platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

A Clockwok Body

2005-09-29 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
前の記事で、ああだこうだと要求ばかりを書いてしまい、誤解を招いたかもしれませんが、青山さんはいつもどおり、全ての動き、指先一本一本にいたるまで、神経の行き届いたステージを務めておられました。(いつものことですが、あゆあゆさんのコメントのほうが、ずっと全体像が分かるので、皆様どうぞそちらを基にイメージ膨らませてくださいませ~。)

 第二幕が開くとまもなく、にぎやかに劇中劇「アニーよ銃をとれ」が始まります。青山さんは、神崎順さんのブログでも紹介されていた、カラフルなキャンディの包み紙のような衣装に丸い赤い鼻をつけて、ダンスというよりはマイムを披露・・・と書くと、今回の舞台を見送り、おどろんぱ「ストップモーション」の回で溜息をついた方の不安(?)を煽るかもしれません。でもこの時の青山さんの動きは目が覚めるくらいに鮮やかでした。

 レビューシーンでの堂々とした立ち居振る舞いとはまったく違って、熟練したピエロが見せるような、精巧な時計仕掛けの人形を思わせる動きが印象的です。壁に手をついてジャンプするパントマイムを交えてのユーモラスな動き、それがあまりに軽やかで、生身の体の「重さ」を感じさせず、実際よりもずっと華奢に見えるほどでした。衣装の下にあの鍛え上げた体ではなく、棒切れのようにやせっぽちな体が見えるような錯覚なのです。超一流の俳優の台詞回しの身体版、とでもいうか、サーカスの高い天井、ざわめき、歓声・・・そんなものまで感じさせてくれる、青山さんの身体の演技力に改めて感服しました。

 先週・先々週放映された「おどろんぱ」は、二年前の回の再放送ですが、これも青山さんのメカニックな動きが楽しめる回でした。初回放送時、ウディ・アレン調のメガネは賛否両論でしたが、脚を高く上げたまま、上体を大きく後ろにたおしバランスを保つところなんか目にすると、青山さんの身体の機能性の高さに思わず目を奪われます。そしてタイトル曲の「バラバラバランス」では、打って変わって体内の一点に力のベクトルを集中させるように、足を揃えて膝を曲げるポーズ(プリエ)が見られますが、私にとっては全ツボビンゴな力強い美しさ。(青山さんのプリエへの私の思いいれについては3月14日付の「プリエ ∞」のページを読んでいただければ幸いです)

 返す返すも惜しいのは、おどろんぱ秋の新作「ストップモーション」の回で「玩具」が題材となりながら、こういう動きが披露されなかったことです(とまたグチる)。他のメンバーのコスプレはともかく、テレビはもともと動くものでもなし。ファンはけして見てくれのかっこいい青山さんばかりを求めているわけではないのです。明後日の新作はどうなるのでしょう~。

 余談ですが、青山さんの人形振りに関する「ロボットと文楽人形」(3月5日付け)のなかで紹介した「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」を10月の歌舞伎座で坂東玉三郎さんが演じます。南座で拝見しましたが、人形振りマニアな私には垂涎の演目です。興味のある方は是非~。

一ダンスファンより謹んで申し上げます

2005-09-22 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
 「テネシーワルツ」千秋楽の様子、いろいろなサイトで読ませていただき、この作品がたくさんの方に与えた感動の大きさ、深さに改めて感じ入っています。

 島田歌穂さんが、来年に再演があるかもしれない、というお話をされたそうで、もう一度魅力溢れる「三人娘」の歌声、極上のライヴスポットに滑り込んだような演奏、心躍るきらびやかなステージングに触れられると思うととても嬉しいです。ただ、日劇のレビューの再現は、ダンスファンとしてとても興味を惹かれて拝見しましたが、正直申し上げてダンサーの方にここまで「観客のために」踊っていただくと、昭和末期から平成にかけての客である私などはなんだか申し訳なくなって、いたたまれないような気がしたことも事実です。「三人娘」の熱唱も、決して物まねでなく、アレンジも現代的なのに、ダンスだけが厳格に「形」をなぞっているように見えることもありました。

