『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
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  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

合わせ練習で

2022-12-28 20:44:04 | 音楽・フルート
今年もあと数日となりましたが、本日はギターの宇高靖人さんと合わせ練習でした。

ブエノスアイレスの雲、浮雲、水月の3曲は、過去に共演しているので、新曲2曲中心に。

3月以来ですが、お互いに大きく進展したのを感じた充実の合わせとなりました。

過去のレパートリーも、より新鮮な曲として取り組めるのが楽しい。

フォーレのコンクール用小品も素敵に編曲してくださり、オリジナルのピアノとはまた違った素朴さが加わるので、より清浄な精神性が増すよう。

当日はピアニストと3人で一緒にやるアンコール曲も、色々とお互いアイディアを出し合って、磨きをかけてきました。


偶然、普段とは違う立ち位置でやったのですが、この方が、ギターと宇高さんにフルートの音が当たってより響いて、ギターとフルートの響きがブレンドされて、グンと飛んでいくような感じがした。

会場によっても異なるだろうけれど、当日リハではぜひ、試してみたい並び方でした。

ピアノの反響版を使うのと同じようなイメージで、客席から見て右(上手)にフルート、左(下手)にギター。

通常はフルートの先端が客席に向いた方が響くので、この逆のパターンでばかりやってきたのですが、何故か、今日は、とてもこの配置が良かった!

響いているのはギターだけでなく、宇高さんご自身も響いている感じがしました。
弾いているギターの音が身体に伝わっているだけでなく、ギターと混ざったフルートの音も伝わっている様な。

身長も高く、大きな方なので、その効果はよりあるような。
私とは頭一つ分以上、30㎝は違う。ギターもミニギターに見える・・
(写真はこの3月26日のコンサートの折のものです。)



通常、人の身体というのは、響きを吸い取る。
なので、お客さんの居ない会場でリハやって、「良く響くなあ」と思っていても、実際、本番では、「あれ?」という感じに最初はなる。理屈としてはわかってはいても。

でも、もしかしたら、ギタリストに限らず、釣り合いの取れた、良い演奏者の身体というのは、自分の音だけでなく、共演者の音も響きを増してくれているんではないか?とハタと思い至った本日でした。

フルートをさらっていても、ピアノや飾り皿や、色々なものが、音に反応して鳴っていることがあるけれど、滞りの少ない一種テンセグリティー的な身体は同様に響くのかもしれません。

宇高さんとギターに先端を向けて客席から見てハの字になるようにして吹くのは、新鮮で、とても良い感じでした。

私も自分の響きの振動だけを身体に感じるのではなく、ギターの響きも共に増幅できるような身体性を持たねばな、と新たな課題が明確になりました。

即ち「釣り合い」。

他者の音を聴いて合わせるのではなく、その振動をも自分の身体で受け取って感じて合わせる、という発想は今までなかったものでした。

今回の合わせだけでも、あとは当日リハと本番でも大丈夫なのですが、アンコールのトリオもあるので、次回練習はまた2月に。

久々に、気持ちの良いギターの響きに包まれて吹く、という至福のひと時でした。

宇高さん、年末のお忙しい中、ありがとうございました!




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