じも青山さんなら演じ分けてくれると思います。ダンサーの動きで曲の世界を緻密に表現する「ボーイ フロム オズ」でも、"Love Crazy"なんか、空中を駆け続けるような軽いステップで、足音もポップな音色を帯びているように見えました。

 昨夜サーバーはまたまた「緊急メンテナンス」でした。こんな見にくい状態なのに、アクセスしてくださる方、本当に心から、有難うございます。

幕は下りても

2005-07-02 | ボーイ・フロム・オズ
サーバーエラーやメンテナンスで更新できないことが続き、話が少し前になりますが、関西TV6月27日深夜放送分の「演技者。」で、「ボーイ フロム オズ」初日を観劇した芸能界の方のコメントと、舞台が少し映りました。ほんの一瞬ですが"She Loves to Hear the Music"が流れ、青山さんの姿も正面から・・・いつもながら空間の切り取り方がシャープです。フジTVのHPには岡田真澄さんの感想が掲載されていて、アンサンブル、振付ともほめておられるのですが、TVのほうでは放映されず残念でした。

 また、来年のオーストラリア公演関連の記事を探していたところ、Sydney Morning Herald紙で、今回の日本公演のリハーサルを取材した記事を偶然みつけました。全体的に辛口の論調の中で「アンサンブル・キャストが深い情感をこめて日本語で歌う"I Still Call Australia Home"はすべての人を微笑ませるだろう」とのコメント。ダンスはなく、アンサンブル全員がカジュアルなアイボリー系の服装でコーラスするこの曲、私にとってはピーター・アレンの曲そのものをじっくり味わう場面でした。その直前まで、きらびやかなショーの世界を彩っていた青山さんたちアンサンブルが、オーストラリアへの望郷の思いをつづる歌声には、懐かしさがこみ上げてくるような、静かで澄み切った波動を感じましたが、この曲を非公式国歌とまで呼んでいるオーストラリアの方からもこんなコメントが聞けると、嬉しくなってしまいます。

 日本の雑誌でのミュージカル評は、同じように肯定的な記事がならんでいたり、TVでも「感動した」のオンパレードであったりと、私のような初心者は何が「いい」のか却ってわからなくなってしまいます。その一方で坂本さんや紫吹さん達のファンサイトを覗かせていただくと、心から応援しながらも、冷静に舞台をみて、欠点も含めてストレートに語っている印象を持ちました。マスコミの考えているよりも観客はずっと成熟してるんじゃないでしょうか。また、いわゆるミュージカルファンのHPでは、この「ボーイ フロム オズ」は話題になっていないようで、それが坂本さんがジャニーズ所属だから、という先入観によることであればとても残念なことだと思います。ベテランキャストの存在感は圧倒的でしたし、BW版CDと生演奏を比べるのは適当ではないかもしれませんが、オーケストラ(構成から言うとバンドというべきなのかしら)もとてもよかったのです。

 ヒュー・ジャックマン自身が喜ばなかったという、ブロードウェイ版の「ヒュー・ジャックマン・ショー」という評価は、日本公演にはいい意味で無縁のものであったようです。ミュージカル用に書かれたものではない曲を使い、20世紀の実話に基づいたこの作品は、前述の岡田真澄さんのコメントやオーストラリアの新聞記事に限らず、さまざまな点から語る事ができるのが、ひとつの楽しみでもあるように思います。幕は下りましたが、まだ頭の中ではピーター・アレンの曲が、風がふくように自然に聞こえてきます。そしてその曲のひとつひとつが、アンサンブルの身体の豊かな造形力による鮮明なビジョンを伴っています。それはひょっとしてアレンのミュージカル"Legs Diamond"の目指したものと重なるのかもしれません。