ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

大洲市は不誠実ではないか?パートナーシップ意見公募

2023-03-01 22:28:46 | Weblog
愛媛県大洲市で4月から開始するというパートナーシップ宣誓制度のパブリックコメント(意見公募)の結果が公開されています。
導入ありきで進められパブリックコメントも済ませたということで突き進んでいくようです。

パートナーシップ宣誓制度は自治体が同性カップルを結婚した男女と同じような関係と認めると言われているものですが、自治体でできることがほとんどないこと、法的効力の無さでほとんど家族扱いにできないことから当事者がカミングアウトのリスクを取ってまでするメリットが無いこと、気持ちを受け止めるだけという制度で当事者は軽く扱われている点、なにより当事者のほとんどが利用できずニーズに合ってないので利用者数が極端に少なくなること、カップルの承認よりまず当事者の個々人の承認が先では無いのか?少数の中のさらに少数に寄り添って制度を作るというのなら、他の課題でもそのようにしていかなければLGBTだけ優遇とか言われてしまうが大丈夫なのだろうか?などと、それはいろいろと問題があることから、地元で長年取り組んできた当事者団体としては導入後の責任が持てないと考え各所において慎重意見を伝えてきているところです。

今回の大洲市でのパブリックコメントにも団体で意見を送りました。
公開されている実施結果にもレインボープライド愛媛が送ったものが載せられていますが、あちこち切り取られています。不都合なところが削除されているのかもしれません。
また、意見に対する市の回答ですが、これは極めて不誠実ではないでしょうか?
大洲市が制度導入を表明して以降、本当に不誠実な対応が積み重なっています。

公開された内容を見ると、良かれと思って賛成してくださる方も本当に制度の中身を分かっているのか疑問です。
同性婚についての感想かのような感じがしますが、自治体のパートナーシップ制度は別物です。
推進されている意見としてなぜこんなものが公開されるのか良く分からないものまであります。

参考までに本来レインボープライド愛媛で送った文面を以下に張り付けます。

市民の皆さんにおいて、隠れた当事者の立場を想像していただきながら、よくよく真剣に制度について考えていただける、また議論の材料となればと思います。

公開されているパブコメ
(大洲市のページ)
https://www.city.ozu.ehime.jp/soshiki/jinken/52943.html?fbclid=IwAR3630ztukcZvbdGdQkRt-1oN_U9o3BE-G70Cy0I4Xm4mvKFA131rFvc4Ng
(結果のPDF)
https://www.city.ozu.ehime.jp/uploaded/attachment/37010.pdf?fbclid=IwAR2ixRAbTG6yzbVyTuyoiQKYYJNZy_ulnhuIMStQOWrS6YYBXL5thCqmt3s

◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆
●以下がレインボープライド愛媛が送ったものです。●

大洲市パートナーシップ宣誓制度(案)について地元当事者団体より

愛媛県内で性的マイノリティの当事者団体をしておりますレインボープライド愛媛です。
大洲市において同性パートナーシップ宣誓制度を始めるとのことで地元の当事者の想いや立場をお知らせしておきます。

私たちは2007年より地元愛媛に根差した当事者団体として、当事者支援や社会の理解を進める活動をしてまいりました。地元の300人を超える当事者たちとつながってきており、声の上げにくい当事者の思いや要望を自治体にも届けてまいりました。
その中で、自治体におけるパートナーシップ制度について施策としての取り組みに疑問を感じ、地元に暮らす当事者のためになりそうにない為、団体としてパートナーシップ制度を要望したり推進したりはせずにまいりました。長年の活動をしてきた性的マイノリティの団体が私どもしかないこともあり、当事者団体である私どもが慎重な考えを伝えてきたことから、愛媛県内では制度の導入の話がどの自治体からも上がっていなかったかと思います。

大多数の当事者は自身のセクシュアリティについて公にしはしておらず、家族にも自身のことを伝えていない、言えないでいる人が大多数です。社会の偏見を恐れ、生活に支障が出ることを恐れ、家族に迷惑がかかることを心配し、自身のことを隠さざるを得ない立場にあります。人口の5%とも言われる性的マイノリティの割合ですが、カミングアウトをして暮らしている当事者に出会うことは本当に少ないということからもお分かりいただけるように、大多数はカミングアウトし難い立場にあるのです。

