Piki-blog

~色々なものに興味がありすぎて困っている音楽家が日々の出来事や想いを綴っています~

図録(5)

2024-08-26 05:45:00 | 美術・絵本
<20240826>38年程前の事、どうしても手に入れたい絵がありました。それは矢野喜久男さんが描いた「白いバレリーナ」と題されたパステル画です。それを目にした時は社会人になったばかりでお金がなく買えなかったのですが、その後眠れない夜が続いたので京都の画商に持って来てもらい、何とかかき集めたお金と引き換えにそのまま置いて帰ってもらったのでした。
          
その絵は今もリビングにあるのですが画家の事は気になっていたのでたまに調べたりしたものの詳しい事はわからず…そんな中、矢野さんの「西行桜」(かもがわ出版)と言う画文集がある事を知ったので購入しました。桜の名所である吉野の西行庵には何度か行った事があり、その何度目かの時にガイドをして下さったお坊さんが“願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ”と言う西行の和歌について話されたのですが、その和歌がこの画文集の核になっている事に不思議な縁を感じました。これをはじめ数十の和歌で綴られたエッセイと自選作品集によって画家の見識や人となりを知る事が出来、初めて買った「白いバレリーナ」に益々愛着を持つ事が出来ました。あとがきに「死や老いがあるから生命は美しい」とあるのですが、私の座右の銘である「全力で取り組む姿は美しい」と通じるものがあり嬉しく思いました。
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