思いつくまま

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イビチャ・オシム著、長束恭行訳『日本人よ!』(新潮社)を読む。

2010年10月14日 12時34分56秒 | 読書
サッカー日本代表が岡田ジャパンからザックジャパンになって、ホームでアルゼンチンに1対0で勝って、アウェイで韓国に0対0で引き分けた今頃になって、この人の書いた本を読むなんて、あまのじゃくだなぁ。

自分の中では、アーセン・ヴェンゲルさんに次いで素晴らしい監督だと思っているのがこのオシムさんなのだ。
残念ながら脳梗塞で道半ばで退任してしまったが、元気だったら南アフリカ大会はどんな結果になっていたことだろう。

2007年に書かれた本なので、まだW杯ドイツ大会の結果までしか出ていなかったので、その頃のことしか書かれていなかったが、それでも非常に参考になった。
ドイツ大会、日本はオーストラリアに負け、クロアチアに引き分け、ブラジルに負けたが、それが実力なのだ。別にジーコ監督が悪いわけでも川口がダメダメだったというわけではない。日本人がマスコミも含めて期待しすぎただけなのだ。大会直前の親善マッチでドイツに引き分けたが、一方で出場しないボスニア・ヘルツェゴビナにも勝てなかったのだ。それが実力なのだ。

代表監督というのは辛い商売だ。負けた試合のあとでみんなで反省会をしようと思っても、すぐにチームは解散、選手は自分のクラブに戻ってしまい、選手を拘束したまま敗因を探るようなこともできないし、ダメな選手に伝えることもできないらしい。もっとも、ダメダメな選手は次から代表に呼ばないだけなのだが。

オシムさんは、スタッフを身内(旧ユーゴのコーチなど)で固めなかった。それもチームがバラバラにならないためなのだ。

日本が強くなろうと思って、ヨーロッパや南米の代表チームやヨーロッパのクラブチームの真似をしても、決して強くはなれない。
日本人の勤勉・敏捷という特性を最大限に活かしてこそ日本らしいサッカーができるのだ。しかも、走って走って、頭も使わないとね。それに試合中もコミュニケーションをとりながら。
メッシ1人では勝てない、水を運ぶ人も必要なのだ。

JリーグやAFCでアジアの中だけでサッカーをやっていないで、もっとヨーロッパや南米と真剣勝負で戦えとのこと。以前は興行でヨーロッパのチームが日本にやってきてJのチームと対戦してくれたが、これはあくまでも興行なのであまり意味が無い。
では、どうするか。それは、日本人選手がもっと海外に出て行って、経験を積むことが大切だ。 そして自信を持つこと、名前負けしないことも大切だ。

ここまで書いてきても、この本でオシムさんが言おうとしていることが10分の1も書けていない。

オシムさんはもっともっと真剣なのだ。 人生のすべてをサッカーに賭けてきた人なのだ。だからチームや選手だけではなく、審判やマスコミにもたくさんの注文を付けている。

やっぱりうまく書けない。
でも、この人が真剣に日本のサッカーのために、そして未来のために、自分を犠牲にして尽力してくれたことだけはよくわかったよ。


追伸:現在海外で活躍している日本人選手、本田圭・香川・松井・長谷部・長友・(内田)・森本・川島、彼らにはオシムさんのおっしゃっている強い日本になれる可能性を感じさせるなぁ。

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