パートナーシップ制度には宣誓が必要で、当事者にとって細心の注意を払わねばならないカミングアウトが求められる制度です。申請時は元より、利用するたびにカミングアウトがついてまいります。隠れざるを得ない当事者には使えない制度なのです。安心してカミングアウトができる社会ができていないのにカミングアウトを求める制度で当事者の役に立とうとするという無理さがあります。
実際に先に導入した自治体においても利用者は極端に少なく、大洲市においてはゼロ、無理をして1,2件といったことも十分に考えられます。当事者は大洲市にもたくさん暮らしているのにも関わらずです。大洲に暮らし、大洲の街を支えている市民である当事者が、利用できにくい、利用の意味を見いだせない制度になります。

当事者の生活において、この制度が役に立つ制度であれば良いのですが、その制度で得られることは非常に少ないものです。公営住宅に低所得の同性カップルが入居できるとか、市営病院で面会しやすくなるかといったもの、民間の家族割引が適応できるかもとか、保険の受取人になれる(実際には非常に難しい手続きになる)など非常に限られたものであり、一番大切な法的効力のある家族扱いにはなりません。多くの隠れざるを得ない当事者には、家族の理解を取りつけてまで利用するものではなく、また社会上のリスクを負ってまで使いたい制度ではありません。一部において制度を願う当事者もいるとは思いますが、そこに注目して制度を作ることは「木を見て森を見ず」ということなのです。当事者のニーズにあってない制度を作ることへの疑問は、地元の当事者団体としてお伝えしておかねばなりません。

コロナ禍において、家族でない同性カップルが病院で面会しにくい点を市長が心配してくださいましたが、そもそも市の監督下にある市営病院において、面会は家族に限るといった規制があるのであれば、面会人数を絞りながらも患者本人の希望に沿うという当たり前のことができるようにすることが大事であり、パートナーシップ制度を申し込めた市民だけを解決する問題ではないはずです。LGBTに限らず誰にとっても広く市民の役に立つ取り組みをしていくべきと考えます。

法律的な家族の扱いですが、そもそも自治体にそれを決めることは不可能です。法的効力を持たせられるかは国の制度の問題で、自治体は国に沿うしかありません。パートナーシップ制度について、「同性カップルを結婚に相当する関係と自治体が認める」などというマスコミ等の説明がありますが、そのようなことは不可能かと思います。この制度で自治体ができることとすれば「心情的にカップルであると思いますよ」くらいではないでしょうか。大洲市もこの制度は法的効力が無いと説明していますが、それでは何の意味があるのか分かりません。性的マイノリティに限らず、あらゆる人々が思う大切な関係をできる限り尊重して扱うことは、このような制度が無くても自治体に求められることではないかと思います。
自治体にできないことをさもできるかのようにマスコミ等で伝えられてしまう制度には問題があります。それに、対応が無理である自治体に無理な要望をしていくなどは、社会制度の中でまっとうに生きている者として、地元に責任を持つ団体としてできません。

大洲市に暮らす当事者とも私たちはつながっていますが、「導入されても利用できるはずがない」「なぜカップルから?一人ひとりを認めることからではないのか」「制度が誤解を広げ、性的マイノリティへの理解を阻害するのでは?」「穏やかな生活がこの制度の導入や市民の注目によって揺るがされるのではないか」と心配をしています。

大洲市には去年来、たびたびご連絡をし制度の危惧を伝え、地元の当事者団体としてお会いし話し合いたいたいと伝えてまいりましたが、一度も面談していただいておりません。しばらく待つようにとの連絡のまま放置され今回のパブリックコメントの受付開始という段階となってしまいました。このようにないがしろにされるものかと関係者は大変ショックを受けています。

大洲に暮らす多くの隠れた当事者が声をあげられないことを良いことに、求めてもいない施策を勝手に進めて良いのでしょうか?大洲に暮らす当事者の役にほとんど立たず、また制度に期待する人であっても実際的には自治体として救えない制度を、まるで性的マイノリティに理解があるかのように進められていくことに憤りすら感じます。制度から社会を変えようという試みは、市民を理解できる人と、できにくい人に分断します。当事者の総意を取りつけることなく社会実験のような取り組みをはじめて良いのでしょうか?