 今はオリンピックのメダリストを演者としたスペクタクルや、体力を競うテレビ番組からエンターティンメントとして「筋肉ミュージカル」のような新領域(?)ものが生まれているぐらいで、意識的に作られたものでなく、「鍛えられた人間の持つ能力そのものに」圧倒されたい、という気持ちが見る側にあるような気がします。筋肉ミュージカルはさておいても、私もその一人で、今回も中野ブラザーズを演じた松本晋一さん、加藤忠さんのお二人の、綿密に準備され、毎日の鍛錬がタップ音と共に輝きだすようなダンスに、心から憧憬を抱きました。タップを刻むときのダンサーの集中力、リズムと身体がひとつになって編み出されるスリリングなフォルムには、舞台との距離を忘れてしまうぐらい惹きつけられ、自分の胸の鼓動が、舞台上のダンサーの鼓動と同調するような気までしてしまいます。

 私は「レビュー」が何たるか、おそらくわかっていない人間ですし、当時の観客のために入念に考えられたパフォーマンス、それを否定するつもりはまったくありません。ですが、今日のダンスファンとしては、「レビュー」が過去のものとして完結せずに、再び魅力あるものとして現代に再生するほうが楽しいです。ですから、もしも再演の機会があるのなら、「20世紀/昭和」というクラシック(著名なクラシックバレエ作品は主に19世紀のもので、それを20世紀にすでに「クラシック」と呼んでおりました)を「21世紀/平成」の舞踊手の能力で見てみたいと思っています。今回も「エル・クンバンチェロ」はそうした吸引力に満ちて、魅力一杯でした。それは当時のレビューの再現ではなかったのかもしれませんが、当時の観客の味わった、テレビや映画などでは絶対に味わえないときめきを、時を越えて追体験できたと思っています。

 レビューという夢の空間の再現だけでなく、当時のダンサーの中にあったはずの「夢」、それも舞台に乗せて見せて頂きたいと思うのです。本当は演出の村田先生を終演後、劇場近くでお見かけし、お話したかったのですが、そのときはうまく言葉にならず、このようなところでモゾモゾと書きました。失礼なことを書いているかもしれない、と思いつつ、どうしてもお伝えしたかったのです。どうぞお許しください。

唐獅子牡丹

2005-09-20 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
開幕前、あゆあゆさんにいただいたコメントに「唐獅子牡丹」が演奏される、とあった事がずっと胸に残っていました。そののち、チエミさんにとって最後となったアメリカ公演で、「とても親しくしていた」人との想い出の曲として歌われた、と知り、ますます気になりながら、どなたのサイトでも情報を得る事が出来ないまま、幕開きを待つことになりました。

 そして実際に見てみると、作品「テネシーワルツ」中では、役作りのためとは知りながら、不在の夫を案じる余り体調を崩し、精神的にも疲れはてて夜の街を一人歩くチエミさんが口ずさむ、という設定でした。島田歌穂さんの演技、歌もさることながら、印象的なピアノのフレーズをはじめとするメランコリックなアレンジが、幾重にもまとわりつく焦燥、不安、刺すような孤独を感じさせ、劇場が寒くなったようにすら思えました。

 チエミさんのからっとした陽のイメージのせいでしょうか、プライバシーにふれるくだりには紋切り型のやりとりが多かったように思います。ですがチエミさんのラテンものなど聞くと、あれほどに熱情を感じさせる女性の声というのは、なかなか耳にすることがありません。島田さんの歌は私が感じたチエミさんの奥底にある激しさ、複雑な感情の襞、情の深さと完全にシンクロして、イメージどおりの素晴らしさでした。そして「キャリオカ」などに対比するようにして歌われる「唐獅子牡丹」は、どんな繊細な台詞よりも、大スター江利チエミが一人の女性として生きた時間を感じさせてくれました。

