思いつくまま

思いついたことを書いています。

『アフターコロナ』 見えてきた7つのメガトレンド

2020年11月08日 20時51分12秒 | 読書
『アフターコロナ』 見えてきた7つのメガトレンド  日経BP社 2020.7.16発行


分散型都市
  大都市化の終焉
  試金石はトヨタ自動車が静岡県裾野市で計画中の「Woven City」ウーブン・シティ

ヒューマントレーサビリティ
  スマホアプリで人間の行動を追跡する
  プライバシーの保護の観点から「監視社会」の入り口になる
  自治体がデータを管理した上で、高齢者が何人と会話したか記録し、位置情報から
  算出した移動距離と合わせて分析、健康面に関する適切なアドバイスを送る

ニューリアリティー
  オフラインとオンラインの両方の空間を自在に行き来する    
  Zoom爆弾で会議乱入、コールセンターが無人、在宅で監査業務、オンライン診療、
  ウーバーイーツは「巣ごもり消費」を追い風に利用者が急増

職住融合
  テレワーク
  街がオフィスになる「STATION BOOTH」、「CocoDesk」

コンタクトレステック
  「断密」を実現するためのテクノロジー
  エアカーテン、配達・配膳ロボット、宅配ドローン、無観客イベント、ビデオ会議、
  バーチャルイベント、eスポーツ、キャッシュレス決済、3Dプリンター、
  タッチレス製品、音声入力、無人レジ、オンライン診療、光触媒など
  従来はコストに見合わなかった新技術の導入が、コロナ禍を契機とした
  需要の変化で一気に進みだす

デジタルレンディング
  民間事業者が提供する、申し込みから入金までオンラインで完結できる融資サービスで、
  データサイエンスの技術を駆使して個人や企業の信用力を判定する

フルーガルイノベーション
  従来のサービスや製品、製造工程を再設計し、現場のニーズに合った安価で高機能な製品を
  開発すること
  新型コロナは企業の従来型の事業を見直す契機に

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「花粉症は1日で治る!」「花粉症は1週間で治る!」という本 ⇒ 治らなかった。

2020年02月19日 21時40分39秒 | 読書
小柳津広志という東大の微生物博士の書いた本『花粉症は1日で治る!』

本当に1日で治るならうれしいなと思って、ここに書いてあること、フラクトオリゴ糖を摂る、フラクトオリゴ糖の入っているゴボウ・玉ねぎ・ねぎを食べ、炭水化物を控えてみたものの、40年以上苦しんでいる花粉症は、さすがにたった1日では治らなかった。さらに3か月以上実践したが、やはりダメだった。

上記の本を書いた方が、そんな方法では治らないと書いている、溝口徹(新宿溝口クリニック院長)の『花粉症は1週間で治る!』、これは2年前に読んだが、さすがにビタミンDは書かれている量はあまりにも多すぎて摂れず、かかりつけの先生に???と思われながらも処方してもらい、量は少ないが2か月ほど飲み続けたが、もちろん1週間では治らなかった。


自分にとって治る!というのは、マスクや眼鏡をかけずに、抗アレルギー剤を飲まず、目薬もささずに、それでも外を闊歩できること。

そんな簡単に治るなら誰も長年苦労せぇ~へんわ。
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久米一正著『人を束ねる  名古屋グランパスの常勝マネジメント』(幻冬舎新書)を読む。

2012年10月19日 23時50分30秒 | 読書
今年の3月末に出たグランパスGM久米さんの書いた本。

この人はもともとは日立の人で、柏レイソル&清水エスパルスを経て、2008年にグランパスにピクシー監督と共に(たまたま一緒の年に)やってきた。当時のグラ・福島専務と小椋強化部長が静岡まで頭を下げに行って連れてきた。
この人のことは、この本を読むまでほとんど知らなかった。今年本を出して少し話題になっていたなぁという程度だった。
しかし、選手の茶髪や髭を禁止したのがこの人で、トゥーリオ&金崎ム~&ダニルソン&藤本ジュンゴ&千代反田&ダニエル&スピードスターの永井わさおを引っ張ってきたのもこの人、グラの年俸査定制度をコンピュータ化し確立したのもこの人ということがわかった。
2001年に岐阜長良川競技場でグランパスVSレイソル戦を見た時に、「無能な西野をクビにしろ!」というアウェイ側の横断幕を見た時にはビックリしたものだが、その事情もよくわかった。
ということで、書いてあることで気に留まったことをピックアップ。