レインボープライド愛媛 
http://rainbowpride-ehime.org/

※自治体におけるパートナーシップ制度について当団体へのお問い合わせは
団体HP連絡フォームもしくはメールにて
rainbowpride777@gmail.com



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大洲市は不誠実ではないか?パートナーシップ意見公募

2023-03-01 21:59:52 | Weblog
大洲市で4月から開始するというパートナーシップ宣誓制度のパブリックコメント(意見公募)の結果が公開されています。
導入ありきで進められパブリックコメントも済ませたということで突き進んでいくようです。

パートナーシップ宣誓制度は自治体が同性カップルを結婚した男女と同じような関係と認めると言われているものですが、自治体でできることがほとんどないこと、法的効力の無さでほとんど家族扱いにできないことから当事者がカミングアウトのリスクを取ってまでするメリットが無いこと、気持ちを受け止めるだけという制度で当事者は軽く扱われる点、なにより当事者のほとんどが利用できないこと、カップルの承認よりまずは当事者の個々人の承認が先では無いのか?などいろいろと問題があり、導入後の責任が持てないためレインボープライド愛媛では地元の当事者団体として慎重意見を伝えてまいりました。

今回の大洲市でのパブリックコメントにも団体で意見を送りました。
公開されている実施結果にもレインボープライド愛媛が送ったものが載せられていますが、あちこち切り取られています。
不都合なところが削除されているのかもしれません。
また、意見に対する市の回答は極めて不誠実ではないでしょうか。
大洲市が制度導入を表明して以降、本当に不誠実な対応が積み重なっています。

公開された内容を見ると、良かれと思って賛成してくださる方も本当に制度の中身を分かっているのか疑問です。
同性婚についての感想かのような感じがしますが、自治体のパートナーシップ制度は別物です。
推進されている意見にはなぜこんなものが公開されるのか良く分からないものもあります。

参考までに本来レインボープライド愛媛で送った文面を以下に張り付けます。

市民の皆さんにおいて、隠れた当事者の立場を想像していただきながら、よくよく真剣に制度について考えていただける、また議論の材料になればと思います。

公開されているパブコメ
(大洲市のページ)
https://www.city.ozu.ehime.jp/soshiki/jinken/52943.html?fbclid=IwAR3630ztukcZvbdGdQkRt-1oN_U9o3BE-G70Cy0I4Xm4mvKFA131rFvc4Ng
(結果のPDF)
https://www.city.ozu.ehime.jp/uploaded/attachment/37010.pdf?fbclid=IwAR2ixRAbTG6yzbVyTuyoiQKYYJNZy_ulnhuIMStQOWrS6YYBXL5thCqmt3s


●以下がレインボープライド愛媛が送ったものです。●

大洲市パートナーシップ宣誓制度(案)について地元当事者団体より

愛媛県内で性的マイノリティの当事者団体をしておりますレインボープライド愛媛です。
大洲市において同性パートナーシップ宣誓制度を始めるとのことで地元の当事者の想いや立場をお知らせしておきます。

私たちは2007年より地元愛媛に根差した当事者団体として、当事者支援や社会の理解を進める活動をしてまいりました。地元の300人を超える当事者たちとつながってきており、声の上げにくい当事者の思いや要望を自治体にも届けてまいりました。
その中で、自治体におけるパートナーシップ制度について施策としての取り組みに疑問を感じ、地元に暮らす当事者のためになりそうにない為、団体としてパートナーシップ制度を要望したり推進したりはせずにまいりました。長年の活動をしてきた性的マイノリティの団体が私どもしかないこともあり、当事者団体である私どもが慎重な考えを伝えてきたことから、愛媛県内では制度の導入の話がどの自治体からも上がっていなかったかと思います。

大多数の当事者は自身のセクシュアリティについて公にしはしておらず、家族にも自身のことを伝えていない、言えないでいる人が大多数です。社会の偏見を恐れ、生活に支障が出ることを恐れ、家族に迷惑がかかることを心配し、自身のことを隠さざるを得ない立場にあります。人口の5%とも言われる性的マイノリティの割合ですが、カミングアウトをして暮らしている当事者に出会うことは本当に少ないということからもお分かりいただけるように、大多数はカミングアウトし難い立場にあるのです。