 もちろんそれは舞台上のひとつの虚構であって、事実とはまた違うとは思いますが、言葉にすることで生じる本当の感情とのブレ(中野ブラザーズと呑む場面)のようなものを、一切排除し、一音一音が感情の結晶のようだったこの「唐獅子牡丹」の音世界は、チエミさんのアメリカ公演での最後の熱唱と表裏一体のような気がしてなりません。音が物語る、私は耳が節穴で、こんな風に思ったことはなかったのですが、"Musical"という領域の見せてくれるものに目が(耳が?)開かれた思いです。

「エル・クンバンチェロ」に酔いしれて

2005-09-19 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
「エル・クンバンチェロ」の青山さん、ほんっとおお~にカッコよかったです~。作品あるいは素晴らしい共演者の方についても書きたいことは山ほどあるけれど、今夜はこれで突っ走りたいと思います。

 まず出が豪快な回転ジャンプで、挙げた両手にロープがついてるんじゃないかと思うぐらい、回転軸がピシッっと決まって高く、しかもかなり距離があり、クラシックの技術+ダイナミックさ+自由さを一気に味わえる、青山さんらしい閃光のような技でした。ああ、これだけでもいいからもう一度見たい。この曲はプエルト・リコの作曲家、ラファエル・エルナンデスの43年のルンバ・グァラーチャで、祭で杯(クンバ)を打ち鳴らして騒いでいる人、という意味なのだそうですが、青山さんが全身でリズムを刻む姿を見ていると、強いラム酒を呑むのと同じくらい酔いました。お顔立ちはクールなのに、なんでこんなにラテンが似合うのでしょう♪

 衣装はごくシンプルな黄色のフィット感の高い短いトップスに、一部ステテコとも噂されている白の膝丈のパンツ、お足元はもちろん素足。このトップスが優れもので、襟ぐりが背中側も深く丸く開いているので、肩甲骨の動きまでよくわかりました。いいダンサーは片手を動かすときも背中の真ん中から動く、という話を聞きますが、そのサンプルのように腕と連動してダイナミックに動く背面がとにかく綺麗なんです。肘を後ろに引いたときなんか、背中にまっすぐシャープな影が走るんですよお~。脚を大きく広げて顔を横に向ける姿も、洗練された首から肩、一部の無駄もない脇から脚へと伸びる線がこれまた綺麗~。ステテコ呼ばわりされようと、日ごろパンツとスニーカーに隠されている、磨き上げたようなアキレス腱まで拝見できて、ボトムもよかったです。全ファンに私の目や脳からダウンロードしたいぐらい、青山さんの体型の綺麗なところが100%出る衣装でした。衣装ご担当の方、本当に有難うございました。

 そしてあの細身の体からは想像もつかない、力強い熱い歌唱を聞かせてくれる島田歌穂さんをセンターにしての終盤、客席に背を向けて膝をつき、強い筋力でどんどん後ろに体を倒していくところもカッコよかったです~。坂東玉三郎さんが海老ぞりを涼しそうなお顔で決めますが、青山さんも余裕の笑顔、この曲は見所満載で、ファン冥利につきました。日劇の熱気もこんな風だったのでしょうか、何年たっても、私も覚えているに違いありません。

魔法が解けたのは

2005-09-16 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
あゆあゆさんに頂いたコメントを読んでいて、ジェローム・ロビンズのいた時代にニューヨークシティバレエ団に在籍し、またミュージカル・アクターとして"Cats"のNY/ブロードウェイ、ロンドン/ウエストエンド公演に出演された堀内元さんの話を思い出しました。少し前の話で、記憶が正確さに欠けるのですが、およそこんな話でした。

 バレエとミュージカルを演じるときの違いを尋ねられた堀内さんは、バレエの観客はなにかを探して精神的に身を乗り出して見ている(よくご存知ですよね~、さすがに)ので、ありのままの自分を出し、気に入るかどうかは観客にゆだねるような感覚、対してミュージカルの観客は「何かいいものを見せて」とゆったり構えているので、自分が80くらいの力しか持っていなくても、嘘でもいいから100持っているようにアピールしながら踊っている、という話をしておられました。