・ふにゃシャチをビシッとしたキレのいいシャチにする。イワシをナマズと一緒の水槽に入れると、イワシは食われまいとしてピリピリする。そのために自らはナマズになる。(自分も職場ではそん(損)な存在だなぁ。)
・50人近いクラブのスタッフから、「私はストイコビッチ監督を決して裏切りません。最後まで監督を支えます。すべてを捧げます。」という血判を押した血判状を出させた。
・読めば誰でも同じ仕事ができるマニュアルを作成し、たとえば外国人選手が移籍してきても、受け入れや当地での日常生活に困ることがないくらいにしている。
・日立製作所時代の「逆判」、上司が気に入らない企画書には逆さまにハンコを押された。
・5位以内に3年ほど定着しているチームでないと優勝は難しい。グランパスは、2008年に3位、2009年に2位、そして2010年に念願の初優勝、2011年は2位(この年に優勝した柏レイソルは異例中の異例)と常勝チームになった。
・それでも1995年から1年半監督だったアーセン・ベンゲルさんの時が一番輝いていた。95年3位、天皇杯優勝、96年(途中からカルロスQェイロス監督で)2位、ピクシーもベンゲルさんの下で再び輝きを取り戻した。グランパスは、今はこのベンゲル監督時代の「魅力的で華麗なモダンフットボール」を目指している。
・名古屋と豊田に分かれていた事務所を、豊田のクラブハウスのところに一体化した。4千万円でクラブハウスに厨房を作り、特にユース・ジュニアユースが練習後にラーメン屋やコンビニにたむろすることがなくなった。
・Jリーグ王者に贈られるシャーレ(皿)の制作にこの人が関わった。
・韓国選手は上下関係が厳しく、2001年の柏にファンソンホン&ホンミョンボ&ユサンチョルという元韓国代表3選手がいたが、ユサンチョルが上の2人に遠慮してうまくいかなかった。
・柏で西野監督の時に、清水からぺリマンコーチを引っ張ってきてうまくいかず、それが西野解任論につながった。
(西野監督はその直後にガンバ大阪の監督として大成した。)エスパルスで守備的なアントニーニョ監督と前からプレスの石崎コーチがかみ合わず、ガタガタの14位になった。(その後長谷川ケンタを監督にして立て直した。)
・トゥーリオ&藤本&永井との交渉時には、カリスマ監督・ピクシーを同席させた。
・選手に不信感を抱かせない、ごね得は許さない、データ化により公平な査定をする。玉田に「タマちゃん、年俸、これくらいでいいでしょ」なんて言葉遣いは間違ってもしない。
・できれば、日本人選手(コーチも)に関するジュニアユース、ユース時代からのデータベースを作り、Jリーグ全体で共有したい。
・多くのグランパスの選手は、監督やコーチが大事な話をしているというのにメモをとらない。 トゥーリオや藤本は取る。書かないと頭に残らないし、考えも整理できない。
・コーチやGMは教育者、新聞を読め、地元の歴史に精通しろ、コーチが教えるのはサッカーの技術だけではない。人生の先輩として子供たちを育てなければならない。
・グランパスの赤いユニフォームに袖を通した「赤い人間」を大切にしろ。(レッズやアントラーズも赤)、柏なら黄色、ヴェルディなら、ガンバなら、だからユニフォームの色をころころ変えてはいけない。
・イビチャ・オシムは中村直志に、「おまえはミュージシャンか?、髪の毛を切れ、切ったらプレーがもっと良くなるぞ」と忠告した。おかしなことをしていれば、すぐに耳に入ってくる。規律を守れない選手には去ってもらう。
・選手には闘争心(真摯な姿勢)・積極性フェアプレー精神力(90分間の集中)を求める。フェアプレーとは、ただのきれい事ではなく、自分とチームの商品価値を高める重要なもの、ビジネス上の大切な商品である。審判は石だと思って文句を言うな。
・マスコミの意味を理解しろ、マスコミの背後にはファンとなりうる読者・視聴者がいる。取材を受けないのは、重要な宣伝機会を放棄することでもある。
・グランパスは過去の監督経験者を相談役として、重要度を評価している。ベンゲルはS、カルロスQェイロスやフェルフォーセンはAランクとしている。