パートナーシップ制度には宣誓が必要で、当事者にとって細心の注意を払わねばならないカミングアウトが求められる制度です。申請時は元より、利用するたびにカミングアウトがついてまいります。隠れざるを得ない当事者には使えない制度なのです。安心してカミングアウトができる社会ができていないのにカミングアウトを求める制度で当事者の役に立とうとするという無理さがあります。
実際に先に導入した自治体においても利用者は極端に少なく、大洲市においてはゼロ、無理をして1,2件といったことも十分に考えられます。当事者は大洲市にもたくさん暮らしているのにも関わらずです。大洲に暮らし、大洲の街を支えている市民である当事者が、利用できにくい、利用の意味を見いだせない制度になります。

当事者の生活において、この制度が役に立つ制度であれば良いのですが、その制度で得られることは非常に少ないものです。公営住宅に低所得の同性カップルが入居できるとか、市営病院で面会しやすくなるかといったもの、民間の家族割引が適応できるかもとか、保険の受取人になれる(実際には非常に難しい手続きになる)など非常に限られたものであり、一番大切な法的効力のある家族扱いにはなりません。多くの隠れざるを得ない当事者には、家族の理解を取りつけてまで利用するものではなく、また社会上のリスクを負ってまで使いたい制度ではありません。一部において制度を願う当事者もいるとは思いますが、そこに注目して制度を作ることは「木を見て森を見ず」ということなのです。当事者のニーズにあってない制度を作ることへの疑問は、地元の当事者団体としてお伝えしておかねばなりません。

コロナ禍において、家族でない同性カップルが病院で面会しにくい点を市長が心配してくださいましたが、そもそも市の監督下にある市営病院において、面会は家族に限るといった規制があるのであれば、面会人数を絞りながらも患者本人の希望に沿うという当たり前のことができるようにすることが大事であり、パートナーシップ制度を申し込めた市民だけを解決する問題ではないはずです。LGBTに限らず誰にとっても広く市民の役に立つ取り組みをしていくべきと考えます。

法律的な家族の扱いですが、そもそも自治体にそれを決めることは不可能です。法的効力を持たせられるかは国の制度の問題で、自治体は国に沿うしかありません。パートナーシップ制度について、「同性カップルを結婚に相当する関係と自治体が認める」などというマスコミ等の説明がありますが、そのようなことは不可能かと思います。この制度で自治体ができることとすれば「心情的にカップルであると思いますよ」くらいではないでしょうか。大洲市もこの制度は法的効力が無いと説明していますが、それでは何の意味があるのか分かりません。性的マイノリティに限らず、あらゆる人々が思う大切な関係をできる限り尊重して扱うことは、このような制度が無くても自治体に求められることではないかと思います。
自治体にできないことをさもできるかのようにマスコミ等で伝えられてしまう制度には問題があります。それに、対応が無理である自治体に無理な要望をしていくなどは、社会制度の中でまっとうに生きている者として、地元に責任を持つ団体としてできません。

大洲市に暮らす当事者とも私たちはつながっていますが、「導入されても利用できるはずがない」「なぜカップルから?一人ひとりを認めることからではないのか」「制度が誤解を広げ、性的マイノリティへの理解を阻害するのでは?」「穏やかな生活がこの制度の導入や市民の注目によって揺るがされるのではないか」と心配をしています。

大洲市には去年来、たびたびご連絡をし制度の危惧を伝え、地元の当事者団体としてお会いし話し合いたいたいと伝えてまいりましたが、一度も面談していただいておりません。しばらく待つようにとの連絡のまま放置され今回のパブリックコメントの受付開始という段階となってしまいました。このようにないがしろにされるものかと関係者は大変ショックを受けています。

大洲に暮らす多くの隠れた当事者が声をあげられないことを良いことに、求めてもいない施策を勝手に進めて良いのでしょうか?大洲に暮らす当事者の役にほとんど立たず、また制度に期待する人であっても実際的には自治体として救えない制度を、まるで性的マイノリティに理解があるかのように進められていくことに憤りすら感じます。制度から社会を変えようという試みは、市民を理解できる人と、できにくい人に分断します。当事者の総意を取りつけることなく社会実験のような取り組みをはじめて良いのでしょうか?

レインボープライド愛媛 
http://rainbowpride-ehime.org/

※自治体におけるパートナーシップ制度について当団体へのお問い合わせは
団体HP連絡フォームもしくはメールにて
rainbowpride777@gmail.com



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