 私が「レビュー」を理解しているかは自信が無いのですが、堀内さんのお話をレビューに当てはめると、レビューの観客はもっと全てを預けて「夢を見せて」という感じではないかと思いました。日本が瓦礫から都市へとめまぐるしく変貌をかさねてはいても、決して庶民の生活が欧米の水準にあったわけではなかった時代、きらびやかな衣装やライト、エネルギーあふれる音楽、伸びやかに躍動する肢体・・・あゆあゆさんの言うとおり、「夢のお城」のようなものだったのではないでしょうか。真島茂樹さんの「踊り子」へのこだわりは、そうした観客との関係のことなのかな、と思いました。もっとお話聞いてみたいですね。

 ファンサイトを覗かせていただくと、「シンデレラの・・・」という台詞は「10年に1人の努力家」といわれたチエミさんのファンの方にとっては、とても納得できるものではないようです。まだ見ていないので(もう限界~)、勝手に想像しているだけですが、チエミさんが苦境に立たされ、「魔法が解けた」のは観客の方ではなかったかと思います。満面の笑顔で、夢を見せてくれる人の苦しみが見えたとき、観客の時計は12時を打ったのかもしれないですね。そして、そのあとのチエミさんの頑張りは、それまでとは違った夢を見せてくれたのだと思います。

 ・・・ご覧になった方、どう思われましたか?待ちに待って、私もようやく仲間入り、タイムスリップに行ってまいります~。この青山ファンは身乗り出しています。

真島先生@日劇

2005-09-13 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
恒常的にウケを狙って生活している大阪府民のひとりとして、ブログぐらいはウケ狙いをやめよう、とnice表示をしていなかったのですが、golgo13さんから初めてniceを頂戴し、やっぱりす~ごく嬉しいわ~。アホですねえ、私って。

 golgo13さんはマツケンサンバの振付をなさった真島茂樹さんのファンページ「真島茂樹ファンクラブ」を書いておられます。真島さんのお若い頃のお写真、日劇の舞台写真など、「テネシーワルツ」をぐっとリアルに感じさせてくれる記事、思わず引き込まれて読んでしまいました。真島先生、まるで踊るゴルゴ13のようにかっこいいお写真が。皆さんもぜひご覧ください。やっぱり赤い薔薇をお持ちのショットなどもカテゴリー「公演、イベント情報」のなかにあったりします。踊れる男の永遠の小道具、という感じなのでしょうか。

 真島先生のルーツ

夜が少し長くなったので

2005-09-12 | ダンスファンの独り言
 myさんのコメントを読みながら、「グランドホテル」への期待がまた高まりました。私はまだ初心者ですが、ミュージカルにはオペラにもバレエにもないものを求めています。ダンスの充実がこの大作を、今のこの時代にどんなふうに描き出すのか楽しみです。

 昨日は愛知県立芸術劇場で万博の記念事業として企画されたダンスオペラ「UZME」を観てきました。ソリスト、スタッフの顔ぶれの豪華さで随分話題をよび、内容も噂以上のもので、創造の営みのエネルギーを存分に浴びる事が出来ましたが、群舞に関しては万博のイベントである、それ以外のなにものでもない、と思いました。

 傑出したソリストを外部から迎えての上演、というのは日本のバレエ公演ではよくあることで、見るほうも一つの舞台上での技量の違い、格の違いというものをあらかじめ了承して見ています。この「UZME」に関して言えば、群舞の方の作品に対する真剣さというのは充分に感じられましたが、創造を通して見える「いきざま」が余りにも違うという印象をうけました。天才ルドルフ・ヌレエフが、ダンス/バレエの主役は群舞、といっても、それはある恵まれた条件下でしか望めないことかもしれない、と思えてしまいます。

