ようやく、ようやく知ることっておもしろいなあと思えます。日本史の話です。私、大学で日本史やってましたが日本史マニアってわけでもなく。それこそ、戦国時代なんかその辺の人の方がよっぽど詳しいのではないかと思うくらい。ほら、信長の野望とかってゲームとかあるじゃないですか。
それでですね。まあ、興味はあるのですがそれほど知りたいと思っていなかったことが、最近は知ることが楽しくなっています。大学の時は読むのも厭になるくらいだった石母田正さんとか網野善彦さんの本がおもしろいです。やっぱり興味を持たないとどんな文章もただの文字列でしかないですからね。
本日は、選択制のお題を単発で。即興なんでどうなるか自分でもわかりません。今から書きます。お題は引き続き「コ・コ・コ」様より拝借しました。
そうそう。今日、初めて丸ビル行きました。お寿司おいしかった^^
**************************************
誰が隣に一緒にいるのか
びょう、と冷たい風が唸る。
暗く重い夜が街を覆っていた。
今日は新月だったか。
マンカストラップはただ茫然とそう思った。
月の光は怪を呼び起こすという。かのマジシャン猫の言うところの、この世のものではないものたちが月の光に呼ばれるのか。はたまた、生ける者たちの内に巣くう邪な者が喚起されるのか。
だとしたら。マンカストラップは考える。どうしてこれほど黒く闇の立ち込める月明かりのない夜に、自分は身に覚えのない言いがかりを付けられた上に、多勢に無勢の言葉そのままに殺気立った見知らぬ大勢の猫たちに囲まれなければならないのか。
「おい、ボケっとしてたら殴られんぞハゲ」
「はげてなどいるものか」
突如、耳に飛び込んできた罵声。反射的に言い返しながらちらりと目をやれば、相手はニヤリと笑った。いつもの顔だ。マンカストラップは大きくため息をついた。
「仕方ないな。さっさと片付けて帰らないとバブが心配する」
「してねえよ。子供はおねんねの時間だぜ」
マンカストラップは無言で構えた。相棒は、背中あわせになるようにして構えている。ざっと見て、いきり立っているよそ者は6・7匹程いるだろうか。
「多いな。面倒なことになったもんだ」
「ふん、面倒事はさっさと終わらせりゃあいい」
「簡単に言うもんだな」
いつもの癖でぎゅっと眉を寄せたマンカストラップの背で、微かに笑う気配がした。
「何だ?」
「心配性だな、てめえも。知ってたけどな。おいお前、誰が隣にいると思ってんだよ」
マンカストラップは思わず振り向こうとした。だが、途中で止めた。そしてフッと笑って言った。
「あいにく、隣には誰もいないようだ。背後にはいるようだがな。すっとび馬鹿が、一名ほど」
「ほう。言ってくれるじゃねえか減らず口め。覚えてろよ」
「でかい口叩いてるが、どうもさっきから酒臭い。酔いどれにこのチンピラどもを相手できるのか?」
「へっ、舐めんなよ」
背中の男はおそらく胸を張った。そんなような動きがマンカストラップに伝わってくる。
「俺様は酔拳の名手だ。知らないたあ言わせねえぞ」
「知るか、馬鹿」
ごく短く相手を罵倒して、マンカストラップは体勢を低くした。負けるわけはない。負ける気は全然しない。たぶん、背中を預けたのがこの男でなければもう少し悲観していたかもしれないけれど。
脳裏で戦い方を一通り思い描く。そして、その逞しい脚で地を蹴り出した。
「そっちは任せるぞ、タガー!」
**************************************
最後のセリフっていろいろ迷ったんですけど。信頼してるぜ、という感じを出したかったけど力尽きました。制作時間は構想からはじめて55分くらい、というか構想にかかった時間がほとんど。マンカスとタガーのSSでした。時間のわりにくだらない。
それでですね。まあ、興味はあるのですがそれほど知りたいと思っていなかったことが、最近は知ることが楽しくなっています。大学の時は読むのも厭になるくらいだった石母田正さんとか網野善彦さんの本がおもしろいです。やっぱり興味を持たないとどんな文章もただの文字列でしかないですからね。
本日は、選択制のお題を単発で。即興なんでどうなるか自分でもわかりません。今から書きます。お題は引き続き「コ・コ・コ」様より拝借しました。
そうそう。今日、初めて丸ビル行きました。お寿司おいしかった^^
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誰が隣に一緒にいるのか
びょう、と冷たい風が唸る。
暗く重い夜が街を覆っていた。
今日は新月だったか。
マンカストラップはただ茫然とそう思った。
月の光は怪を呼び起こすという。かのマジシャン猫の言うところの、この世のものではないものたちが月の光に呼ばれるのか。はたまた、生ける者たちの内に巣くう邪な者が喚起されるのか。
だとしたら。マンカストラップは考える。どうしてこれほど黒く闇の立ち込める月明かりのない夜に、自分は身に覚えのない言いがかりを付けられた上に、多勢に無勢の言葉そのままに殺気立った見知らぬ大勢の猫たちに囲まれなければならないのか。
「おい、ボケっとしてたら殴られんぞハゲ」
「はげてなどいるものか」
突如、耳に飛び込んできた罵声。反射的に言い返しながらちらりと目をやれば、相手はニヤリと笑った。いつもの顔だ。マンカストラップは大きくため息をついた。
「仕方ないな。さっさと片付けて帰らないとバブが心配する」
「してねえよ。子供はおねんねの時間だぜ」
マンカストラップは無言で構えた。相棒は、背中あわせになるようにして構えている。ざっと見て、いきり立っているよそ者は6・7匹程いるだろうか。
「多いな。面倒なことになったもんだ」
「ふん、面倒事はさっさと終わらせりゃあいい」
「簡単に言うもんだな」
いつもの癖でぎゅっと眉を寄せたマンカストラップの背で、微かに笑う気配がした。
「何だ?」
「心配性だな、てめえも。知ってたけどな。おいお前、誰が隣にいると思ってんだよ」
マンカストラップは思わず振り向こうとした。だが、途中で止めた。そしてフッと笑って言った。
「あいにく、隣には誰もいないようだ。背後にはいるようだがな。すっとび馬鹿が、一名ほど」
「ほう。言ってくれるじゃねえか減らず口め。覚えてろよ」
「でかい口叩いてるが、どうもさっきから酒臭い。酔いどれにこのチンピラどもを相手できるのか?」
「へっ、舐めんなよ」
背中の男はおそらく胸を張った。そんなような動きがマンカストラップに伝わってくる。
「俺様は酔拳の名手だ。知らないたあ言わせねえぞ」
「知るか、馬鹿」
ごく短く相手を罵倒して、マンカストラップは体勢を低くした。負けるわけはない。負ける気は全然しない。たぶん、背中を預けたのがこの男でなければもう少し悲観していたかもしれないけれど。
脳裏で戦い方を一通り思い描く。そして、その逞しい脚で地を蹴り出した。
「そっちは任せるぞ、タガー!」
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最後のセリフっていろいろ迷ったんですけど。信頼してるぜ、という感じを出したかったけど力尽きました。制作時間は構想からはじめて55分くらい、というか構想にかかった時間がほとんど。マンカスとタガーのSSでした。時間のわりにくだらない。
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