1700年代のフィレンツエの風景を添えて、1900年代のデザインをアレンジした実用品。
手描装飾：笠原知子(2015年作)／白磁素材：R-Ginori（ボックス）、他国産
フィレンツエ時代に借りていた住宅が、昨年（2014年夏）売りに出たのです。フィレンツエ空港からほど近くの好立地、しかも静かな歴史地区。しかし、到底私の手の届くはずもない。誰の手で守られ、受け継がれていくのでしょうか。。。
それは1911年の歴史的建造物でした。エンジニアだった当主は、外観や内装をリバティー様式で統一し、壁面や天井のフレスコ画の全てを、ドッチア（現在のリチャード・ジノリ社）のアーティスト達に描かせました。写真は（以前もブログで紹介したと思うのですが）、寝室に使わせて頂いた部屋の天井画です。これも勿論、その一作品。
当時、私は凛とした女主人と2人暮らし。80代のライフスタイルにとって余りある部屋数だったので、それぞれの扉には、鍵がかけられていました。ある日の休日、彼女は、全ての鍵が一束になった鉄輪を重そうに持って来て、思い出話をしながら、1つ1つ室内を見学させてくれました。そう、私がドッチアの絵付師を目指していたのを快く応援してくださっていたから。家具や照明、調度品など、どれをとってもエレガントで、頭がクラクラするぐらい洗練された空間。親族やお客様が来る時だけ、必要に応じて使っているという室内は、柔らかなフレスコ画に包まれて、20世紀初頭の香りそのままに、静かに呼吸を続けていました。
2015年の今年、世界が誇るイタリアの老舗「リチャード・ジノリ」が、創業280周年を迎えました。新宿伊勢丹、高島屋二子玉川店など、主要百貨店の売場が次々とリニューアルオープンしています。なんだか、ワクワクします。ブランドが伝えているように、「メイドインイタリーを守り、進化を続ける姿」を、これからも私なりに応援していきたいと思います。そして、伝統に誠実に向き合いながら、常に新鮮な空気を取り入れて、今まで同様に制作や指導に努めます。普段の生活を心地よく、魅力的に変える、皆様への夢のご提案として。（写真：イタリアのアニバーサリーショップのウィンドウ）
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2015, 280°anniversario, Richard-Ginori presenta continuatamente le nuove collezioni su mercato. Penso che si sia' trasformata piu' forte. Ci crederei positivamente. Non sono decoratrice a mano all'interno. Ma, dipingo la cosa bella e insegno per chi si interessa con la tecnica tramandata dai mani maestri di Doccia, a volte in campo artistico, avolte in campo pratico. E' che sia un mio metodo di tutto sentirmi felice, sia un modo di trasmettere la richezza di vita fra di noi. Firenze 2015, vorrei memorizare di mia vita breve ma piena quelli profumi raffinati, sembra proprio di essere 280 fiori.
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