 その一方で、私がこの一年ほどの間に青山航士さんの出演するミュージカルを見て、他では得がたいもの、と感じたのは群舞と舞台の一体感です。ジェローム・ロビンズに直接指導をうけたブロードウェイの振付家と、彼自身がオーディションで選んだメンバーによる群舞は、あまり奥行きがあるとはいえない日本の劇場にも計算された奔放さで動線を描き、あらゆる感情を形成し、視覚的な面白さを味わわせてくれました。CSで放映されるものを見るぐらいでしたので、偏見だったとは思いますが、それまでに見た日本のミュージカルのダンスには、往年の「ホームドラマのお茶の間」ではないけれど、あるひとつの面に向かって作られているような、整然としすぎているような印象を持っていましたので、本当に目からうろこが落ちる思いでした。

 そして今思えば、それは振付の面白さだけでなく、つくる側、演じる側の「いきざま」を見せてもらったということかもしれません。ジャンルを超えて「感動する」のは、私にとってはそれが見えるときのような気がします。皆さんはいかがでしょうか。

 「テネシーワルツ」も日劇時代を担っておられた方の生き様、江利さんと同時代を過ごした方の生き様がいっぱいに詰め込まれた作品のようです。中日も過ぎて、そうした方たちのたくさんの人生と共に、今、舞台という世界を作り上げている方たちのいきざまもきっと詰め込まれてきている、時空のカプセルのような空間を、遅ればせながら見せていただこうと思っています。

シアターガイドHPで制作発表

2005-09-10 | グランドホテル ザ ミュージカル
シアターガイドHPにも「グランドホテル」制作発表の様子が。トップページ右側の<過去の人気記事>(今はトップ表示されています)をクリックしてください。

シアターガイドHP
「ボーイ フロム オズ」のときアンサンブルにちゃんと目を留めておられた岡田真澄さんが、体調不良でご欠席とのことです。お若い頃はあのルキーノ・ヴィスコンティ監督が出演交渉をしたというぐらいの詩情漂う美青年でいらした(今も納得のご容貌)のです。元祖・深紅の薔薇の似合う男性の、華やかなお姿を舞台でぜひ拝見したいです。ご回復を陰ながら願っております。

niftyシアターフォーラムとlivedoorで

2005-09-08 | グランドホテル ザ ミュージカル
 「グランドホテル」の紹介記事が出ていました。紫吹さんがガラッとイメージの違うキュートさです。皆さん華やかですねえ。

@nifty シアターフォーラムhttp://forum.nifty.com/ftheater/index.htm

またライブドアでは制作発表の動画がみられます。リンクについての表示が見つからないので、

//news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1381138-20599/picture_detail

をコピーして最初にhttp:をくっつけてください。ページ右側下部の<動画一覧>をクリック、開かれたページをスクロールすると「グランドホテル」が写真付で表示されています。刻々と更新されるページらしいのでお早めに~。

 それから大阪公演なのですが、梅田芸術劇場でも今はとにかく未定、劇場としてご案内をしておりません、というお話です。うーん、私は希望的観測をしてるんですが・・・ 

プロの仕事

2005-09-07 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
 「テネシーワルツ」の好評ぶり、あちこちのサイトで目に留まります。キャストのかたの素晴らしい歌と、かつて「ときめき」の代名詞のようだった「レビュー」の再現に、往時を知る世代も、はじめて目にする世代も大きな拍手を送っておられるようです。

 アマチュアリズムが受けている気がする日本の芸能界で、スタッフ、キャストのことを知れば知るほど、この作品は「プロの仕事」という印象が深まります。テレビが娯楽の中心になってから、素人っぽさが魅力のタレントさんが増えた、ということなんでしょうが、そのわりにはアマチュアであることが殆どのオリンピック選手なんかには「メダルメダルメダルメダル」とものすごいプレッシャーのかけようです。いくら税金使っているといっても、かりに選手団の予算が一千億円でも国民一人当たり八百円程度の負担。それなのに「皆さんの声援にこたえられず・・・」とか語ったりする選手の方々は人格者だなあ。学校で一番になるのだって大変なのは皆しってるはずなのに、やはりこの国には優れ(すぎ)た「稀なる人」を嫌う傾向があるのかしら。