この人は、ピクシー監督のことを、最初はアクが強く、エキセントリックで、選手への注文が多く、自分の思うとおりにプレーさせ、フロントにもガンガン要求してくるタイプの人間だと思っていたらしい。本当は如才なく、非常に細かい気配りもできる、親日家(納豆や川魚のアユも好んで食べ、京都や白川郷にも何度も出かけている)で、異文化を受け止める柔軟性も持ち合わせていることにすぐに気がついた。
ピクシーが現役時代にJリーグで主審に暴言を吐き何度もレッドカードをもらったのは、日本人DFが汚い手を使って彼のプレーを止めていた(秋田なんか審判の見ていないところで、後ろから頭突きを食らわせていた)、そうしないと止められなかった、でも、それを審判が見逃しているから怒っていたからなのに、なかなかそうは思ってもらえなかった。
ちょっと考えれば、ピクシーがアーセン・べンゲル監督やイビチャ・オシム監督といった世界的な名将の下で輝いていたわけだから、その時に学んだものは計り知れないものがあり、監督経験などなくても十分やっていけることは想像できるはずだ。将来は日本代表監督にもなってもらいたい。

停滞期に入っているJリーグへの提言として
「秋春に移行する。」、これは自分としては大反対。冬の時期に誰が寒い思いをしてまで見に行くのか。「施設をもっと充実させよう」、簡単に言うけど、屋根をつけ、風を遮り、ヒーターを入れるのは大変だよ。豊田スタジアムだって値段の高い席しかヒーターはついていないじゃん。ついでに、陸上競技場をサッカー専用スタジアムにするのはもともと無理がある。
「若手を鍛えるリーグを作る。」、Jリーグのサテライトリーグがなくなっているのを知らなかった。試合に出られない選手は練習試合さえなかなか無いというのは本当に辛い。
GMを養成する。サッカーしかやってこなかった人ではなかなかむずかしい。
「フロントも移籍しよう」だとさ。

久米さんのこと、今後いろいろな場面で注目して見てみようと思った次第である。
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勝間和代著『まじめの罠』(光文社新書)を読む。

2012年04月29日 23時56分56秒 | 読書
昨年出た本で、タイトルを見て前から読んでみたかったが、連休になって禁を破って自宅でこの本を読んでみた。(普段本を読むのは電車の中だけ)
当たり前のことばかり書かれていて、けっこうアバウトな感じの根拠のない記述もあって、思ったていたほど面白くはなかった。

「まじめな人」は、与えられたものに対して逆らわない、知らない価値観や意見をついつい批判してしまう(ホリエモンに嫌悪感を持つ)、まじめではないのに結果を出している人に対して敵意を持つ、やたらメモを取る、レポートに線を引きまくる、努力する自分に酔う、などなど。
検察官は無謬(むびゅう)だから絶対に間違わないということで、厚生労働省の村木厚子さんは起訴されてしまった。
他にも、日銀のデフレ政策、TKK(東大・京大・慶応医学部出身の医師)、想定外の原発事故、昔の対米開戦など枚挙にいとまがない。

自分にも当てはまるところがある。例えば、将棋の棋士で金髪・野月や、佐藤ナンチャラ(佐藤康光永世棋聖ではない!)とかいう生意気な言動でNHK杯でボコボコにやられていた棋士に嫌悪感を抱いてしまう。将棋と言えば真面目できちっとした人が強いという先入観があるから。
また、マスコミの報道で漢字が間違っていたり誤報を出せば、ツッコミを入れたくなる。(例:紅葉(コウヨウ)狩りの季節になりました。村上佳奈(菜)子さんが優勝しました。 アホか?)

