日記

日々の雑記にございます。

負けちゃいましたか。

2008-10-21 09:23:47 | お題
 残念だなあ、阪神。まあ、後半の戦い方見てて勝てる気があまりしなかったし、藤川投手で負けたのなら仕方ないよねえと思ってみたり。こうなれば西武を応援するか・・・埼玉に住んで一年半以上だし。でもなあ、地元は浦和レッズの応援はするが西武の応援はまるでしてない。所沢だもんな、遠いからかしら。

 で。とりあえずは「トブモノ3題」の第二弾。正直、あまりできが良くないのですが。いつもそんなに良くないですか、そうですか。あまり突っ込みを入れずに流してください。

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エナメルの羽根


棲みかに戻った黄色の小さなトラ猫は、今夜の戦利品を頭陀袋から引っ張り出した。
不思議な色の布だったり、ガラス細工のブタだったり。
ここに持ってきてしまえばがらくたになってしまうものばかり。
あるべき場所にあってこそ、それらは魅力的なのだ。

とまれ、そんな理屈は彼女らになんら関係はない。
彼女らにとって大事なのは、盗むという行為そのものなのだから。

「あ、羽だ。マンゴったら羽なんて盗んだのね」

青い美しい羽根。
そこいらにいる小鳥のものではないだろう。
真っ青な、空よりも青い鳥のものだ。

「ふうん、随分本物っぽいじゃない」
「さっそく見てるな、ランペル。それ、綺麗だろ」

温かいミルクを持ってきたマンゴジェリーがニカッと笑う。

「綺麗だけど何か不自然よ。なんでか生きものの一部だった感じがしない」
「言われてみりゃあそうだな」
「これはなんだか作りものっぽい。見た目とかは普通の羽なのに・・・」

いろいろな方向から手にした羽根を眺めるランペルティーザ。
もともと生きていたとは思えない。
堅そうで、温かみもなさそうな青い一枚の羽根。

「うーん。何かつやつやしてない?
 羽の光沢っていうよりどっちかって言うとガラスみたい。
 バストファさんの靴もこんな感じだったわ」
「おお、そういやあそんな感じだな」

バストファジョーンズ氏が靴を履くわけではないので、
あれはただ彼のコレクションなのだろうが。
このガラスに似た光沢には覚えがあった。

「確か、エナメルとか言ってたなあ。それもエナメルかもな。
 今日の家はちったあでかかったし、凝ったもん置いてるかもしれないな」
「ふうん。エナメルって言うんだ」

随分精巧に作られている。
もしかしたら、この光沢の内にあるのは本当の羽かもしれない。

「こんな羽じゃ飛べないね」
「それはそれでいいんじゃないか。
 それはもう飛ぶ必要もない、ただの飾りさ」

マンゴジェリーは黄色の相棒に暖かなミルクのカップを手渡した。
こくんと喉を鳴らしてミルクを少し飲みこんで、
ランペルティーザは片手にあった羽を戦利品の山の上に置いた。

「あれは綺麗だけど、綺麗なだけね。ガラス細工と同じ。
 本物の羽だったら、その持ち主想像したりお腹すいたりするけど
 その羽根にはそんな魅力はないもの」
「ああ、これは細工物なんだ。本物じゃない。
 エナメルの羽根だ。大空を飛ぶ青い鳥の羽じゃあない」
「あたしは本物がいいなあ。最近鳥も獲ってないし。
 そうだ、明日あのレストラン行こうよ」

骨付き肉を焼いている、駅に近いレストラン。
鳥の丸焼きがあるかもしれない。

「いいな、それ。そんじゃあ明日の昼にでもちょっくら下見に行くか」
「うん。絶対おいしいもの手に入れなきゃ」

目を輝かす泥棒猫たち。
エナメルの羽根のことなんてもう忘れている。
飛んでいる鳥の羽は美しい。
それは生命に溢れているから。
その生命は、彼らにとっての生きる糧かもしれないから。
彼らにとって真に美しいものは、生命の循環の中にあるものなのだ。

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エナメルは調べてみたけどよくわからなかった;マンゴとランペルの日常。

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