 それはさておき、たくさんの方が江利チエミさん、美空ひばりさんが舞台に帰ってきた、と語っておられますが、その言葉が口をついて出る前には「埋めようのない喪失感」があるに違いありません。確かにお二人とも、アマチュアがテレビではしゃいで、プロの芸にゆったりと酔うことの少なくなった、いらいらと忙しげな日本を見るに見かねておられるかもしれませんね。じつは私が生まれて初めて見た「舞台」は美空ひばりさんの舞台です。まだ幼稚園児だったと思いますが、最初の一声で鳥肌立つような想いをした記憶だけがうっすらと残っています。チビでもおとなしく最後まで聞かせてしまう方だったのでしょう。

 青山航士さんもプロフェッショナルであることを強く感じさせるアーティストですが、表現力も技術も高いレベルで兼ね備えた人だからこそ、子供の目を奪うことができるのだと思います。実際にはアメリカの芸術高校のダンス科、ボストン・コンセルヴァトリー、ジュリアードと非常にアカデミックな環境でダンスを学んだ方で、象牙の塔ではないけれど、「芸術」のとりでの中だけで仕事をする選択肢もあるというのに、全身で語りかけるような表現を惜しみなく見せてくれます。

 「アート」はもともとは精神性に関わるというより「技、技術」を指す言葉である事が、ストレートにこの国にはつたわって来なかったのかもしれません。「芸術」よりも日本に昔からある、技術に裏付けられた、というニュアンスのある「芸」という言葉のほうが訳としてはしっくり来るように思います。

 そんなプロの「アーティスト」による競演「テネシーワルツ」によって、チエミさんやひばりさんの後をたどるようにして、舞台に魅了され、愛する人が増えるような気がします。

『テネシーワルツ』初日おめでとうございます

2005-09-03 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
出演の朗報から今日まで早かったですね~。とくに今回は神崎順さんの日記でリハーサルの様子が刻々と伺えたので、浮かれっぱなしでした。昨日も青山さんを美しくメイクアップまでしていただいて、青山ファン一同、神崎さんにはいくら感謝してもし足りませんっ! 観劇当日は片目で神崎さんを、もう片方の目で青山さんを追わせて頂きます。

 あゆあゆさんに頂いたコメントに紹介されていた真島茂樹さんは「マツケンサンバ」の振付をなさった方ですが、「振付」の価値を認識させる趣旨で発足した「日本振付家協会」に所属されていて、そちらのHPも覗かせて頂きました。演出の村田大さんも所属しておられ、どことなくベジャールに似たプロフィール写真が・・・♪ やはり神崎さんの日記で、市川団十郎さんのような若き日のお写真を拝見いたしましたが、ダンスする男性ってお年を召しても素敵ですわ。 

 日本での振付/ダンス/ダンサーに対する感覚は、私も「Shall we ダンスな・・・」や「被り物」で思わずブツブツ言いたくなるほどなんですが、「おどろんぱ」のファンをはじめとして、意識が変わってきているのも実感しています。「得チケ」も出ることだし、迷っている方もこの際行くことにして、雑誌の写真や批評などでは絶対にうかがい知ることの出来ない、男性群舞の迫力(いっせいにジャンプしたりすると前方席には本当に「風」が吹くんですよ)、生の舞台の「動」を味わってほしいです。

 あゆあゆさん、誘惑の罠を張ってしまい、ごめんなさい~。無責任ながら私、東京に住んでいたらマトモな暮らしは出来なかったと思います。

イープラスで「得チケ」が

2005-09-02 | テネシーワルツ ~江利チエミ物語~
イープラスで9月7日以降の「テネシーワルツ」得チケが今日から受付です。7500円が3000円に割引されます。申し込みには無料の会員登録が必要で、手配・システム利用料として別途300円、クレジット決済、席は当日窓口でわかるということですが、コンパクトな劇場なので多少後方でも問題なく見られると思います。回数増やすのにはうってつけですよね~、東京近郊の方、この誘惑に乗ってはいかがでしょうか♪

イープラストップページはhttp://eee.eplus.co.jp/index.html
公演検索バーに「江利」と入力すると公演情報が出ますので<得チケ>と表示のあるほうをクリック。「会場案内」から座席表も見られます。