「まじめな罠」に対するソリューション(処方箋)
1 失敗を恐れるな
2 問題設定そのものを疑え
3 動物的な勘、身体感覚を養え
  運をよくする法則①チャンスを最大限に広げる、②虫の知らせを聞き逃さない、③幸運を期待する、④不幸を幸運に変える
4 独立した経済力を持て
5 自分のまじめさや常識を疑え
6 正しい自己認識を持て

まぁ、こんなところかな。
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森繁和著『参謀』(講談社)を読む。

2012年04月28日 23時28分28秒 | 読書
昨年まで中日ドラゴンズの落合博満監督の元で8年間コーチとして一緒にやっていた森・元コーチが書いた本で、落合博満氏の『采配』http://blog.goo.ne.jp/piopure/e/fb0e6401b5943935caa28b8f294cfed5を読んだ後に読むと、中日ドラゴンズの強さの秘密がより一層よくわかって、すごく面白くて一気に読めてしまった。

森繁和氏、現役時代は西武で活躍していたことぐらいしか知らなくて、横浜の投手コーチをやっていたことなど全く知らなかった。
森コーチと言えば、毎イニング、投げ終わってベンチに戻ってきたピッチャーを掴まえては、何やらいつも手帳を片手にお小言を言っているイメージしか無かった。もちろん、昨年のMVP・浅尾きゅんがナイスピッチングで戻ってきてもである。

2007年秋の日本シリーズ、パーフェクト寸前のウルトラセブン・山井の交代理由もはっきりと書かれていた。ついでに楽天に行って活躍している鉄平を放出した理由も。 

横浜からドミンゴ投手が移籍してきたのも、この森コーチが横浜から中日に来たからだった。
全くコネの無かったドミニカに単身で乗り込んで、マルティネスやネルソン提督といった投手、それに大砲のトニ・ブランコを安い値段で引っ張ってきたのもこの人だ。
落合監督と一緒に中日にやってきて、どんどん中日投手陣が素晴らしいものになって、中日ドラゴンズが強くなって、その実力は認めざるをえなかった。川上、チェン、山本昌、守護ネ申・岩瀬、岡ブー(岡本)、暴れ馬中田、朝倉劇場、小笠原やる夫、ウルトラセブン山井、吉見、浅尾きゅん、高橋あっきー、コバマサ、クネクネすーさん、ネルソン提督などを上手に使いこなしてきた。
なので落合監督のクビを切る時に、このコーチだけは残しておいてもらいたいと思っていた。結果はダメだったが。

8年前にあっと驚く開幕戦で、(中日では給料泥棒の)川崎健次郎を先発させたのは落合監督だったが、あとはすべて森コーチがローテーションを考えていた。相手チームの裏をかくことも多かったが、今年からアホな予告先発制度をセ・リーグも導入して、この楽しみは我々から奪われてしまった。

マスコミにマル事項を漏らしてしまう中日OBコーチは次々にクビになって、ほとんどいなくなってしまったのも納得できた。

森コーチの言わば裏話、昨年までなら絶対に表に出ないことがいっぱい書いてあった。  

詳しいことはここでは書かないが、中日ドラゴンズが8年間に黄金時代を築けたのは、落合博満監督とこの森コーチがいたからに違いないって確信できる内容だった。


これを読むとさらに面白い。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32434

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ビートたけし著『ラジオ北野』(新潮社)を読む。

2012年03月31日 23時23分23秒 | 読書
ビートたけしが、その道の専門家と対談したものが10夜分

1 渋滞学の専門家・西成活裕
 山手線ホーム自体を動く歩道にしてしまえ。
 前の車との車間距離をあけて、スピードの調整をすれば渋滞は起きない。詰め過ぎるから渋滞してしまう。
 サボっているアリが大事、2割以上のアリがサボっているが、そういうアリが新しいエサの存在を見つけてくる。
 わざと渋滞を起こすことにより、客が増えて店が繁盛しだすこともある。

2 昆虫料理研究会代表・内山昭一
 キイロスズメバチはグルタミン酸の味、イナゴダイエット、タガメは柑橘系の味なので、そうめんの薬味にするとよい。セミはエビの食感で、食べるとナッツ系の味がする。

