もはや西武を応援するしかない・・・かもしれない。中日と巨人の対戦に興味はないし。妹は今週末でひとやま越えそうなので、とりあえず来週あたりにはサイトに復活すると思います。
で。「トブモノ3題」最終話です。ありきたりだけど運びが下手でろくでもない話に仕上がったもの。もはや書き直そうとも思えない。
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小鳥の泣き声
赤く濡れた己の爪をそっと舐め、マキャヴィティは叢に丸くなった。少し冷たさの混じる風と日差しの暖かさが心地よい。
「誰か、いるのか」
気配を感じる。さくりと、所々で枯れている草を踏む音が聞こえてくる。
「私も一緒にいいかしら」
マキャヴィティは顔をあげ、緋色の目で声の主を見た。薄氷のような美しい水色の瞳あと目が合う。
「かまわん」
低い声でぼそりとマキャヴィティが答える。白く美しい毛並みを持った小猫は微かに微笑んだ。
「狩ったの?」
傍に腰を下ろした白ネコ、ヴィクトリアは何でもないように問いかける。マキャヴィティは丸くなったまま、ああと呟いた。
「よくわかったな」
「ええ。小鳥たちの鳴き声がね、少し悲しそうだったから」
「そうか」
今日の昼食は、どこにでもいる褐色の小鳥だった。最期を向かえ、またそれを見届けるけたたましい鳥たちの叫び声は嫌いではない。懸命に生きる者の魂の声。それを狩る己もまた懸命に生きている。生命の連環を厭でも感じるその一瞬が嫌いではないのだ。
「小鳥の泣き声が聞こえるの。きっとね、奪われたことが悲しくて寂しくて仕方無いのよ」
でもね、と言ってヴィクトリアは空を舞う鳥を見上げた。
「明日にはきっとまたさえずり歌っているのよ。そうでなきゃ生きていけないもの」
「そうだな」
そう呟きながら、マキャヴィティの胸の奥は少し痛んだ。自分が傷つけたものの痛み。自分が殺めたものの苦しみ。それらを取り巻くものたちの悲しみ。憎しみ。
悔いてもいる。
悲しんでもいる。
それでも、己の中にいる犯罪王は止まらない。
「ねえ、あなたは泣いてくれる?」
そんな風に問いかけられて、マキャヴィティは身体を起こした。何を尋ねられているのかよくわからなかった。
「あなたは、私がいなくなってしまったら泣いてくれる?」
マキャヴィティは、ほんの少しだけ目を瞠った。いつもと同じように、微かな笑みを浮かべているヴィクトリアがいる。
「たぶんな」
「そう。よかったわ」
口をついて出た答えは、考えて出したものではなくて。ただ本当にこぼれ出てしまった言葉だった。
本当に泣くのだろうか。マキャヴィティは己に問いかけた。勿論、答えは出てこない。
ただ、彼は思った。そんな時が来なければいいと。
近くに佇む常緑樹の梢で小鳥が鳴いた。小さな命を失って、小鳥が泣いた。
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マキャヴィティとヴィクトリアというのは案外絡ませやすい。ああ、これでもヴィクは目の前の猫がマキャヴィティとは知らない設定です。
で。「トブモノ3題」最終話です。ありきたりだけど運びが下手でろくでもない話に仕上がったもの。もはや書き直そうとも思えない。
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小鳥の泣き声
赤く濡れた己の爪をそっと舐め、マキャヴィティは叢に丸くなった。少し冷たさの混じる風と日差しの暖かさが心地よい。
「誰か、いるのか」
気配を感じる。さくりと、所々で枯れている草を踏む音が聞こえてくる。
「私も一緒にいいかしら」
マキャヴィティは顔をあげ、緋色の目で声の主を見た。薄氷のような美しい水色の瞳あと目が合う。
「かまわん」
低い声でぼそりとマキャヴィティが答える。白く美しい毛並みを持った小猫は微かに微笑んだ。
「狩ったの?」
傍に腰を下ろした白ネコ、ヴィクトリアは何でもないように問いかける。マキャヴィティは丸くなったまま、ああと呟いた。
「よくわかったな」
「ええ。小鳥たちの鳴き声がね、少し悲しそうだったから」
「そうか」
今日の昼食は、どこにでもいる褐色の小鳥だった。最期を向かえ、またそれを見届けるけたたましい鳥たちの叫び声は嫌いではない。懸命に生きる者の魂の声。それを狩る己もまた懸命に生きている。生命の連環を厭でも感じるその一瞬が嫌いではないのだ。
「小鳥の泣き声が聞こえるの。きっとね、奪われたことが悲しくて寂しくて仕方無いのよ」
でもね、と言ってヴィクトリアは空を舞う鳥を見上げた。
「明日にはきっとまたさえずり歌っているのよ。そうでなきゃ生きていけないもの」
「そうだな」
そう呟きながら、マキャヴィティの胸の奥は少し痛んだ。自分が傷つけたものの痛み。自分が殺めたものの苦しみ。それらを取り巻くものたちの悲しみ。憎しみ。
悔いてもいる。
悲しんでもいる。
それでも、己の中にいる犯罪王は止まらない。
「ねえ、あなたは泣いてくれる?」
そんな風に問いかけられて、マキャヴィティは身体を起こした。何を尋ねられているのかよくわからなかった。
「あなたは、私がいなくなってしまったら泣いてくれる?」
マキャヴィティは、ほんの少しだけ目を瞠った。いつもと同じように、微かな笑みを浮かべているヴィクトリアがいる。
「たぶんな」
「そう。よかったわ」
口をついて出た答えは、考えて出したものではなくて。ただ本当にこぼれ出てしまった言葉だった。
本当に泣くのだろうか。マキャヴィティは己に問いかけた。勿論、答えは出てこない。
ただ、彼は思った。そんな時が来なければいいと。
近くに佇む常緑樹の梢で小鳥が鳴いた。小さな命を失って、小鳥が泣いた。
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マキャヴィティとヴィクトリアというのは案外絡ませやすい。ああ、これでもヴィクは目の前の猫がマキャヴィティとは知らない設定です。
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