3 化学兵器専門家?・井上尚英
 サリン・VXガス・LSD、オウムの第7サティアン、炭疽菌をビルから散布しちゃマズイよな。

4 国際ボクシング展堂入り・ジョー小泉
 この人は一番興味がなかった。

5 浅草芸人手妻承継者・藤山新太郎
 手を稲妻のごとく素早く動かすから「手妻」、水芸は神々しい

6 バット作りで現代の名工・久保田五十一
 バットには長さや太さの制限がある。イチローも、松井も、落合博光も、高木守道も、ピート・ローズも、マイク・ピアッツァもみんなこの人のバットを使っている・いた。

7 地図と鉄道の専門家・今尾恵介
 歴史的な名前も現在では整理統合されてしまっているが、京都市のように住居表示に関する法律を無視したてい地名を残しているところもある。
 田園調布でなくて田園町府、ダサイたま、南セントレア市は生まれなかった。
 軍事秘密で、地図に載ってないところもあるとか。

8 人間国宝・十四代酒井田柿右衛門&中島宏+阿川佐和子
 化学処理した絵の具は使えない。職人がどんどん減ってしまっている。阿川さんはオマケ。

9 漢字の権威・伊東信夫
 故・白川静 立命館大学名誉教授の『字通』(平凡社)、漢字の成り立ちや意味がよくわかるとのこと。「鬱」の字は上に林の間に缶があって覆って---というふうに覚えていけば、小学生でも書けるようになるというが、自分には無理だな。

10 地震学者・尾池和夫
 この対談は一昨年の秋に行われており、東日本大震災のことは、全く予測していなかったのかも。神戸は、阪神淡路大震災が起こったあとなので、一番安全だとか。緊急地震情報が実用化された経緯がよくわかる。

それにしても、ビートたけちゃん、どんな話題でも深く突っこんでいけるくらい何でもよく知っているなぁ。

年度末はこれで終わり。
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根井雅弘著『サムエルソン『経済学』の時代』(中央公論社)を読む。

2012年03月17日 22時22分22秒 | 読書
ポール・A・サムエルソン(1915年~2009年)の書いた『経済学』、自分の学生時代、経済学部の学生はみんな都留重人さんの訳されたこの分厚い上下2冊の物語のような本を買わされて読んだんだよなぁ。大学に持っていくのも重かったなぁ。英語の原書を読まされていたところもあったなぁ。

この本のタイトルを見て、すごく懐かしくなって、ついつい手に取ってしまった。
もうあの頃勉強したことはすっかり忘れてしまったけど、この本を読んでいると、あぁそうだったなぁと思い出しながら読んでみた。
MIT(マサチューセッツ工科大学)という大学の名前もその頃知って、経済学者なのに工科大学かぁなどとも思ったりした。

理論経済学では、当然のことながら数学を扱うのに、私立文系の経済学部だと国語・英語・社会の3科目しか入試にないところがほとんどだよな。
自分は文系だったけど、もちろん入学試験のために数学も数ⅡBまで勉強したし、大学も一般教養では数学は必須だった。
それでも、この本に微分・積分などが出てくると、微分・積分ってそもそも何をやるものだったのかさえすっかり忘れてしまって、内容には専門性もあってさすがに難しかった。難しいところは飛ばし読みした。
新古典派総合とか、マクロ経済学(ケインズ)とミクロ経済学(新古典派)の統合などということも検討されていたようだ。

サムエルソンの理論にからむ経済学者も多く紹介されており、最初は、やはりジョン・メイナード・ケインズ、『雇用・利子および貨幣の一般理論』通称「一般理論」、J・A・シュンペーター、ケインズとは対立していた自由主義哲学のハイエク、ヒックス=ハンセン図のヒックス、反ケインズで「マネタリズム」のミルトン・フリードマン(『選択の自由』を読んだなぁ)、『ゆたかな社会』や『不確実性の時代』のジョン・ケネス・ガルブレイス、「合理的期待形成仮説」のルーカス、ケインズの愛弟子のジョーン・ロビンソン女史(この人のマクロ経済学の本を教科書でもないのに、自分で買って勉強したなぁ)、カレツキなどの経済学者の理論などもわかりやすく解説されていた。
アメリカのケインジアンは財政面から、不況時には減税や政府支出を増やして財政を赤字にして景気回復させる財政政策を導入したが、景気が回復して財政赤字を増税によって黒字に戻そうと思っても、選挙民や政治家がそれを阻んでしまって実行不可能だというブキャナンや、1980年代に流行った「サプライサイド・エコノミックス」(供給重視の経済学)、これをアメリカの当時のレーガン大統領も取り入れ「レーガノミックス」という言葉さえ使われていたが、結局は巨額の財政赤字だけが残って大失敗だった。

サムエルソン『経済学』、自分の持っているのは第10版、第12版以降はウイリアム・D・ノードハウスとの共著となっているとのことだが、時間があれば再び全篇読破にトライしてみたいものだ。
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落合博満著『采配』(ダイヤモンド社)を読む。

2012年01月25日 23時00分00秒 | 読書
中日ドラゴンズの監督だった落合博満氏の書いた本。今でもすごく売れている。
『コーチング』と併せて読むと理解が深まる。
http://blog.goo.ne.jp/piopure/e/c89063e40a012f8270761e2f0885aac0

本の中身が全部示唆に富んでいる。普通の人とは考え方が違う。

ドラゴンズの関係では、移籍して全く活躍できなかった川崎憲次郎をいきなり開幕戦で先発させたり、日本シリーズでパーフェクトまであと1イニングのウルトラセブン山井を降板させて守護ネ申岩瀬をリリーフさせたり、アライバの二遊間の守備位置を逆にしたり、若手外野手(平田りん・大島・野本K・藤井、堂上兄ちゃんなど)を競争させたり、英智や誰(岩崎達)をスペシャリストとしてずっとベンチに置いておいたりしたことの理由がよくわかった。
監督在任中はなかなか本音を語ってくれなかったから、オレ流(竜)でわからなかったことも、これを読んで納得できた。
とにかく試合で勝つこと、これが最大のファンサービスという信念でひたすら中日ドラゴンズが勝つことだけに専念していた。
また、プロ野球全般のこともよく考えていて、大量得点でリードしている試合では盗塁しても記録をつけないことやセーフティバントをすると非難されるというアメリカ野球的な風潮を戒めたり、野球協約やコミッショナー、審判・公式記録員のことなどにも言及されていた。

もちろんメインは野球のことというよりも、一般社会でも通じる考え方が全般を占めており、会社のえらいさんや普通の会社員が読んでも非常によくわかるように書いてあった。
その部分は今回はここには書かないが、自分にも役に立つ考え方がいっぱいあって、参考になった。

ただ、落合氏自身の野球以外のこと、たとえば息子のフクシのアホさ加減を見ていると、なかなかすべてがうまくいくというわけでも無いようで、1人の初老のおっさんになってしまえば、白米と焼き鮭を食べながら緩やかな時間を過ごしていくのが自身の采配とのことで、それもいいわなぁ。
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香山リカ・江川紹子著『きびしい時代を生きぬく力』(岩波ブックレット)を読む。

2011年12月22日 23時59分59秒 | 読書
2010年9月11日に長野県須坂市で行われた香山リカさんと江川紹子さんの2人が公演・対談したものに加筆したもので、面白かった。
ブックレットなので、あっという間に読めた。

香山リカさんの公演 「誰もが「弱者」の時代に」
・人生は思い通りにいかない
・何でも「自己責任」になってしまう時代になったが、自分だって突然どうなってしまうかわからない
・明日は我が身
・アンチエイジング、そりゃあ若返りたいけどむなしい抵抗
・自殺予防対策やうつ病対策にもっと企業や行政はカネをかけるべき、対策にはコストがかかるのだ
・インターネットが使いこなせないと世の中から取り残される
・人間はどんなに絶望的になっても、心を回復する力が備わっている

江川紹子さんの公演 「生きる力を育むために」
・厚生労働省局長だった村木厚子さんが無罪になった「郵便不正事件」
・アフガニスタンで拉致されたジャーナリストの常岡浩介さん
2人とも絶望に陥りかけたが、極限状況を希望を持って生き抜いてきた
・どういう状況でも楽しみを見つけることが大切
・村木さんは労働官僚として、拘置所で働く看守の勤務状況・労働条件が気になった
・常岡さんは人質に取られながら脅迫用のビデオを作らされて、自分はタリバンに拘束されていて身代金を用意するよう英語とペルシア語でしゃべらされたが、最後に犯人グループが理解できない日本語を使って、絶対に金は払ってはならないとビデオに吹き込んだ、それで日本大使館も身代金を支払わずに済んだ
・無理に勝とうとせず、負けないことだけを考える
・強いプロ意識を持つ
・自分を見る客観的な視点を見失わないように
・考えても仕方がないことはとりあえず置いておいて、今できること、今あるものは何なのかを考える

対談「生きる意味―人間として尊重される社会をめざして」
・弁護士に頼むにはカネがかかる
・病院には努力病・向上病(カツマ~~)の人が多く来る
・ナンバーワンではなくてオンリーワンになれって言われても、オンリーワンになることも大変なこと
・効率を追求するばかりではなくて、「釣りバカ日誌」のハマちゃんのような存在も必要
・コーチにグラウンドを「オレがいいと言うまで走っていろ」と言われ、コーチが姿を消してしまう状況はキツイ、100周と言われたほうが減っていくのがわかって楽(ラク)
・東京の気象予報士が大騒ぎしても、関東以外では全く違う状況になっていることがある
(屋外から放送しているNHKのナベラン、10月下旬からコートを着て寒い寒いと大騒ぎしすぎ、真冬になったらどうするの、もっと暖かくなるようなことを言えよ)
・夢は叶わないことも多い、成功した人の話ばかり聞かされても同じようにはできない、逆に失敗した人の話を聞いたほうが参考になることもある


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長友佑都著『日本男児』(ポプラ社)を読む。

2011年12月15日 22時55分55秒 | 読書
サッカー日本代表でインテル所属の長友選手が書いた本。

長友がまだ小学3年生だった頃に、両親が離婚して、母親が1人で姉と長友と弟の3人を苦労しながら育てたことや、中学生の頃にゲームセンターに入り浸りになっていたところ、サッカー部の熱血先生が引き戻して熱血指導をしてくれたことなど、長友が非常に良い人たちに支えられて育ってきた、そして本人もそれに応えるように頑張ってきたことがよくわかる内容だった。

寝不足になりながらもサッカーと勉強の両立を果たした東福岡高校から明治大学へ、そしてFC東京のJリーガーとしてデビュー。
自分は、この頃ようやく長友の存在を知り、FC東京にすごい走力のあるサイドバックがいるなぁと期待して見ていた。

そして、岡田監督率いる日本代表に長友が初招集され、豊田スタジアムで行われたコートジボワール戦を間近で見たことを思い出して、すごく懐かしくなった。
http://blog.goo.ne.jp/ms1229jp/e/ee9cda9ec4911f80391115e1eef36787
あの頃はまだ代表デビューしたばかりで、あまり特徴を活かしきれていなかった。

その後、U22日本代表として北京五輪予選を勝ち抜き、北京五輪本大会、グループリーグのアメリカ戦では全く振るわなかったし、結局3戦全敗だった。

それでも長友はどんどん成長して、日本代表に定着して、ワールドカップ南アフリカ大会のレギュラーとして、日本代表がホーム以外で行われた大会で初の決勝トーナメント進出に貢献した。
昨年の夏にイタリアの弱小チームのチェゼーナへ移籍、そこでローマと引き分けたりACミランに勝ったりして、長友効果抜群だった。
今年1月のアジアカップで優勝したと思ったら、強豪チームのインテルに電撃移籍。

すぐにチームに溶け込み、あのお辞儀のポーズ。鹿島でプレーしたレオナルドが監督だったことも幸いだった。インテルのスーパースター達は練習から全く手を抜かずにしっかりやっていることも、人間性の良さもすごくよくわかった。

成功街道まっしぐらな感じの長友だが、実は腰にはヘルニアを抱えており、その痛みに負けそうな時もあったが、それを非常に前向きな精神力と体幹強化で乗り切ってきて、今に至っている。

東日本大震災の時には、遠くイタリアから日本人を元気づけるために何ができるかを考え、やはりサッカーで頑張るしかないと試合に集中してきた。

ともかく何事にも前向きに頑張ってきた長友。
「世界一のサイドバック」目指して頑張れ長友
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